物憂げなまま空は逝く

少し濁ったように雲がかかった夜の空
ベランダにいる私の吐息は白く
素足はどんどん冷えていく

云いたいことは山ほどあるけれど
どれも言葉にはならなかった
思うこ ....
想っても想っても あなたの影さえ踏めなくて
近づくたびに遠くなるよに 赤い瞳が見たいのに
暗い部屋へと消えていく背中をただ見ているだけしかできない
弱虫でごめんなさい あなたの幸せを祈ることしか ....
初々しく純粋な目 
心輝かせた稚い微笑みの 
幼きあなた

あなたの微笑みが
あなたの目の輝きが
私の胸を愛の歓びで貫く…

あなたのことを想うと
我が胸は甘い切なさが溢れ
心に温 ....
少女が腰をかける
やわらかき光が
屈折して
一人二人三人

1時20分
私はスケッチをしている

桃色の土はしめりて
昼間の太陽はなし
君は深く
僕は浅く

水面から見れば
口は揃うだろう

冷たい雪
暑き射す陽(ひ)

人の皮膚だから
運命められた

数字ならば明白
美意識は測れないさ

だから
君を ....
神無月も近いのに


      雨音

       心の裏側を叩く






  響いているのは






      ....
絹のすれる音が、ひとひら

二枚、三枚と

声にならない音をたてて

深い闇に落ちていく


夕と夜の間に

音もなくまぎれこみ

ひとひら、ひとひら

落ちていく

 ....
夜のピースにはまるひと
かわいい子供が泣いて
そっとオフにもどるひと
見た目はきらきら
こころはながく
話を聞いてくれるひと

お月さまが壊れていると
詩を詠む男の子
半月とひ ....
水母ゼリーの月光振動
白濁のパルス苦く静かに
クレーターあける
クレーターあげる

春くらい咲く前に
暗い桜咲く前に
クラッシュの後輪は
フラッシュの光輪に黒く

クリーチャー苦し ....
ラムネの瓶の底で見つかったあなたの骨は
あたしが今朝パンに挟んで食べてしまいましたよ

窓の外で恨めしそうにこっちを見ているひまわりが
種を落としながらあたしのそらを食べていました

ニノ ....
レンズ越しに見える葬列
蛙の鳴き声に包まれて

猫背のわたしは
足跡のない欠けた部屋にいる
栗の木が窓の方へ手をのばして握手を求めるけど
押し出してくる風のせいにして逃げ出した

さっ ....
寝間着からもれてくる水のにおいが
夜をかけてゆく
つるつると甘皮をはぐ物音も
虫がしんと鳴くともう閉じてしまって
ぼくは波紋に収束する
ことばの様だ
電気じかけなのに
くらやみが本の ....
退屈そうな視線と頬杖
残暑は緩やかな日々に降り注ぐ
片時も放さないでいたい願望
眠気を忘れて胸が痛くなる
もっと夢中になるために
知らない声を集めよう


迷いの森の中
ずっと深く入 ....
まだらに重いまぶたの道
雨の折り目
額のしずく
まぶたの奥を巡る音


まばたきのたび
出ようとするもの
入ろうとするものが
宙に光の柱をつくる


ひとつ ....
青い空に突きささる稲妻
君の髪の毛も逆毛立ってピンクのハートは真っ二つ
羊が空から降ってきて
さよなら僕の甘い官能と少女たちと気付きはじめた神の存在
君がガブリエルなら僕はアダム
僕は僕の中 ....
飛び出す水中
上げた三角は
砂の残された誰か
水色の海

潜り込んだ姿もなく
言葉は岩場に
意味へと探す
泳いだ自分だ

見つめられた鏡は

見る目玉の魚に
なく尋ねて
ボ ....
仄暗い湖、青銅色の水底から
水面に浮かんだ
満月をつかもうと
水草のようにやわらかく
つるりとした腕を伸ばしている
月曜日の子どもたち

ランプの火影に怯える
動物園のオオカミが
故 ....
テーブルに光るいくつかのよだれに
いろいろな画家の画集をめくっていたが
そのあるいはオイルのようなものは
水よりも高いのだろうかと

絵を完成させようとせずに
誰も人のいない画家であろうわ ....
海洋生物たちが海
私は防波堤から 波の
砕けるひとつを見つめている
見られたのは誰なのか

私の海の ミミズは誰
私はいなくなったバケツの私
しかし私の故郷から捨てさせられた
見えたバ ....
君は暮れ果てた記号の森ふかくで永遠と出逢うだろう


僕は知っている 泳ぐのを止めてしまった魚 そして地獄を
君は目を醒ますことなく星を抱いている 月光を 浴びながら


甘い偽 ....
ほしぞらみたいに黙っていたら
追憶が加速していった
メリーゴーランドは架空の天気をかかげていた
7月15日は存在すらしなかった
とてもしずかに追い越されたニュートラル

 ....
 冷たい虫が脳の中を泳いでいる

 足を大蛇に巻きつかれる
 締め上げられる
 丸飲みされていく

 柳が風にゆら揺らいで
 人影が立つ

 海へ入ると息 ....
鏡に映るは頭蓋骨
湯気に煙るアンモナイト

砂場に描いた渦を飲み干し
喉に裂けるは根の無き林檎
音にはならず口惜しき様
無言の放射を裸体に感ず

(命あるものまるでただ
 渇きを ....
乾いた指先は死の前触れ 曲がった爪が擦れる音は最後の扉が閉じる音
何故こちら側が地獄なの 内側が表だと信じていたの
息を止め耳を塞いでもひび割れた錯乱が体中を食い荒らす
私はもう限られてしまった ....
薄暗いクラゲのランプの中で
向かい合う僕ら

口の外に投げ出した落とし穴に
僕は嬉々として自ら落ちた

パフェエを食らう君のまつげが
パリンと跳ねて
雲のような肌に浮かぶ唇のふくらみが ....
椅子に残された影を抱いて
私は目をつむる
もうにおいもなくて

人間くさい欲望に弱いところも感じられない

こうやって私の中でのあなたの存在が消えていくのを感じる

思い出が消えていく ....
近づく夏の気配に
風は
荘厳なパイプオルガンで
真実の歌を歌う
季節の波間へ
消えかけながらも
風は
光 いざないながら
真実の歌を歌う
白い壁に掛けられた 
金の額縁には 
名も知らぬ画家の描いた 
淡い水彩画の少女 

朝の光に透けながら 
すきま風に膨らむ
カーテンの窓辺に佇む
黒い瞳の少女 

日々多くの人と ....
 
 
クラゲの心音がする
放課後
筆箱の中で

黒板消しが羽化するのを
慣れない手つきで私は
手伝ったのだった
 
ひっそりとした
カーテンの向こう
湿り気のある列車が
外 ....
橋をくぐる橋の向こうに
ひとつおきに壊れた灯があり
ひとつおきに鳥の背を射る


青のなかの金
金のなかの青
朝に昼に 夢をめくり
めくりめくり 剥がれ落ちる

 ....
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