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木葉揺の書く詩には常人では思いもよらないような妙な味があって、それが彼女の詩の鮮烈な個性となっている。個性があるというのはそれだけで大きな武器になりうるものだが、悲しいかな、個性というものは努力して ....
詩の批評ということについて、少し考えてみたい。とりわけ、批評の必要性について。既にわかりきったことであるのかもしれないが、自分の頭の中を整理するためにも、ひとつの文章を書いておきたいという気がする。 ....
忘れる。人だとか物だとか、さまざまなものを人は忘れていく。今日を生き延びるために、無理矢理にあるいは自然に、忘れていく。だが、その一方で、忘れないでいるという選択もある。かつて一緒にいたけれどもいま ....
とどける。せかいのどこかでいきをころしている君の
ために、ひとつのうたをとどける。君がなにものなの
か、だれにもしられていなくて、しられていないこと
は、みたことのないけむりのようなかいかんでも ....
いのちを
てのひらのように合わせる
欠けたまま
あることの
ひとつの償いであるかのように
頭上の硬い岩は
いつでも欠けたままで
(満ちることなど
たまにしかない)
私たちの不安定な歩 ....
欠けている
それだけで思い悩む
砂のようないのち
たとえば
ふたつの石を打ち合わせて
火をつくる
そのために
石が欠けたとしても
かまわずに石を打つ
ただ
火をつくる
それだけの ....
――Sに
ばらばらにされる
(君のせいで)
俺が歩く その先々で
俺は自らの破片をばら撒いてゆく
路上に
天井に
....
――Sに
家に帰ると
君のために心をばらばらにする時間がほしくなる
俺は怪物になれるかもしれぬ
あるいはなれないかもしれぬ
そんなことを思うのもすべては
君のためで ....
――Sに
よく見てみれば世界は逆に回っていた
老人は杖を失い 赤子は乳を失った
退化の兆しを感じ取って皿はふるえ
投げられた石は空中に留まった
世界の最初は奇蹟だ ....
――Sに
すべての結果に原因があり
物事は (心の中の事象でさえも)
そのまっすぐな道を歩いているだけであった
だが
垂直に落ちる滝のようにひとつの感情が
....
村野四郎を近代詩人に分類するのは多少のためらいがある。確かに第五詩集までが戦前に刊行されており、戦前に出発した詩人として近代詩人の範疇に含めてもおかしくないかもしれない。だが、戦後三十年を経た昭和五 ....
溺れていく夏の海の傲慢を乗り越えて、原色
の光景にすべりこんでいく。速度を上げろ。
減速してはいけない。止まってしまったら、
たちまちにして恐怖がおまえをとらえるだろ
う。夏に生きる恐怖。夏に ....
――Sに
世界は美しいと感嘆する前に
やらなければならないことがあって
誰もがそこへ向かって走っている
完璧なソネットなど書けやしないから
俺の言葉はいつだって
掘 ....
夜 眠ろうとすると
世界中のあちこちから甥がやって来て
カブト虫を探してくれと言う
逃げてしまったらしい
眠くてもしかたがない
夜はまだ長いから
大勢の甥たちと一緒に
カブト虫を探してや ....
詩はいつも夜明けの相貌
足の記憶をひもとく余裕もなく
私は迷う
自らの足を踏みつけながら
置き去りにしてきた
枯葉の午後を追う
踏破せよ
惑いの道
あらゆる塩に咽びながら
入眠の甘さ ....
ふうふうと
息をのぼらせ
この坂道をのぼってゆく
季節は溶解し
逆転し
暗転し
眠るものの肌を焦がした
ふうふうと
息をのぼらせれば
ふうふうと
あえぐ空 または地
(私はあ ....
傾いて
その周囲に小さな
豊穣を張り巡らせながら
季節の同調を軽んじてゆく
絵の中の成果
熟れすぎたくだもの
(あるいは くだくもの)
裂かれるために実る
歯のいのちの前でおびえるもの ....
勢いこんで始めてしまった「近代詩再読」シリーズ。前回は長い詩暦を誇る草野心平をとり上げたが、今回はいきなり立原道造である。草野心平は八十過ぎまで生きていた人だが、立原道造はわずか二十四歳で亡くなって ....
そして、
海は濁っていった。青黒く、あるいは黄色く、
濁ることで海はひとつの予兆を示した。水平
線までの正確な距離をはかろうと、漁師たち
は考えをめぐらせ、砂 ....
のこされた風の中
四月がやって来る
この思いをのこしたままで
新しい輪に入らなければならない
記憶を背後の倉庫に閉じこめて
残酷な月が始まる
すべての匂いや音や色が
われわれを呼吸困難に ....
人が日常生活において言葉を発する時、それは普通ごく近い場所を対象にしている。家庭でも、職場でも、あるいは街中でも、言葉は近くにいる人に向けて、または自分がいるエリアの中に存在する人に向けて発せられる ....
箱入り娘に関する一連の推論は、世界という
もうひと回り大きな箱に対する裏切りのひと
つであり、それを論じる者たちは、それを奪
おうとする者たちと同じく、等しく同じ罰を
受けなければならない。箱 ....
書けなかった詩の断片が
ちぎれた草になって
風に舞っている
いのちは永すぎる未完
死してなお
始まりにさえたどりつけない 未完
私の夜はいつもと同じ旋律を
内側の街路にまきち ....
ゆうらりと
ゆれてしまえばかげひとつ
かげとかげとがかさなって
もっとおおきなかげひとつ
もっとおおきく
もっとかぼそく
うたってしまえば 月 むざん
うたってしまえば 夜 むざん
....
昔、一九九八年から九九年にかけて「夜、幽霊がすべっていった……」という連作を書きついでいたことがある。後に「現代詩フォーラム」に投稿し、個人サイト「21世紀のモノクローム」にも掲載した。
いまさ ....
ひとつの了解からはじまる憂鬱。世界のすべ
ては青い色でぬられている。雨をはきだす雲
のありかである空、それも青ならば、雨その
ものも、青い水彩絵具にとけてふってくる。
人はみな、青にびしょぬれ ....
このはれた
けれどもとてもさむいひに
うみにあらわれたはまべで
きみというこどもは
いたずらをくりかえす
うみねこたちがなきながら
きみのいたずらをみている
*
きみがした ....
いきなり断言してしまうが、名作とは天然である。隅から隅まで計算しつくして書かれたものは、実は名作の名に値しない。何だか自分でも辟易するほど古典的な考え方でいやだなと思うのだが、いろいろ考えていくと、 ....
円盤が
おまえの頭上高くを浮遊する
未確認の淋しさを乗せて
円盤は 氷点下の空を浮遊する
おまえの淋しさを憐れんで
おまえの淋しさに同調して
(いずれも認められていない淋しさ)
空の白さ ....
死期が近づくと
彼等は自ら首を吊って死ぬ
夜に 孤独な木を探してその枝に
縄を垂らして果てる
南の大地は熱い
吊られた身体は素早く腐る
自分ひとりで首を吊れない者は笑われる
ましてや ....
ふるるさんの岡部淳太郎さんおすすめリスト
(152)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
■批評祭参加作品■木葉揺_その個性の行方
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
10*
07-1-5
■批評祭参加作品■ピラミッドは三角か?
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
13+*
07-1-5
忘れること、忘れないでいること
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
16+*
06-12-27
とどける
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
06-12-17
eclipse_**
-
岡部淳太 ...
自由詩
14*
06-12-10
eclipse_*
-
岡部淳太 ...
自由詩
13*
06-12-7
破片
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
8*
06-8-25
俺たちとは呼べない俺と君
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
5*
06-8-25
虹、虹、雨、曇天、
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
4*
06-8-25
ポエティック・メランコリー・シンドローム
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
8*
06-8-21
近代詩再読_村野四郎
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
7*
06-8-9
溺れていく夏の
-
岡部淳太 ...
自由詩
16*
06-7-21
出来損ないの七十行
-
岡部淳太 ...
未詩・独白
7*
06-7-17
世界中の甥
-
岡部淳太 ...
自由詩
15*
06-7-9
迷路、あるいは疲労した道
-
岡部淳太 ...
自由詩
9*
06-7-1
地霊
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
06-6-15
死物
-
岡部淳太 ...
自由詩
10+*
06-6-1
近代詩再読_立原道造
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
15*
06-5-21
そして海は濁っていった
-
岡部淳太 ...
自由詩
11*
06-4-24
四月のいる場所
-
岡部淳太 ...
自由詩
16+*
06-4-11
遠い場所へ届こうとする言葉_——中村剛彦『壜の中の炎』につい ...
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
7*
06-4-6
箱入り娘に関する詩的考察
-
岡部淳太 ...
自由詩
6*
06-3-21
未完の夜
-
岡部淳太 ...
自由詩
18*
06-3-14
霊能者が書き留めた幽霊の聴こえない歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
8*
06-3-1
「幽霊」についての私的覚書
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
5*
06-2-26
Blue_is_the_Colour
-
岡部淳太 ...
自由詩
7*
06-2-6
このはれた_さむいひに
-
岡部淳太 ...
自由詩
13*
06-1-10
名作は天然である
-
岡部淳太 ...
散文(批評 ...
8*
05-12-31
冬の円盤
-
岡部淳太 ...
自由詩
4+*
05-12-26
首吊り族の死に方とその歌
-
岡部淳太 ...
自由詩
12*
05-12-4
1
2
3
4
5
6
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