すべてのおすすめ
火の境い光の境い冬ひとつ
穂の奥の鉛の森ぞ燃えさかる
岐に至る言葉のすべて水を招ぶ
にきにきと片手の光においけり
冬の背に失いしもの踊 ....
裸見て笑う山見て初湯かな
裸あまた見て山笑う椿の湯
まるさんかく女体百態つばきの湯
満ちて堕ちて残る輪郭つばきの湯
垂乳根の銀杏の気根のような乳
吸い物椀二つ伏せたような満ちた乳
....
全から出た棒ひなたでくつろぐ
こっちの道にも花さけ三叉路
川に落ちた眼鏡 魚もかけない
四年かけて書かれた文集踏み台にする
蔦よできればあの電柱に行け
....
雨あがり風の履歴の騒がしさ
煙ゆく光を原に削る冬
ふたつ膝ふたつの光だきよせる
見えぬ背の見えぬ行方を描く鳥
器からしずく持ち去 ....
INTERNET TELLS ME
YOU COULD HAVE A JOB
TEPO IS A CAT I HAD
VERY CUTE GUY
I LOVED HIM SO ....
.
夏の空ビードロの音鳴り響き
口の端に付く黒い点取り除き
紺空にパッと花輪が乱れ咲き
夏の夜の風物詩かな生ビール
祭明けまた燃え盛り乱れ咲く
.
月 ....
大西日山の蕎麦屋をつき抜けて
冬深し旬の魚は海の色
小春空取り忘れてる柿ひとつ
寒くても障子の奥は別世界
日曜を 待ち侘び老いる きりぎりす
冬寒し缶コーヒーを握り締め
皮を剥く母親の手は蜜柑色
背伸びする白鳥見ては真似をする
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や
誘蛾灯十枚の爪かかりけり
泳ぎきし手足を埋めて砂の城
真夜中の汗つま先へ到達す
扇風機ふいに大きく頷けり
蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
人ふいに春の水から石拾ふ
うららかや友うつくしく疎ましく
花冷や行方不明の恋敵
ボンネットに足跡残し春の猫
春嵐緑の騎士を連れて来よ
花冷のされど ....
雨近し僕した空が食う夕陽
春の芝濃いと淡いの鬼ごっこ
月に波桜花散るアメリカン
離れてもなお離れ得ぬ漠鬼かな
つむる目にひとつこぼれるななかまど
つむる目の光のなかを去りゆく背
己れから己れあふれる獅子頭
さ ....
大クレーンふいに傾く{ルビ雪催=ゆきもよい}
{引用=一九九七年一一月三〇日}
玄冬の砥石を濡らす太き指
{引用=一九九五年一一月二二日}
白鳥のくび憂鬱な長さなり
一九九五年一二月二六日
意地悪を言ひたくなるの冬の薔薇
一九九五年一二月二六日
埋もれた実つつく鳥の背ゆく四月
三月を折りたたむたび曇の声
吐息から吐息へわたる二月かな
ざらざらと白さ一月うたいけり
紅い背を ....
眠れない夜を眠れば
朝もくる
おまえらも
口惜しかったら
カブトムシ喰ってみろ
父去りて夏去りて今日ほどく紐
熱を捨て陽は降り急ぐ石の丘
涼やかな花には寄らぬ鳥と虫
触れるほど水はすばやく風深く
誰ぞ置く錆びし{ルビ ....
空あおぎ覗き込まれる月夜かな
くりかえし夜を描き足す爪の蒼
水に浮く石を踏む道帰り道
目の生えた指が私になじみゆく
耳だけが曇と ....
鰻屋で
独りこつこつ
酒を酌み
昼間のデート
行ったが最後
夜のお酒
女子高生
二人乗りして
ふらふらと
大風が秋の雫を散らすかな
秋の蚊を容赦なく打つ重さかな
パリス、巴里
今朝を生まれて
ゆでたまご
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜
通りすぎまた通りすぎ唱は降る
手をかすめ消える笑みたち金のいろ
生と死を斜めに飾る毒の花
天と地の ....
1 2 3 4 5