寝っころがって草の味

息を吸って風の味

目を見開いて空の味

手を伸ばして
雲を摘んで
食らう味

あぁほら観てよ

追い風がしたと思ったら
あいつも来てるぜ
入道雲
 ....
Ser immortal es baladi;
menos el hombre, todas las criaturas lo son, pues ignoran la muerte;
lo  ....
うす闇の中に漕ぎ出す小船で
香りの良い酒を口に含む

舌の奥でひらめく遠い国の人々の夢

長く私を苦しめている怒りが、闇と香になだめられていく

夜はゆったりと流れ出す死にかけた巨大な生 ....
赤いクレヨンを食べたあの娘は
頭から爪の先まで
真っ赤になった

私は彼女の似顔絵を描いていたので
真っ赤になった彼女を
真っ赤に塗らなければならなかった

ちょうど赤色が ....
夜が季節の名前ならば
今夜は惜春
雷雨が迫る黒雲
まだらに明るい空を映して
海が水銀のように揺れる
指先の温度が融点の
あなたという液体
わたしという液体

いつまでも
満たさ ....
冷えた石段に腰かけ 
振り返ると 
木々の茂みの向こうに   
{ルビ巨=おお}きなH型の下を{ルビ潜=くぐ}り 
無数の小さい車が行き交う 
横浜ベイブリッジ 

( H型の四隅 
 ....
 わたしたちのうつくしい夏は過ぎ去り
 ただ ぎらぎらとした陽炎ばかりが
 道すじに燃え残っているけれど
 二度とあうことのない確信は
 耳元で鳴る音叉のように
 気だるい波紋をいくえにも広 ....
街灯に蛾が群れている
明滅する明かり


雲がさあっと横に分かれて
月が顔を出した
誰もいない
蛾がひっそり群れている


角からぽーんと勢いよく
何かが飛び出した
赤いビニー ....
鏡を覗いたら

頭に白い糸がくっついてた

頭だけじゃなくて

手首にも足首にもくっついてた

どうやら上からさがってるみたい

それで上を見てみたら

大きな私がいた

 ....
五月雨に映えて{ルビ清=すが}しや草緑


散歩道寝そべる蛇に邪魔をされ


木漏れ日に透かして緑の影模様


憂鬱な世界を壊せ青嵐


吹き荒れる緑に心さらわれて


 ....
人が二人
話す後ろ
椅子に座って
空を塗った


人が二人
話す前で
椅子に座って
空を塗った


すっかり
白くなった顔を
下に向けたら
蝉のように鳴った
なめらかに幼子の
桃に染まった柔肌の
質感と光沢は珊瑚

或いは

とろり新鮮な濁りなき
真に最初の一雫
甘い乳白は象牙

真似て

何れ程焦こがれて
唯身を染めて桃に白に
 ....
引けば開く扉は押します開かぬよう

開かずの間あの鍵はもう壊れてます

ねえあなたこの車窓の絵は買えないの

蜂の顔同級生の小林さん

生活感だけを散らかし夏の庭

引けば開く扉と ....
若草色のスカートの金具が
押さえられた背中に擦れて
小さな傷をつくる
心地良く冷たい 磨かれた床は
父だったのに

眠ったふりをして
扉に向けた工作鋏を
両手できつく握り直した
桜色 ....
つかめないから

つかもうとする

するりとぬける

透明くらげ

ゆらめくあいだに

消えてしまう

とどまらないから 不安になるよ

こっけいなふり

無理なく笑う ....
取り違えられた

色の壁
名前を聞かれて
「青」
と答えてしまう

投げた
配水管の中に
あいまいな
猫が
右目がつぶれてしまって
横たわっている
弧を描いたらしい
血が ....
{引用=
  ? 風



何の拘りの
色調もなく
届けられた
薔薇の蕾

花言葉を探してみるが
ほのかに匂ふのは
五月の風


旅の君の便りからは
いつも金色が
 ....
確かめるように差し出した
金魚引換券は
手のひらの熱で
もう、よれよれだ

  (ううん
  (いちばん小さいのがいいの
  (だって
  (いちばん大きくなるでしょう?

わがま ....
夜空に{ルビ創=キズ}をつけたのは誰

遠く西の果てに
冷えた白銀の

夜空に{ルビ創=キズ}をつけたのは誰

眩暈に頭を揺らしながら

川縁が
薄く紫黒に滲みる間に
辿れば
 ....
何も見えなくていいのだ
握りつぶしてきた虫の数を数えてみようったって
できない
地球の反対側の生き死にだって見えやしない
私は限りあるイキモノであって
書物だのインターネットだのが親切にも教 ....
限り無く空に近い
水平線の向こう側で
少女は空になる、と
言ったもんだから
 
僕は黙って
海に潜るしかなかった
 
 
何処までも青いだけ
そんなことはもう
ずっと前から知って ....
青い顔をした海が言いました
そんなに思いつめて
どうするんだい

あんたの顔色に比べりゃ
幾分かマシさ
私はそんな風に答えました

海の中に太陽がジュジュジュと沈んで
 ....
          2007/04/29


ぎんだら ぎんだら
ステップ踏んで歩く道
緑の風が吹いてきて
天然孤児の頬なぜる

イチゴミルクの配達に
岡を登った林の影に
太った ....
この石ころは
どっから来たんかな
遠い遠いまだ教科書でしか見たことない
ヨーロッパとかから
来たんかな

学校帰りの小学生や
ちょっとムシャクシャしてたおじさんや
いろん ....
夜のアゲハ蝶の行き先は、決まって、
忘れられた夢のなかの王国の紫色の書架がもえている、
焼却炉のなかを通る。
くぐりぬけて、
グローバル・スタンダードのみずが曳航する午後、
雨の遊園地で、イ ....
本を読む人の眼は
例外なく真っ黒い色をしている
それはもちろん
眼が活字のインキを吸収してしまうからである
本を読みすぎて
白眼まで真っ黒になってしまった人が
こちらを向い ....


かみさまから
えいえんのやくをにんめいされたので
しろいあきちにたってみました
ねていたときのことだったので
ほんとうはかみさまじゃなくてわるいもののさしがねかもしれない
みーみー ....
あっ 

と九十過ぎの{ルビ老婆=ろうば}が言うと 
黒い杖はエレベーター十階の 
開いたドア下の隙間にするりと落ちて 
奈落の底で 
からんと転がる音がした 

「 杖も毎日使われて ....
頰杖でまどろむ窓辺何もかも
    透き通ってゆく水晶夜にて


草のゆめ針の夢またむらさきの
    時のうつろい夜は傾き


果敢ないと花びら時に散るならば
    ....
机の下の指先が
とても不器用に見えた時
祖父と同じように
草木の汁が染み込めばいい
と思った

へび苺の味は思い出せない


祖父の出畑は
すぐに草やつるが生い茂るので
それをな ....
朝原 凪人さんのおすすめリスト(214)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雲を摘んで食らう味- そらいろ ...自由詩2*07-5-20
夕日- 水在らあ ...自由詩54*07-5-20
失われた夜の夜- いねむり ...自由詩207-5-19
赤いクレヨン- なかがわ ...自由詩4*07-5-19
メルティング・ポイント- たりぽん ...自由詩14*07-5-19
母子像_〜港の見える丘公園にて〜__- 服部 剛自由詩7*07-5-18
暗渠- 月夜野自由詩17*07-5-17
月夜- 石瀬琳々自由詩25*07-5-17
一人芝居- 麻生ゆり自由詩11+*07-5-17
緑したたる- 未有花俳句12*07-5-16
- 肉食のす ...自由詩107-5-14
椰子哀歌- ICE自由詩7*07-5-12
夏の扉- 小川 葉俳句4*07-5-12
- かや自由詩8*07-5-11
透明くらげ- なきむし自由詩607-5-10
真夏日- 水町綜助自由詩30*07-5-9
五月の- まどろむ ...自由詩17*07-5-8
春金魚- 佐野権太自由詩29*07-5-8
*月創*- ちと自由詩4*07-5-3
初夏の森には秋の風- 佐々宝砂自由詩1807-5-3
水平線の向こう側で- 山中 烏 ...自由詩1107-5-1
明日の海- なかがわ ...自由詩4*07-5-1
瑠璃色苺大革命- あおば自由詩4*07-4-29
石ころ蹴り- なかがわ ...自由詩8*07-4-29
落丁した夏- 前田ふむ ...自由詩28*07-4-27
書店で働くということ- 吉田ぐん ...自由詩73*07-4-25
ポーズに関する三つのイメージ- ミゼット自由詩10*07-4-20
古い杖- 服部 剛自由詩12*07-4-18
水晶夜- 石瀬琳々短歌21*07-4-17
フレミングの- AB(な ...自由詩607-4-17

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