緑が柔らかな

春に近い

夏に通うころ

ぼくはきみの扉開く

遠い未来だけが

胸を泣かせる

時代めぐりの悲しみは

ありがとう、さようなら


輝いて戻ろうか ....
最初に雨を見たのは
ぼくだった

みんなはそのとき知らなかった
窓に一筋の雫が流れて
静かに落ちていったのを
最初に雨を見たのは
ぼくだった

風はなかったのかもしれない
ただ水が ....
限り無く空に近い
水平線の向こう側で
少女は空になる、と
言ったもんだから
 
僕は黙って
海に潜るしかなかった
 
 
何処までも青いだけ
そんなことはもう
ずっと前から知って ....
気がつくと、渚が後ろにあった

最近やけに足が濡れるなと思っていた矢先のことだった
後ろなど滅多に振り返らないから気がつかなかったけれど
ふと振り向くと、後ろに渚があった
ひたひたと波の打ち ....
朝をはじめる太陽は
まるで線香花火のようで

小さく揺れるその玉は
何も迷わず空へ空へ

紫に寝惚けた水平線を
橙に燃やしながら昇っていく

やがて膨らみ色を変え
放つ光は僕を丸ご ....
久しぶりの朝は雨の日で
このまま 布団の中うずくまって
雨の音を聴いていたいって 思った
ずっとずっとこのままで
雨になりたいって 思った

布団の中で ふと あのひとのことを考える
 ....
青い顔をした海が言いました
そんなに思いつめて
どうするんだい

あんたの顔色に比べりゃ
幾分かマシさ
私はそんな風に答えました

海の中に太陽がジュジュジュと沈んで
 ....
朧月
空想の羽ばたき
漆黒に眠りつきそうな 月

静かな 夜を巡る 
思いは宇宙に溶ける

平和に 一日を過ごした
感謝の思いを御本尊に報告しつつ
午後十時の唱題は声を細めた

 ....
 
 
落ちてきた雨粒が

ゆっくり夕暮れとまざりあう

窓越しに見える

はちみつの海に沈んでしまったような

コハク色のいつもの景色



どれもがみんな

だれも ....
たたいても尽きぬ埃で日常にわが身を埋める「砂の女」

めくる字より脳を痺れさせたのは本が吸ったタバコの煙



 ※「砂の女」安部公房
右のポケットに
湿ったままのハンカチ
トイレのドライヤーで乾かして
にわかに水蒸気は生まれていくが
それは霧でもなく雲でもない
つまり、僕のポケットには
虹は入っていないという事

エ ....
今夜
あの曲がり角の向こうには
たくさん星が落ちていた
親切な人が手を引くから
もつれそうになる足を
必死に動かして
自転車や空き缶
硬いゴミが浮かぶ
汚れた川の隣
破れたフェンスの ....
背中を向けて寝転ぶ姿をしばらくの間眺めて
静かな寝息が聞こえた頃にそっと布団を抜け出す
しっかりした鼻緒の下駄をひっかけて
ヴェランダで煙草に火をつけると
よく知らない街の風が煙を遠くまでさら ....
指をのばせば触れる
何も無く 触れる
何も無さにではなく
ただ 無いことに触れる


ちぎられたのでもなく
盗まれたのでもなく
花は指と手のひらに咲き
茎をかつぐ背を見つ ....
世界にこっそりと
覗き穴を開けて
穴の向こうを覗いてみる

光も闇も
何も無くて
だけど僕は見た
(確かに世界を)

昔可愛がっていた
ポチが走り回る
それを
おじいちゃんが微 ....
聳え立つコンクリートの塊

夕陽を遮る建物が
太陽の光を反射している

植えられた木々たちの傍
腐ってしまった水の中で
ぼうふらが湧いている

澱んだ空気だけが流れることなく
その ....
 イヤホンをして「ドラマチックレコード」を聴いた時だけあの頃に戻れる
 深淵の森へ 僕と君は歩いていく
 果てのない 親密な闇が濃密さを増す 無限の時間が安心させる 君の八重歯が光る
 僕は途端 ....
クジラが静かに僕の横を通り過ぎて
僕はその尾ひれの渦に巻き込まれた
気がつくと上も下も分からなくなっていた
だから明かりのあるほうに行った
どうやら少し水圧が高かったのだろう
世界は少しもぼ ....
刈り取られた
花々は暮れようにも
暮れられず
風が吹くのを待ちながら
やがて、
朝になります


  いつか風、のように
広げた両腕は冷たい、思い出となりますが
 その内、に抱えた ....
今年も川上から
棺が流れてくる
棺流しのおじさんが
一つ一つ流していく

棺流しのおじさんは
いつも無言で棺を流す
時々話しかけてみるけれど
にこりと笑みをこぼすだけ
 ....
その夢は終着駅から始まる
分厚い切符を駅員に渡し
改札を出ると
そこから終わりのない物語の
第一章がある
駅前広場から
右の道を上れば山があり
左の道を下れば海に着く
今は左の道に菜の ....
遠いところへ行く
だれもいない所へ
わたしという存在を
消すために

紫がかった夕暮れ
落ちていく太陽を
目で追う
暗闇が訪れた時
わたしは、無に帰る


砂の混ざった荒れ ....
はじめて春の木漏れ日をデッサンする人は
黒いスポーツキャップをかぶっている
背骨のひとつひとつが明瞭で
白い服をさらさらいわせ
にぎやかな空白に
筆をさしこむ

そしてパレットの虹は ....
あの日の雨は
小さな川になりました
ときどき私はその川へ行き
釣りをします
ときどき私はその川で
見たこともない美しい
小さな魚を釣ります
私は家の水槽で
その魚を飼います
しかしな ....
輝ける あなたよ、 
その命は、いつまで続くと思う?
悲しいほど 遠く広い この地上で、 
私たちの声は、どこまで伝わるのだろうか。

去り行くものは、限り無く遥か。
猛々しく この身を躍 ....
水たまりが
長細くできていて

まるで
ささやかな小川のようになっている


太陽が顔を見せれば

やがて消えてしまう

刹那な小川
朝焼けに 彩り添える 歌でさえ 笑顔の先に 思い出せると


翳した手 傷は癒えぬと 繰り返し 欠乏の果て 声は枯れゆく


さざ波の 白々しくも 酸い音を 瀬に背に受けて 空 ....
とっぷりと
暮れた空の中で
赤に染まりたいと願う
 
透明な私を
あの赤で彩ったら
なんて、なんて素敵なんだろう
と思う
 
 
折角なら
あの黒い鳥にも
絵の具になって欲しい ....
夕暮れの風が皮膚に冷たくあたる頃
さざ波がわたしの足をさらっていく
水にうもれた死は
ゆっくりと潮をひいていく
(ゆれる)
悲しみに
消えてしまった夕焼け
わたしを照らすものは
無 ....
春の海はやわらかい
海と空との
地平線は線ではなく
ぼんやりとしている

春の空はやさしい
山と空との
地平線は線ではなく
崩れた帯のよう

近くで波の音がする
何度も繰り返すも ....
村木正成さんのおすすめリスト(286)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
枯れ葉舞う春- 吉岡ペペ ...自由詩407-5-1
最初に雨を見た- ぽえむ君自由詩14*07-5-1
水平線の向こう側で- 山中 烏 ...自由詩1107-5-1
- ふるる自由詩18*07-5-1
光の日- 松本 涼自由詩1107-5-1
雨降りの朝- はるこ自由詩5*07-5-1
明日の海- なかがわ ...自由詩4*07-5-1
今日を閉じる- アハウ自由詩407-4-30
はちみつの海- 美雨自由詩407-4-30
読書- ポッケ短歌4*07-4-30
そのまま僕になっていく- たりぽん ...自由詩8*07-4-30
流星- さき自由詩507-4-30
創書日和「縁」- 虹村 凌自由詩2*07-4-30
無のむこうに- 木立 悟自由詩707-4-30
worlds- 美月朱恋自由詩307-4-30
石の風景- 白昼夢自由詩5*07-4-30
深淵の森へ- はじめ自由詩2*07-4-30
水月は銀色に光るのか太陽を映すのか- プル式自由詩4*07-4-30
散在する、朝- 霜天自由詩1007-4-30
棺流し- なかがわ ...自由詩1*07-4-30
その夢は終着駅から始まる- ぽえむ君自由詩7*07-4-29
白の世界- 今田コボ自由詩7*07-4-29
春と夢を描くはなし- soft_machine自由詩13*07-4-29
- 小川 葉自由詩707-4-29
「螺旋の光、虹色の夢」- 和 路流 ...自由詩1*07-4-29
小川- 有扉なぎ ...自由詩207-4-29
あいうえお短歌- 山中 烏 ...短歌9*07-4-29
夕方の空- 山中 烏 ...自由詩1007-4-29
わたしこんなに悲しくて- 今田コボ自由詩707-4-29
少しずつ夏- ぽえむ君自由詩21*07-4-29

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