すべてのおすすめ
あの高い木のてっぺんにいるのは
多分ぼくだ
ぼくの知らないぼくだ
忘れていたのかもしれない
ぼくがすっかり忘れていたぼくなのだ
だから懐かしい
ぼくは手を振った
だがそいつは
....
あまりに静かなので
どうしたものか
耳を澄ますと自分が
階段になっていることがわかる
踊り場には
温かい春の光が落ちて
多分そのあたりに
思い出はあるのかもしれない
遠くで ....
晴れた日の
親戚のように
父と二人並んで
日あたりの良い窓際
懐かしいことや
懐かしくないことを
とりとめもなく話し
毎日小さく丸くなる父は
明日はもっと
そうなんだろう
窓の ....
消えたにっき
せいふくのすかーとが
はたはたと笑う
ゆうやけぞらがのどに沁みて
嗚呼
透けたひかりの音がする
あの頃のかなしみを
わたしは
のこしておきたかった
....
いちまいにまいと
うすい花びらを放ちながら
わたしたち
星になりましたね
あなたに教わった
カタカナの星の名前は
異国を旅するようでさみしいです
星のように
輝くことはできない ....
先週皮がめくれてた
お爺さんのお尻の傷を
トイレの時に確認したら
するりときれいになっていた
看護婦さんもやってきて
「先週塗ったわぜりんが効いたのね
わぜりんは、いい奴 ....
幼い子の背をひらくと
痩せた背骨の喉奥を渉る
薄ぼんやりとした虹が、
そして
拾うように弾き上げると
それからは早かった。
飛んでいく静かな底の
透明な成長が、
....
冷やし中華が
静かに終わった奥の方
特別なこともなく
人をまたぎ
人にまたがれ
狭い柄模様のシャツが
時々きれいだと感じられた
入口の貼紙には
かつての文字のようなものが書かれ
それ ....
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
....
老廃物と手をつなぐ
せつないから
死んでるようだ
見たものが
足元で花になり
ピアスでしたね
初めてのプレゼントは
初めてでしたね
はがれていったのも
見送ることは時々
見送ら ....
.qidsabvg zhyfughsn vwsantv love is love.
雪を見てよだつ吾がこのかわいさよあらっとおもえば雪はゆくかな
you tyuhkf
ghd hgfgbk ....
砂丘に洗濯機
ウィリーは素朴
上手に筋肉
そのまま届きそうになり
春子、帰宅
ジャングルジムから
人の匂い
道路は名前
生きることは
重力の淋しい過程である
という前提にたつと
....
花のなかに
ひとしずく生まれた朝露が
小鳥のつばさの先端を
たべて
入道雲のように
上昇していく
雪が
真実をしりたいといって
降りてくる
あつい
軋みが行方、
知れ ....
テーブルにばんそうこうが貼ってあった
また3歳の娘がイタズラしたな、
と思って剥がすとそこには
小さな傷があった
ラジオの
途切れ途切れの音が
明日へ、
明日へ、
とつぶやいている
のに
赤いほっぺたの頃へと
続く夜が
いつまでも車窓を流れてる
さよならと
おやすみと
りん ....
いくえにも
かさなった
ゆらぎ
輪をかいて
后は
たおれる
フラッシュに焼かれ
切り花が飛び散って
できるなら
このまま
目覚めたくないと
願っても
民が呼ぶ
夢 ....
070903
寝付きが悪いのに
門司港発、佐世保行きの
各駅停車の寝台車に乗って
旅をする
ネットカフェなんて何処にもないから
疲 ....
ポケットが汚れ始めている
待合室は朝から眠たい
何かの整備工の人が
口を動かしている
語りかけるように
沈黙を選ぶ言葉があった
目を閉じようとすると
少しばらばらになる
水が優しい濃度 ....
鏡像のフィールドに投げ込まれるボールは
一つではないマルチボール形式だからボールボーイたちに
厳しく言っておかねばならない明日から
ブラジルへの旅がはじまるのだから船便に
預けたまま忘れた荷物 ....
風が砂塵を巻き上げて
ラクダのお目目に砂入れた
ラクダの大きなお目目から
一滴涙が落ちてった
涙で潤んだ砂たちは
みんなそろって
夢を見た
大きな白い花咲かす
遠い未来の夢を見た
....
あなたは
きえそうなひかりのまえで
手をかざしている
胸元から
オイルの切れそうなライターを出して
何度も 鳴らす
うつくしいけしきの
まんなかにいる
いつも
き ....
銀座の路地裏に入ると
色褪せた赤い{ルビ暖簾=のれん}に
四文字の
「 中 華 食 堂 」
がビル風にゆれていた
( がらら )
曇りガラスの戸を開くと
「 イラッ ....
ぼくの 住む 土地で
自然に ひぐらしの 声を 聞いたのは
10年も むかしに なる
それは かぼそく いっぴきの 系譜が
つづいて 啼いて いたのだ けれど
....
水になろうとするように
魚が魚のかたちで泳いでいる
そんな潮溜まりでは
生きものの群れがまばゆいという
空を仰ぐひとは
吐息ほどの
祈りの水を浮力にかえようとする
浮いては沈む
....
070830
南の風に紅い旗がバタバタと
アブラゼミの騒がしい群れが
大手を振って街角を占拠する
懐かしい夏の風景と
酷暑が去ったふりを ....
070830
大きな声で
欠陥と叫んでみる
完全なものなんて
どこにある
ここにあるなら
見せてみろと
銀色の風船がヘリウムガスに載っかって ....
パスタを食べる手を止めて
とめどなくおしゃべりをつづけるミサキちゃんの隣で
無秩序に放り出された言葉たちが
ひっそりと息をひそめている
深夜のファミレス
心の扉からあふれでた
言葉の行 ....
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ
やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする
やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
いつも掬おうとして
指の間からこぼれ落ちていく
はらり はらりと
そんなふうに
掬いそこなったものが
ゆるゆると
私たちをほどいて
別のものにしていってしまう
群青の森から
逃げてきたものたちを
ひとつずつ捕まえる
白くやわらかい部分に
サインペンで名前を書き込み
(神聖なものはすべてKではじまる)
ありふれた雑踏の中へと
放り投げていく
グ ....
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