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向日葵のこと (2012)



話の腰を折ってすみません
思いもよらず向日葵が見えたので
つい
その
いつまでも変わらない気持ちもあるのかなぁ
なんて
こと

いつもの駅に向 ....
かたり

音がするから
置き場を
探して

そこじゃない
  そこじゃない


帰る場所 が
消えてゆく

昨日まで
いた場所に
君がいないのならば
もう


 ....
来ない

夢の中のお話


*

大工の父親と過保護な母親のもとで
昭和のもやしっことして育ち
筋骨隆々な親父とくらべ
まるでビッケのような様子で
いや ビッケから勇気と ....
  

ザリガニ採りに
のぼる坂道
夕日寺公園
一番きれいな
夕焼色の真っ赤ちん
採って帰るから
トンボと一緒に待ってて
幼い頃で
待っていて

いつか僕も
と思っていた
 ....
砂漠

{引用=飽和湿度に近い街で
渇いた自分を見ている
店のガラスだけではなく
道行く人々の顔にも
同じような表情が広がって
だから
ときどき
父や母の顔を思い浮かべる
のだろう ....
例えば二分の一の確率だけ
の君がいる
それは僕かもしれない
ふたを開けるまで
どちらの君がいるのか
あるいは僕がいるのか判らない
もちろん半分だけの君と僕が
キカイダーかバロムワンかダブ ....
ちょっと

散歩してきます

と言って

君が出てゆく


その背中に

さよならと言って


僕のほうが

消えてしまいそうだ


そろそろ

大岡川の ....
おとなになっても
われない実が
ぽけっとの中でまだ
じっと待っている

かたん
とあごのはずれた人形の
ぽけっとの中で
じっとしている

握りしめるたびに
昨日のことなんかも ....
昨日旅立ったものへ

ふってくるものが
すべてくもからやってくるものでもない
なんてことはわかっている

そらをみあげる

今日旅立ったものへ
明日旅立つものへ

ふっ ....
もう歩けない
って言った
しゃがんだままの
気持ちがまだあのあたりに

地球はぐるぐるまわっているのに
って
そんなふうに
知らんふり

進みつづけるって
忘れつづけるっ ....
その合間に

Stranger から
Honesty にかわる


その合間に

今日の失敗を
またつぶやいて


その合間に

明日の仕事の
算段が溶けていって

 ....
すべてを
優柔不断なかまいたちのせい
にして
そこに何もなかったことにする
つもり

その傷のふたつみっつは
僕の記憶だったはず
なのに

ひざこぞうがわらいながら
泣き出した
 ....
隠すためか
見せるためか
守るためか
攻めるためか
脱ぐために
穿くため

そういえば
昨日はあんなに笑いながら脱いだのに
今日は
とてもじゃないけど笑ってらんない
 ....
きりのいいところで
ひとやすみにして
と言いかけると
とても悲しい顔をする
そんなに文字が好きですか
とても気になるおはなしの
魔法にかかった君は
幸せそうにカレンダーにしるしをつけ ....
その辺に
広がっていたはずの思い出が
重機でもって払いのけられ
作られたきれいなものを
背伸びするクレーンが
積み上げている
くりかえし
くりかえし
さびしかったり
悲しかったりした ....
  

ぼくのはじっこは
とりあえず社会に結わえてある

ときどき
なにかを思い出して
するりとほどける

そのはじっこが
君のはじっこに絡まることは
もうないのにね

とき ....
坂道を
どれくらい登れば
振り返ってもいいのかな
もちろんそんなことは
てめぇの勝手
と言われればそれまでのこと
ではあるけれど
ほら
横浜のはずれだとさ
ちょっと駅から歩いただ ....
静かな小正月の窓から見える景色に

 つい

あの日
どうして降ってくれなかったんだろうね

 と


ねえ
降るとどうしてこんなに静かなんだろうね

雪々
静かでも幸せな ....
それを蛍という人達が
優しい微笑で
小鳥をつつむように
佇んでいる

その声が
空に飛んでいくように
雨が降ることを
雪になることを
そういえば君は
星になる
と言ったかもしれな ....


風が吹いてくると
潮のにおいがしないかと期待して
きっとそんなことはないんだろうと
わかってはいるのさ

東京 東京
なんてさ

てぃん とぅん てん とぅん


聞こ ....
それが春だ
という頃にはもう夏になって
そんなこんなしているうちに
どっかに秋を忘れてきた

まだ名前も知らない君の
笑顔がとても優しくて
真っ赤なりんごのような
とぷんと暮れた空 ....
あたしの夜が
無重力になった夜が
球になって
落ち着くことも
弾けることもできず
あたしのすべてを包もうとしている
のに
あんたにゴクりとされれば
いいのにと
ちょっとだけ
 ....
船が出るのを
見ていた
風が吹いていた
揺れていたのは
波なのか風なのか
花なのか僕なのか

船が帰って来るのを
見ていた
もう帰って来ないものも
見ていた

揺れていたのは
 ....
{引用=ただいま}
毎年の
「ただいま」
が年々ぎこちなくなってゆくのを
自分で感じているのに


{引用=おかえりなさい}
あなたの
「おかえりなさい」
は年々なじんで
小川の ....
少し湿ったね と
旧道沿いの
あしもとのほうから
梅雨のにおい と
祖父のにおいがした


ふりかえると
あたり一面にシャガの花

思い出すひとがいるから
咲くのだろう
 ....
田舎郊外の空き地に
パチンコ屋が建った
また建った

今度はフィットネスが建った
あそこにも建った

葦の原には
ヨットハーバーもできるって

もう
石拾いをする洟垂れ小僧 ....
海の動物になりたかった
海に行きたかった

底の方で
脊髄が列車のように並んで
色のない海老が
乗客のようにじっとしている

マリンスノーの中
錆びてしまいたかった

潮を ....
ラジオの
途切れ途切れの音が
明日へ、
   明日へ、
とつぶやいている
のに

赤いほっぺたの頃へと
続く夜が
いつまでも車窓を流れてる

さよならと
おやすみと

りん ....
あたし
夢のように消えた
夕べの歩行者天国
浴衣の君のように


    美しい国って
    もう来ないんでしょうか
    もうやって来たんでしょうか
    それともと ....
 

はるかあとおくうのお かぜのおむこおにい
きてきいのおおとのお

ちり〜ん



ゆうおじさんのリヤカーが通り過ぎる

ゆうおじさんのリヤカーには
ぽるしぇ
と書いて ....
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