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増水の ために

すっかり 荒れはてて しまった

堤の かよって ゆく なかを

猫じゃらしを 噛み ながら

草ひばりの 音が ほそぼそと つづく

すすき野原を  ....
最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
白い 塗りかべの 建築や 小路を 抜けて

とまどいながら 最初の 一声が いまだ

はばたいている ように かぶさって いた

こちらがわの 無垢な 海砂の 地へ

いく ....
パンの いる 午後

滑るように わたるように 遠投...

その 距離は 長く 零の領域で 黙秘 して いた

コバルトの 蜃気楼の むこう から

泣きながら 出て い ....
いつか 夏を 見たので 夏のことを ものがたり

旅を したので 旅のことを ものがたる...

やまと 吉野の 山なか で

灼熱した 午後 数刻の 焦点は ひび割れて

 ....
髪を 切った 襟足の ひみつ から

娘たちは 飛んで ゆくと いう

純朴な 神話が 解かれて いる

風祭を 孕んだ {ルビ帆用飛行艇=はんようひこうてい}の 陶酔は

 ....
5小節へ と

ベースラインの はずむ 弧線が

988 ヘクトパスカル で 吹いて

フィールドの 天半球と かさなって ゆく...

らぶ ばらっど

( 風乗り  ....
そこはかとなく

カオス から はじまる

巣箱の なかで 羽音が する

複数が 単数を 響きあう

羽音が する

とおく 草陰に 一軒の 廃屋...

誰かの ....
グスターフは 静かに 時を 待って いた

湾口の 砂州は 彼の ふるさと で

きょうは どうしてか

鼓笛隊が 空を 横断 して ゆくよう だった





お ....
な ぐ り...

名栗村 そして 澤

やみ夜を 求めずとも えられる

その 名まえを 記す ことは

もはや うたの なかの 出来事

うたに 遊ぶとき それは  ....
半ば くらい世界を 見たよ... と

おもい あがった 少年

トマは 12歳

素もぐりで もぐっては

金の さかなや 銀の 貝を すなどった

伸び あがった  ....
まどろみを さめたり もぐったり

白日の 季節の かいなの なか

体力は うばわれ

けだるさに 眠って

窓を 吹いて くる

れもんの 風との トランスファー  ....
ヴィルへルム・F の それの ような

白い タクトが

曖昧な ままに {ルビ空=くう}を 振って

プロムナード・ウォークの テンポに

からだと リズムを 泳ぐと

 ....
トワ エ モワ

きみ と ぼく

笑顔は ひろがっては いない

この 丘で

かぐわしい 初夏の 葉群れに

肩を 抱かれて

ぼくたちは いた から...
 ....
高層_ 大理石建築の なかで なつかしい

( いまは、どこのひとなのだろう? )

ウオシゲに あった

かれは 色の 白い きれいな 顔を して

シャープな フレーム ....
クリスタルの ボールが 放られると

ぼくらの ふたつの 土地や からだに

いのちに 焼かれた 対話が かがやいた

放擲 された ボールには ふらふら 泳ぐ

天の 子 ....
ねぼけ まなこの アトリエ

いっぱいに 陽光は 満ちて

画布には 旋律から 対話への

やがて ひとつに 見える 道が 伸びる

( それは きつねの なの? うさぎの ....
また 春が きた って だれかが いう

とめどなく 梅は ほころび

いぬふぐりは 淡く むらさきの 列を 走る

つぶらかな 音で ころ ころ と

ひとなりの {ルビ絃=いと ....
曇った 庭の かたすみ に

そんな 便りが ある

二季を 過ぎて きた 冬の 朝顔が

ア・カペラを 一輪 ふるえて

白さに ひらかれた 暗さの 土地で

無伴奏(  ....
吉岡ペペロさんのモーヌ。さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誰かが去ったあとを見る- モーヌ。自由詩25*07-9-14
天国の子どもたち- モーヌ。自由詩16*07-9-7
夏の終- モーヌ。自由詩10*07-8-24
モノクロームな_セリスモス- モーヌ。自由詩10*07-8-18
かげろうと檜の木笠- モーヌ。自由詩13*07-8-10
ライトニン- モーヌ。自由詩22*07-8-3
ぴえろ・ぎゃろっぷ- モーヌ。自由詩13*07-7-20
くちぶえ- モーヌ。自由詩18*07-7-13
空中の_地上の_ものたち- モーヌ。自由詩19*07-7-6
誘われし澤の奥で- モーヌ。自由詩17*07-6-29
海の児のうた- モーヌ。自由詩16*07-6-22
ランドサット- モーヌ。自由詩21*07-6-15
ゲニウスの響き- モーヌ。自由詩10*07-5-27
toi_et_moi- モーヌ。自由詩12*07-5-15
たましいのともだち- モーヌ。自由詩12*07-4-22
トロイメライ- モーヌ。自由詩16*07-4-12
目撃者の真昼- モーヌ。自由詩14*07-3-23
すぷりんぐすてっぷ・じゃんぷ- モーヌ。自由詩15*07-3-14
暁の巡礼- モーヌ。自由詩9*07-3-7

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