すべてのおすすめ
雪虫の柱と
煙の柱が宙に交わり
何が居るのかわからぬ卵が
草と木の根に降りそそぐ


ひとつの岩の上に生まれ
岩を呑みこみ育ちゆく樹
卵の音を浴びている
卵の光を浴びてい ....
そこに ここに
くちびるを置き
すぎゆくものの湿り気を視る
まぶしく消える音を視る


水に映らぬ双つの影
水辺を雨へ雨へと歩む
雨のまことは隠されている
現われても消え ....
重なりつづける眠りの底に
かすかに生まれ
浮かぶ手のひら


目をつむり 在るのは
無いということ
分からぬくらいに 
離れていること


隠しても隠しても
は ....
目から水を飲み
花になり
やがて言葉に
うたになる


数歩のぼる風の音
ひとつひとつの段の上に
しずくを含んだしずくが震え
空を囲む樹を映している


触れてはこ ....
空に埋もれた巨きな鳥を
指でたたいて確かめる音
少し傾いだ雨になる


片足を尾のように動かして
屋根の音を追っている
何もない日の生きものの笛


水のなかで抱く ....
窓の外から落ちた緑が
床に白く焼きついて言う
おまえはここから
進んではいけない


線に阻まれ
家をさまよい
見たことのない部屋に着き
水の流れと粒を聴く


舟 ....
らうあ らうあ
翳りの帆
道を泳ぐ道を読む


悲しさになると
消える悲しさ
空と水をつなぐ坂


そばだてた耳が唱になり
影を踏まない影の足もと
ほころびをひとつ ....
三度に分けて呑み干す光
その日かぎりの地図にこぼれ
街はひとつ低くなる
空き地は碧くたなびいてゆく


わずかに曇った風が吹き
ふところに涼しく正座している
頬を染め 空を ....
内に外に転がる音の
離れてもなお近しい音の
ふさふさとした
柔毛の音の


遠さは鼻先のまま香り
同じ色の大きさに降り
布をくぐる
まぶしい輪唱


ある日どこかで ....
雨がひらき
匂いは昇る
あたたかく 甘く
光になる


白い歯車
心をまわし
雲の映らぬ涙になる


手のひらの空に繰りかえし
現われては消え 叫ぶもの
二分きざ ....
夜はせばまり
夜はひろがる
粒と浮かぶかたちと唱と
妨げを泳ぐ轟きと尾と


波の終わりとはじまりに
砂の言葉と花火があがる
水からひろいあつめた羽と
貝のかたさの音のつ ....
碧に緑で描かれた円が
四羽の鳥となって飛びたつ
地には器と光が残され
祝いの言葉に響きつづける


泣いてはめざめ
泣いてはめざめ
水をほしがる子の手を握り
しずくの径に消え ....
血のように黒い
指の影をひらき
高みへ 高みへ
唱いゆく


曇は一度に
ふいに動く
灰と火の路
同時に迷う


切りきざまれた星が
自らかけらを積み重ねたとき
 ....
水の鈴が鳴っている
鈴のあとを鈴がゆく
葉の上
土の上をゆく


手と手をつなぎ
生まれる音
伝えたくて
仕方ない笑み


呼吸を疑い
息を受け入れ
あきらめと ....
道を割る五つの草の上に
頭と両手と両脚を乗せ
冷える音を見ている間に
夜はふたつすぎてゆく


色の名を持つけだものが来て
建物を貫き 声を曲げ
闇のなかの虹
寒さの粒を ....
飛び立つ鳥のかたちの木と
降り立つ鳥のかたちの木とが
風のなかでとなりあい
はばたきと狩りを語りあう


常にどこかにいる冬と
めぐりつづけるものらとの
軋轢の色とかけらが ....
星が動く力の理由と
蟻が蟻である理由のはざまを
空はゆうるりとめぐりつづけ
かけらを降らせつづけている


定まりのないかたちの回転から来る
定まりのない音や色が
影まで至 ....
木陰の雨雲
水を囲む
鈍の唱の輪
空を招く


海わたる羽
波に残る羽
ただよい ただよい
舟をつくる指に出会う


空に沈む手
水と同じ手
そのままを描く
 ....
越えると海があり
越えると
またひとつ海がある
踏みしめた
指のはざまの
銀色


風の来る方へ
息を吐き
風を吸い
空洞の
奥の奥を
のぞきこまれることに戸惑う
 ....
アラハバキ
傷のあつまり
攻め滅ぼされても
なおよみがえる
ただひとつの欠片から
なお猛々しくよみがえる


アテルイ
胸に突き立つ矢と刃
ひとつの穴のような赤い花
背の ....
遅れて響く真昼の音が
午後をゆらりと追いかける
畏れのかたち
雲に去られた
空のかたち


緑と金が
ひらいては呼ぶ
空の端 地の辺に
呼び覚ます
呼び覚ます 火
 ....
光なく音もたてずにうねりゆく野火の描く蛇さまよういのち



はねのける受け入れるだけが生でなく争うことは戦いでなく



足跡も足音も絶え他を焼かず自らを焼く火を歩みゆく ....
編みかけの服が
国旗に採用された
みんなが喜ぶなか
ほつれを気にする母
曲がり角ごとに鳥はいて
夜を夜をとまたたいている
青紫の窓がふたつ
甘い手管にひらかれてゆく


うすぐもり
なりひびき
皆なにかを
抱きしめるかたち


昇るもの ....
鳥の声
若葉の陰
見えている
見えている


まるい晴れ間
地をすぎる羽
曇のかたち
飛び去る声


灰に引かれた
緑の線
唱がひとつ
はじまるしるし

 ....
まぶしさのなか
音は途切れ
夜を忘れてゆく夜に
寒さだけがあたたかく鳴る


壊れた光の波が
足もとを流れる
行くところなく
巡りを描く


小さな眠りが
触れか ....
一度も入ったことのない時計店が
空き家になっていたことを知ったとき
この街を動かすからくりのひとつが
もうもどることはないのだと感じて立ちすくんだ




雲はなく 風は冷たく ....
両手の指のひとつひとつに
小さくやわらかな輪が回り
手を振ると鳴り
息を吹くと鳴る


午後の雲を聴いていると
輪も静かに聴いている
降る言葉に触れ
少し揺れる


握 ....
雨が降り
音は昇り
遠く高く
曇のかたわらで鳴っている


かがやきと時間の洞のなか
青い文字に生まれる子
ゆうるりとひらき
外へ外へ歩み去る


離れた硝子と硝子 ....
骨のような柱が燃えている
燃え尽き くずおれるまで
ただ波のなかに立っている


流れ着くものが燃えている
山の影が土を覆い
波だけが明るく揺れている


昨日の足跡が残ってい ....
山中 烏流さんの木立 悟さんおすすめリスト(35)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
午水帰- 木立 悟自由詩407-10-29
夜と水- 木立 悟自由詩307-10-26
ひとり_まなざし- 木立 悟自由詩1007-9-4
つばさ_みどり_Ⅱ- 木立 悟自由詩1007-8-25
ノート(夜へ_ひとり)- 木立 悟自由詩807-8-14
みどり_ひびき_Ⅱ- 木立 悟自由詩207-8-13
ノート(昼)- 木立 悟自由詩807-8-5
数と光- 木立 悟自由詩607-8-4
みどり_双つ- 木立 悟自由詩707-8-2
夜のころも- 木立 悟自由詩1007-7-27
みどり_よびこ_Ⅳ- 木立 悟自由詩807-7-23
つばさいす- 木立 悟自由詩1407-7-10
明くる日と手- 木立 悟自由詩707-7-8
ふるえ_あがない- 木立 悟自由詩707-7-3
夜はふたつ- 木立 悟自由詩407-6-27
ノート(かたち_さざめき)- 木立 悟自由詩1207-6-24
緑と金_Ⅲ- 木立 悟自由詩607-6-23
午後と双輪- 木立 悟自由詩707-6-18
ノート(象応輝)- 木立 悟自由詩307-6-10
ノート(我いまだ_まつろわず)- 木立 悟自由詩507-6-8
緑と金- 木立 悟自由詩1007-6-3
火と歩み- 木立 悟短歌1107-5-11
ノート(旗)- 木立 悟未詩・独白307-5-11
午後の声- 木立 悟自由詩2007-5-10
ノート(灰緑)- 木立 悟自由詩507-5-8
ノート(ひとつ_つながる)- 木立 悟自由詩507-5-6
温景- 木立 悟自由詩507-5-2
ノート(指輪)- 木立 悟自由詩1107-4-27
ひとつ_うたう- 木立 悟自由詩1107-4-25
ノート(柱)- 木立 悟自由詩907-4-20

Home 次へ
1 2 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する