すべてのおすすめ
宇宙に終わりがないように
人の心にも終わりはないのです
ですから
自分で勝手に
終わらせないで下さい
風はいつでも吹くように
心も新しくなるのです
ですから
自分で勝手に
しまわ ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
せつないからため息をつくのだろうか
ため息をつくからせつなくなるのだろうか
その両方だと彼は言う
あの人に恋をしているのだろうか
恋がしたいだけなのだろうか
その両方だと彼女は言 ....
序章
薄くけむる霧のほさきが、揺れている。
墨を散らかしながら、配列されて褐色の顔をした、
巨木の群を潜ると、
わたしは、使い古された貨幣のような森が、度々、空に向か ....
山より落ちる一粒の
わずかばかりの水なれど
一つ一つとまた一つ
上から押され下へゆく
岩から岩へ結ばれて
わずかばかりの道なれど
下へ下へとまた下へ
道はつくられ道はある
落ち ....
誰にも見られたくないから
急いで家に帰った
母さんが心配そうに声をかけた
でも
無視して階段を上がって行った
ドアノブをまわした
中には私だけの世界があった
そこにあるベットに滑 ....
朝によわい
僕はいつも
ふとんにくるまって
猫のようにまるまってる
毛布のぬくさは優しくて
そとの寒さは冷え性には少し厳しい
ささやかなしあわせとは
こういうことなのかもしれない
....
ペニーロイヤルティーに
ネガティブクリープを入れて
混ぜて混ぜて飲んでみれば
十代の魂の香り
ごめんね
色々と
全部ごめんね
ハート型の箱を置いていくから
遠くに行くから ....
幼子が堅く握った手を
僅かにゆるませるように
朝の光を浴びた梅の木が
真白い花を孵化させている
豪華さはないが
身の丈に咲く、その慎ましき花に
頬を寄せれば
まだ淡い春が香る
....
オレンジ色に染まる公園で
僕はひとりかくれんぼうをする
ぞうさんのすべり台の上で
数を百までかぞえても
僕を探しに来る子はだあれもいない
風が気まぐれに揺らすぶらんこの
長くのびた ....
キャッチボールする
子供のときのように
幼馴染と
キャッチボールする
幼馴染の大ちゃんの球は速い
少年野球やってたから
川島イーグルス
俺は 嫌いだった
疲 ....
静まりかえった夜更けに
チクチクと痛む胸をそっと押さえ
まだまだ許されない過去を
タバコの煙でぼやかそうとしている
熱く燃える情熱は寒波でなおいっそう燃えあがる
最近愚痴が多 ....
わずかばかりのバイト代の一部を
母に送った
スーパー銭湯にでも行ってきてよと
妹が赤ちゃんを産み
子育ての大変さが分かった
ずいぶんと親を恨めしく思ったものだが
記憶がな ....
抱きしめて
あたしがあたしでいられるように
ちいさな子どもみたいに
あやして
ぎゅうぎゅうでしんじゃいたいよ
息ができなくなる
圧迫じゃなくてせつなさで
考えただけでしあわせ
....
君の街へ白のバスに乗って病院へ行く
君の街は僕の乗っているバスを最後に閉じられる
僕は病状が悪化し 入院することに決まった
喫茶店のバイトも辞めた 詩を書くこともやめたのだ
氷でコー ....
死ぬ夢を見るたびに
生きていることを味わう
生きるとは
そういうものだろうか?
笑うたびに
昨日の涙を思い出す
喜ぶとは
そういうものだろうか?
無駄のない生活をするために
....
君がこの世に存在しなくなってから
今日で四年になります
朝、起きて 静かに静かに
君が横たわっていた場所にたたずんでみる
二月とは云え 雪も降る
あの日もとても寒かったよね
....
ぐらりと揺れたのは
景色じゃなくて私だった
見知らぬ若者に少し体重を預けバランスをとる
助けてはくれないが積極的に拒みもしない
そんな時代だ
電車を降りて足早に地下道を歩く
私の前には ....
美術の時間に先生が言った
「自由に空を描きましょう」
周りのみんなは水色を選んだけど
僕はオレンジで塗りつぶした
捻くれているわけじゃなくて
夕方の空が一番好きだから
....
青い月の下で
唇が切れると
錆びた味は生温く
舌先に現実とゆめとの
境目をおしえて
わたしが誰であったか
あなたが誰であったかを
思い出させる
青い月の下で
繰り返されるくち ....
たった一言の失言のせいで
創りあげたい美しい国の
議会はまた空転を続けている
かつての集団就職の金の卵たちが
機械化の波に押され
三高神話に駆逐され
猫もしゃくしも
大学と言 ....
ひとりの人間の哀しみに
わたしは立ち入ることができない
十日前に夫を亡くした同僚の
目の前を覆う暗闇に
指一本たりとも
わたしはふれることができない
( 背後から追い立て ....
ドル箱という箱を見たことがないのですが、
それは米国製の米櫃でしょうか。
「おとといきやがれ!。」
ということは、
先日お伺いした時には、
もう了 ....
1999年11月6日
空っ風の中で
紋次郎は立ち止まる
家に寄ろうか
いや、止めとこう
妹も生きては居るまい
帰ったって何もありゃしない
家の跡が4隅 ....
……誰か来る!
大丈夫、このサイズなら絶対にバレっこないさ
シッ 美輪さんが起きちゃうよ!
潜入するとしたら、やっぱり入り口は耳の穴なのかな…?
ほしいもの
それはお金でもなく
名誉なんかでもない
ほんの小さな手だけでいい
温かみのある誰かの手
ありがとうと
軽く振ってくれる手
がんばってと
応援してくれる手
大丈夫だよと ....
?.
ヒヨドリたちが庭に現れる
鳥は歌うものだと思っていた
あれは
叫びだ
桜木町から横浜に向かう道で
君は叫んで
何度も叫んで
アスファルトの上に寝転がって
....
静かに寝息を立てる横で
青白いその横顔を見つめて
ため息をつく
どこに向かっているのかわからない
どこに行こうとも教えてやれない
不甲斐ないさ
俺は何もできやしない
....
こんなに月がきれいな夜にあなた
そんな顔して 笑うから
抑え切れなかったのよ
本当に
分からないのか
分かろうとしないのか
分らないことにしているのか
俺の言ったことが
理解できていないのか
理解したけど忘れたのか
理解できてないことにしているのか
....
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