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光のぬくもりは
私の頬をななめに撫でて
ゆっくり後退していった

津山駅ゆきの
この乗り物は
私をぐらぐら揺らしながら
こっそり古代へ連れてゆく


あの頃は
ママに叱られそうだ ....
手紙には宛名を書かず
飲み込んで
飲み込んで
喉の奥でうずめかす
吐き出さず
吐き出さず
私の口に雨が降る

終いの時と知りながら
それでも春になればと信じず
祈る事は諦めであると ....
左手の五本の指から
毛細血管が夜空へと伸びはじめ
またたく間に
満月に絡みつきました
そして葉のない蔓草のように
月の表面を覆い尽くし
月光に透かされて
赤く綺麗に見えました

まも ....
   踏切


仮に待たされたと考えて
横切っていく貨物列車の裏側には
「さよなら」さえも存在しない
元々は一方的に出来合いとして扱われていたのだから
どこにも間違いはないと言えるのだが ....
つきつめるとわたしは、
大空のもとに立っていた

高く澄んだ青い空をつかもうとする
白い手から零れ落ちる
硬質な光に照らされた
影の濃さに
影の濃さをたしかめる
誰にも語ることのない未 ....
幼い時から何かを抱いて眠る癖があった
いわゆる抱き癖というものか
初めは布団や枕
次にぬいぐるみ
そして生身の人間へと対象は変化した

そんな中僕の前に現れた君は
まさに抱くのに最適な対 ....
とめどなく放り出される
あいうえお
ぼくにはなんだか呪文にきこえて
きみの渇いた したくちびるが
ひびわれるのを期待している
丁寧に折りたたまれてぼくの声は
秋の海の波打ち際
街路が冷たい空気に抱きすくめられる前に
こころを回収するために僕は駅へ向かった

音がいつまでも鳴り止まない海
音声もまたエネルギなのだ
 ....
午前0時になると
観念的なこの世の中のからくりが
魔術的にほどかれていった

蛍光灯と事務機器いがい何もないフロア
そこには僕しかいなかった

ほどかれたからくりは
僕になにを教える訳 ....
苔むした
石段をのぼっていく
息遣いを見守る
樹陰を、切るのは
ひからびた花を背負うおもい出した耳

頭髪も
白く(みずからの足音を聞きながら、
 零れる光の中を冷えていく舌が
しず ....
遠浅の日々はいつの間にか息継ぎの仕方を忘れさせる。
駅まで、の最後の交差点に立つと
呼吸が止まるほどに夕焼けの匂いがした。

  *

「雲は、本当は流れていないのです ....
久しぶりに田舎に帰ったら
冷凍庫のタッパーに歯ブラシが入っていました
その晩に夢を見ました
小学校の頃に好きだった女の子と
その子は小学生の姿のままで
今の私が並んで歩いていました
ふと気 ....
天井の電球をひねるために相応しい
高さにまで積まれた
人一人の半生の記録集から
無雑作に選んだ一冊を
うすい指腹で繰ってゆく
健康な子どもに絵本を読み聞かす
古めかしい速度で


い ....
かなしいですか
かなしいです

したにりぼんをゆわえてまってる

みんなかわいいおにんぎょう
つよくゆするとくびがとれてしまう

せぼねもほんとにもろいんだった
ぐにゃぐにゃ ....
判定窓がニヤリと陰性を示したので
私は軽やかに手を振り
妊娠検査薬をゴミ箱に投げ入れた
奇形の子を孕むつもりはないけれど
薬漬けの身体で抱かれることに
何のためらいもないんだ

不意 ....
夜の影響を
真昼に有り難う。
あなたは何を見ているのだろう
照らされた、いま
年月の
背景によこたわる

あちらでは、視野に広がる草原
こちらでは、ととんぼの葉も風にゆれている
ゆら ....
夜の散歩中に迷い込んだ名も知らない小さな神社は
まちあかりも遮ってしまう茂みに覆われている


自他共に認めるリアリストのわたしでも
物の怪の姿を探してしまいそうになり
風で葉がこすれるか ....
ひとつのメルヒェンが世界を往復するあいだに
路地裏の女はひらがなで大きく書かれた
しなないという文字を
街の中心地へと押し出そうとしている


(光の海で星と泳ぐ少女の物語も日が暮 ....
聞き耳頭巾をもらったよ
みみずくさんにもらったよ

ひとには何が聞こえるか
訝しみながらくれました

だけども頭巾をかぶったら
急になんにも聞こえない

きっぱりきーんと耳鳴りの
 ....
箪笥と押入れと
鏡台のある部屋で
白髪の老人と決闘した
剣の腕ではかなわないので
ヘアスプレーとオーデコロンを吹きかけ
鏡台の椅子を投げつけた


長い廊下 ....
午前0時から
黒烏龍茶飲み放題 ¥0
(黒烏龍茶は脂肪の吸収を抑えます)

道端に置かれた
手書きの看板
タダより安いものはない
とは
よくいったもので
抑えられたところで
はみだ ....
ある日、俺は黒い小さな舞台からこう告げたのだ
「肉まんは友達」
すると一人の偉大な詩人が俺に歩み寄り
そこから俺のポエトリーロードが始まった
言葉を愛するさまざまな人たちに出会った
 ....
その夜私達は走っていた
23時に閉まってしまう田舎の不便なコンビニ目指し
小雨に光る道を金木犀の香る闇を
友と名を呼び合いながら叫びながら笑いながら
その年はある国が消えようとしており世界は慌 ....
まな板から
はみだしたしっぽの
先を掴みながら
開いてみた体からは
血は一滴も見つからなかった

変わりに
エーテルを失って
散りばめられることのなくなった
星達の塊の袋が
だらん ....

車を走らせていると路面には
頭から脳漿を垂れ流した犬がしんでいるのをよけつつ
あたらしい仕事を探そうかなどと
ニールヤングを聞く
ちょうどいい音楽だ
ちょうどいい音楽なのに ....
殺される前に殺せ
ほんとにやるのか
やわらかい生活
はねっかえるからむずかしいんだよ
敷布団は固めがよい
腰によい
君が隣に寝ているはずなのに
ちがう人の顔に見える
友 ....
長いあいだ
気づくことがありませんでした
そう それは、旅人たちのしごとなのですね
忘れそうになれば 時にさそわれてくる
軒先に落ちてくる雨色の
無定期の知らせは、

空を裂く
雷 ....
私たちは独房だ
私たちはセルロースの
薄い被膜で隔てたままの

私たちが抱き合ったり
やわらかな場所
探し当てたり

セル
私たちは独房だ
世界は私を番号で呼ぶ
間違いではなく
 ....
がたがたになった
コンクリートに
濁った赤が染みこんでいく
粘度は高く
糸をひいている
海水で洗い流す
呼吸できずに
目を白黒させている
有機物が
外装を傷つけながら
外装をはがし ....
 
 
この季節になると思い出します
行きも帰りもバスでした
山奥の芋煮会場に着くと
澄んだ風が吹いていました
肌が乾いてなつかしい気がしました
網目になった体を
すうすう吹き抜けてい ....
吉田ぐんじょうさんの自由詩おすすめリスト(443)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
紀元前のぬくもり- みぞるる自由詩409-11-1
閉じる日- テシノ自由詩309-11-1
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滲みゆく月- 中原 那 ...自由詩11*09-11-1
青年時代- こしごえ自由詩1*09-11-1
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下心- みつめ自由詩309-11-1
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午前0時になると- 吉岡ペペ ...自由詩709-10-31
昇華- こしごえ自由詩3*09-10-15
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いぬ- ミゼット自由詩2*09-10-2
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ノート(箪笥と押入れ)- 木立 悟自由詩309-9-29
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「虹の旅人」- 月乃助自由詩8*09-9-19
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野締め- 北村 守 ...自由詩209-9-19
いきかえり- 小川 葉自由詩1109-9-19

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