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針金を折りたたんでいく、と
先には僕らが息をしている家が見える
目を細めれば海のようなものがあって
僕らはそれを海と呼んだ
その前で君はセーターを編み続け
僕は隣でセーターを食べ続けてい ....
東京で暮らすために
新宿に降り立った日のことを思い出す
長旅、といってもたった半日だ
タンクトップをねじるくらいで
音楽をつめこんだ鞄を
肩に食い込ませ
その日を酒を探して歩いた

福 ....
君がひっそりとやさしい人になる

誰も気づかないうちに

日が射して去っていくように

教室の片隅で

冷えた空気を少し弛ませて



小さな出来事だった

草の芽が最初に ....
鳥篭を落とす
田圃、鳥のいない
鳥篭だらけの田圃


渇いた積み藁に火を放ち
積み藁に火を放ち、
冬が勃起する


ふくよかな夕焼け覆う、
冬がゆっくりと
深く揺れ
 ....
 孤島の廃墟の街
 灰色(新聞紙の色)の街
 破裂して今も水が出ている下水管
 ビル群はほとんど全て崩れ落ちている
 コンクリートの塊がいたるところに転がっている
 烏が集団になって地上を歩 ....
風の吹かない店内で プロペラが回る
喫茶店の隅っこ 私を優しく包む 木目の世界
雨漏りの音がする夕暮れ 待ち人来ず
軋む床の下からは ガタンゴトン
地下鉄の音がする
洗い物を洗う
皿を重ね ....
ホームで君が歌を口ずさむ
それはとても良い音なので
お墓のようなものと間違えてしまう
床に書かれた落書きが
羽をはやして飛び立とうとする
言葉はそんなことをしてはいけない
小さな子供が言い ....
ゆるやかな浅い曲線
萌黄、山吹、薄紅、象牙、
さまざまな裳裾から覗くつまさき
光の紗の微笑
例えば
差し出された野性の腕
?.

この絵、あんたにそっくりね
そういっておまえが笑った絵は
リオハのお城みたいなワイン美術館にあって
おまえが指差して笑った絵は
赤ん坊のバッカスが
ワインをラッパ ....
「もっと好きになりたい」好きになってもいいですかと
子供のような体温で背中にしがみつかれ 私は

だめです だめです と
気配で背中越しに伝えようと
きつく目をつむり 微動だにせず寝たふりを ....
今、踏んだ、枯れ枝
その中に眠っていた想い
遠ざかってゆく
永遠に

今、放った、貝殻
僕の手のひらの温度を引いて
遠ざかってゆく
永遠に

雲は遠くの水平線に砕け
 ....
せかいを 吸いつくそうと
夏の日を 謳歌した
わたしが いっぴき
百科事典の ページのあいだで
つぶれて 死んでいた
家に鍵をかけなくなった

怖いものがなくなったのか
もう失うものが何もないのか

祖母は離れの鍵を閉めなくなった

あれほど何かに怯え
家族にさえも恐怖に感じ
この地上のどこにも安全 ....
現場、吉祥寺
マクドナルド井の頭公園店、店舗改装におけるはつり、解体作業。
ともに働くおっさんたちは寡黙だし
公園には猫や水鳥がいる
10時と3時の休憩にはそこに猫をさわりに行く
 ....
いま銀縁の壁掛け時計に蠅がとまり

文字盤を透かしたガラスの上を音もなくあるくまず12から




鉄の壁が溶ける
溶けて落ちてすべて床に染み込んだ
夕暮れだった
聖人がひとり ....
君という雨に打たれて
私のあらゆる界面で
透明な細胞たちが
つぎつぎと覚醒してゆく

 夏の朝
 影に縁取られた街路
 やわらかな緑の丘
 乾いたプラットフォーム
 きらめきに溢れた ....
濁った沼のある寂れた町に
マリーという女が住んでいた
マリーの本名は誰も知らない
彼女は
夏の真夜中のような眼をした
中々の美人であったが
友達はいなかった
若者はみな都会 ....
 工場群のライトが、夜霧に色を与えていた。
ぼくらを前に進ませたのは無意味な赤信号。
あるいは冬の固い道路の上で、軽自動車に
箱詰めで向かった、廃墟となった工場の屋上から
貯水タンクの上から見 ....
誰が教えたわけでもなく
指で三つ、をつくる
しいちゃんは
たくさんを
それはささやかなたくさんを
欲しがろうとする


絵本読んで、と
わたしの膝上に乗っかって
ほお擦りするように ....
慣れる怖さをしっているから

少しの合間

地上に顔を出し

儚く地面に散ってゆくのか
今朝この星で
産声を上げたばかりの
「完全」ないきものが
生まれた傍から言い伝えどおり{ルビ半身=はんしん}ずつに引き裂かれ
それぞれ渡り鳥に渡されて
島のうえ
西と東に
千年歴史を遡行 ....
 ナルニア国の泥足にがえもん殿他とおぼしき方々から、とてもうれしい便りが次々と届き、なんだかとても気分がいいので、かなりの出費が痛手なのですが、いよいよ春めいてきたということもあり .... わかんなくていいよ
そういってウミスズメは
うなだれて水に入った
ここの漁師たちは野蛮だから
ライフルを持って船に乗る
水面下を飛ぶように泳ぐ君を散弾で撃って
ああ そうさ ....
木漏れ日 胞子
美しい 人

孔雀 ローレル
とまどう 水鳥

暖 かいね
おひさま 涙

この木 何の木
気になる ならない

いいから ほらね
触って ....
街路樹に抱きついて愛情をほしがる
そうしておまえは湯豆腐が食べたいって言う
俺は冷奴が食べたい
おまえの肌のように白く冷たい

交差点がわめき散らしている
スピーカーつ ....
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た
だから早くそれを出せばいい
そう言いながら手を傷つけて血を流しながら
貝殻を握りつぶしている友達を笑って見ている
俺たちはライトアップ ....
池袋とか新宿とか
そんな
詩みたいにきれいな響きを持った名前の街は
おれたちの暮らす街にはないので
とりあえずできることといえば
コンビニの前にたむろしている若者にビクビクしながら
そいつ ....
じゃれ合ってたら 噛み付いたー

にらめっこしたら 噛み付いたー

ポッキーゲームで 噛み付いたー

肉球つまむと 噛み付いたー

足に足掛け オスになるー

くちびるめくると 黒 ....
通り過ぎた 風さえも

気付かずにいた

砂が音を立てて動く様を

刻々と形を変えて

時の流れを映し出す


あれは


昔見た

深海の物語
 
 ....
ムンムンだ もう

狭い山道に俺はいま 立っている
工房からの帰り
ひとりひとり
ぶつかりそうに
すれ違いながら
笑って
ほほえんで
あいさつする
俺も同じよう ....
及川三貴さんの自由詩おすすめリスト(205)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- たもつ自由詩1407-3-5
新宿はさようならと言った- soft_machine自由詩23*07-3-4
やさしい人になる- 野火 後 ...自由詩1107-3-3
鳥葬- はらだま ...自由詩12*07-3-3
廃墟からの手紙- はじめ自由詩5*07-3-3
待ち合わせ- 狩心自由詩7*07-3-3
ホーム- たもつ自由詩907-3-2
春は- 石瀬琳々自由詩10*07-3-2
夕焼けプリン- 水在らあ ...自由詩30*07-3-2
寝たふり- スプート ...自由詩4*07-2-28
さよなら- 水在らあ ...自由詩33*07-2-28
そろもん(いい天気なので本の虫干しをしたときの話)- みつべえ自由詩1507-2-27
- 暗闇れも ...自由詩3*07-2-27
ハッピー_ニュースプリング・フェアー!- 馬野ミキ自由詩10*07-2-26
眠れない- 水町綜助自由詩9*07-2-26
約_束- 塔野夏子自由詩30*07-2-25
喪服屋マリー- 吉田ぐん ...自由詩1707-2-25
バンドネオン- プテラノ ...自由詩7*07-2-25
黄色い星- フユキヱ ...自由詩18*07-2-25
一年草- hiro自由詩407-2-24
半身の詠唱- 水町綜助自由詩5*07-2-24
今夜、星座花火を打ち上げます- まどろむ ...自由詩8*07-2-24
知っているか- 水在らあ ...自由詩32*07-2-24
からだ- 水在らあ ...自由詩16*07-2-24
冷奴- 水在らあ ...自由詩14*07-2-23
稲妻でみんな酔って終われるって言うから此処に来た- 水在らあ ...自由詩46*07-2-22
二十一世紀少年- 大覚アキ ...自由詩1007-2-21
- hiro自由詩607-2-21
風紋- 彌月自由詩10*07-2-21
ブラジャー(軍団)- 水在らあ ...自由詩13+*07-2-20

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