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かどの さかなや
まがった まがった
かどの おすしや
まがった まがった
かどの ポストで
まよった まよった
ゆうびんやさん
かえらない
消しゴムを食べていると
母が気を利かせて
夏みかんのジャムを持ってきてくれた
消しゴムなど食べられるはずもないから
いらない、と断ると
代わりにコーヒーを入れてくれた
....
おそろしいことばかりおこる
おそろしいことばかり
それは
じぶんの
あいまいさに
もとづいて
ひどく
がいする
だから
なぜこんなにも
くるしいのかと
まいにち
ひとりで
....
こうやっていつも春は来る
嫌いになったわけじゃない 彼女はどこへいったのだろう
途絶えた連絡は 繋ごうとしないから 切れていく
忘れたふりしていていいよ 笑っているなら それで
....
冬と春が手をつないでいる夕方に
静かに立ってそとをみていました
わたしはもう少女ではなく
絶望と仲良くもありません
ひとりで
静かに立ってそとをみていました
燃えつきる煙草、蘭のつ ....
{引用=それを、聞きのがして、
提燈アンコウのように、ひかり、
ただ、
春を、まっている、
鋏をいれて、ほつれをひろげる、
物語がはさまれる、
この浴槽で、犯行におよんだのだ、
強い、断 ....
ブラックサンダーを買った
丁度予鈴が鳴る時間だ、と
デジタルはぶっきらぼうに言い放つ
運悪く遮断機が寝そべる
そういえば、彼は息災に過ごしているだろうか
雑音の迫るなか髪をといた
....
魚になって歩く街
雨の街はうみのよう
淡くなってる 昨日の約束
信号待ちの学生の列
足元の風が強すぎるから
ひきかえしたくなるよ
元の場所に
あるはずのない居場所さがして
この ....
{引用=
氷解する
ゆるやかな原理
欲求にも
愛という仮説を立ててみる
、と
広がってゆく
小さな波紋
私は岸辺から素足を引いて
身をかたくする
むきだしの音
やさしい情動の ....
あなたのことすきだったよ
死んでもいいとおもってた
でももうむかしのことです
思い出せないくらいに
うねるうずまき
僕らのかたつむり管
しわくちゃになった紙くず
僕らの髪のなか
ちがうちがう
僕らの眼に血がうかび
死さえ語れば
治外法権なので僕らは
ちがうちがう!
と叫ぶのだ
....
首を絞めあって さきに死んだほうが勝ち というゲームをやって 恋人を殺しつづける夢をみて 窒息するなら深海がいいとおもった 部屋も 窓の外も煙も おまえの首も 真っ青だった 深海魚の眼球が退化せずに残 ....
俺が爪を切っていたら、彼女が目薬をさしていた。眼球が赤く熟れて、化粧をしていない汚い肌との比較がとても映えてみえた。それの自慢は眼球や爪や腰や内臓が極端に綺麗で、他の部位は血色の悪い醜い姿 ....
うそをつくと、体が くっ と軽くなるから、抱かれたままうそはつけない。
ばれるから
しめった肌のかんじが すこしだけかわくとき
だから うそついてるんだな っとおもってたよ
はだかで ....
ねむりの海岸にうちあげられて
ぴくりともうごかない魚のようなおとこ
その手の甲が
ずいぶんとひびわれているのがわたしにはさみしい
おとこのかたちに馴染んだシーツを
鉛筆で ....
ランナーズハイ
鬼ごっこのような毎日です
でも誰が鬼で何を追うのやら
本当は追いつかれて捕まりたい
そんなこと思ってるのかもね
どこかでネジを落っことして
軋む体が痛みはじめた
だけ ....
駅に行けばどうにかなるって
遅刻しそうな人はそう考えていた
携帯電話を買えばどうにかなるって
孤独死しそうなお母さんはつぶやいた
僕はただ心をこめてごめんなさいといった
その音は 早 ....
果物をむく手つきで
言葉を探る
タダシイ方向へただゆきたくて
薄いカップで淹れる飲み物のような
少し冷たい感情ももっている
私の今日も北風みたいな想いがありました
このたくさんの星 ....
見わたす夕空は
{ルビ菫青石=アイオライト} {ルビ藍晶石=カイアナイト} {ルビ天青石=セレスタイト}のモザイクです
君の微笑みに
さびしい火がともります
ああそのせいか
君の黒い外套 黒 ....
ふたつで1パックの太もも 紙コップのうすいコーヒーの温みで時間を計り からだをしめらせてうそをかくす たくさんのうそがドアーにはりついている そして地面が壊れはじめる 受け止められずに 受け流せずに ....
誰にも話さないで
誰にも聞かないで
ゆめなど散り散りにもえてく
そして貧しくなっていくこころ
指も開けば寒い
瞼はディープな森とかし
捜査難航、回顧困難 わたしたちは落ち葉
そこからとび ....
たべた?
たべたよ
なんだ、そうなんだ
そう?
そうだよ
{引用=
(( ―ツ、ツツ――… ))
}
おかえり、人間社会!
殴られても笑ってろ!
ひざまずいてみろ! ....
知覚操作してくれパイセン、ビリー、リリィ、サルティンバンコ、アレグリア、
絹糸の太陽、絹糸の向日葵、食い散らかされた鶏肉
脳味噌を綺麗に溶かして…
何処に溶かす?
カルキ臭い水道水?
お ....
とけるまでかさねた
はなびらは
がらすでできているから
ぬるいおとがする
の
あしをおろす
きずをほしがって
あしをおろす
ね
こえがきこえる?
....
物語を読み終わったあと
夢うつつに思いを馳せる
形のないものをふちどる
魔法みたいなことができる
まぶたの裏では鮮明に
雨が降り 夜が来て
風が吹き 夕暮れを迎える
知らないことを知 ....
三ミリ
ほど
白い部分が見えるまで伸びた爪
を
今日も放置した
自分の
体
に
誰かの爪が
食い込んだ
自分の爪より大きく厚い/turn off.
痛みには種類が、
....
mean meanと蝉がぼくを詰っている
いじわるなぼくは
アスファルトにおちているつよい水性の日差しをひろってたべる
夏というのは架空とおもう
ふとてのひらをすかしてみると
うすい水か ....
ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは ぼくは きみ
はじめましてもさようならももう意味がない
はしっこもまんなかも距離もかたちもあいまい
ふたりは観測者 やりようによっては創造者
どこへ ....
粘土と唾液で造られた都市から
悪臭が漂ってくる
鼻のつまった男達が希望を語り合っている
むごく発達した上腕筋
愛撫はハンマーの一殴りだ
雷鳴の方角をさぐれ ひびわれた夜空の
耳垢だらけ ....
無口な娘
黒髪の娘
あなたはどうして
ここに居るのか
わたしはただ
あなたの睫毛と
あなたの雀斑を
数えていただけなのに
....
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