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軽薄さを曖昧にぼかして
一輪の草 風に踊る
仕方なしに去来する思いを
吐き捨てるための錠剤たち
時間こそがすべての源泉で
ひとの営みをめぐるすべての不安は
パンタグラフを走る
細密画 ....
大人気ない大人ばかりの席で
僕は誰からも話しかけられず
ぽつねんとしていました
それから帰りの電車を降りた後で
さっき別れた人から電話があって
今日はなんか疲れたね 飲みなおそうといわれ ....
雨に散らばる青空
汚れを洗い流すために
身を切る生き物
タイミングの良し悪しは
物事の良し悪しよりも
ずっと大事なこと
予感より速やかに
水面を走って君と
華やかな町の雰囲気に ....
ミミズはミミズクと音素を共有しながら
このように馴れ合っている場所では
すべてが熱死に向かっていると悟って
突如北北西に進路をとる
そのような映画があったのか小説だったか
詳しいことはわ ....
教壇から頭ごなしに説教をするタイプでもないので
例によって教室を歩き回りながら僕は話す
半年、あるいは一年ほどの付き合いで学生について
何ほどのことが分かるかと問われれば返す言葉もない
も ....
気絶しそうな海が春の鼻先で
壊れたり生まれたり寝返りを打ったりしていた
レイン・ツリーと何度も口にしながら
飛行機雲を保存する方法を考えた
音が消えると振動がなくなるので
悲しみは無意味 ....
くちびるから風を運んで
気がつくとそこにハルがいる
粒子の波が雲の切れ間から
美しいオルゴールのように
血を流したりはしないけれど
人はみなそれぞれの戦場を抱え
ふと息をついたときにど ....
茅葺の屋根ふきかえる仕事なら
5000円くらい出してもやりたい
赤裸々な積乱雲を食べてみる
グレゴリー・ペックの声色を真似て
濡れ光る僕のあそこのユニコーン
おまえもただの女なりしか ....
夜の淵からわたしがこぼれ
わたしの淵から夜がこぼれる
固いビスケットを菩提樹の
お茶に浸して深深と雪
積もる声もことばもあるし
誰からも等しく遠ざかれば
せわしなく人の世に生きていたこ ....
カテドラルより鐘の音がこぼれてくるので
僕は屋根裏のようなその図書室で顔を上げる
埃っぽい書物たちの潜む書架が
ひとたび足を踏み入れては還れぬ森のようだ
森の中には誰もおらず
時折ド ....
これはあれに似ているな。バスに揺られながら、そう思う。
小学校や中学校の頃、校内放送で職員室へ呼び出される感じ。名前を二度呼ばれて、「至急職員室へ来なさい」というあれに似ている。校内放送のスピー ....
さよならの野生
ナイフのエッジできりきりと裂いていく
さよならの野生
悲しみを等価性のある液体に移して
さよならの野生
夜の星の硬いまたたきをかぞえて
さよならの野生
今カイエ・ソヴァー ....
音楽はやまない
いつまでもその唇から
風に
風に乗って
その唇に
やわらかい草のゆれる
広い野を越えて
人々の雑踏を超えて
あなたの街を超えて
音楽は続く
とどまる場所があ ....
気がつけば冬のさなか
襟をあわせ
交差点で君を待つ
知らぬ間に季節は
僕の髪が肩に届くほど
遠く過ぎた
誰にこころ奪われていたの?
いつもそばにいたはずでしょう?
誰の幻に焦がれて ....
視神経が悲鳴を上げる
肺が酸性に降参する
皮膚の断面がずれてくる
もうピントが合わない背骨
ここからが始まりだとは
勝ち目のない戦争のような
この場所から始めるとは
どのような自殺行 ....
夜は沈黙の代価で震える
いとしい
くるしい
あさましい
そういう感情の化合物で
誰が誰を傷つけるか予想できないから
おいそれと名前を用いることは出来ない
手前にはロック以来の経験論が ....
最後から二番目
不完全の未完了
未完了の不完全
終わらないことの始まり
終わることの予感
消えるものの先走る予兆
前もって失われた最後
失われたことの已然形
楽しい思い出のコー ....
君の景色を埋めていく
未来に出会う経験を
嫉妬交じりに僕は眺めてる
息苦しさ夕暮れに似た息苦しさ
振り返らずに人は進めない
そのことだけを今は知っている
壊れていくより早く今なお
失 ....
唇
くるしい
口づけ
悔い
苦しみ
食い合う唇
エッシャーのように
連続し接続し食い合う
食いちぎる
唇を吸う
吸い合う
吸い寄せあい
吸われ
ここに座れ
そして耳を
耳 ....
僕の
君の中の誰か
誰かについて
誰かしら
思い返している誰
誰
誰かしら
思い返しては
維持することの出来ない
記憶を記録して
記録を
記憶する
冷たい水銀灯の光
冷た ....
かつて少女であったものの断片
ある切れ端
突端から眺める切れ端
破片
かつて少女であったそれ
その部分
少女の一部分
白い影を波間に
少女らしいたおやかな
少女らしい生臭い
少女ら ....
誕生日に僕は飛行機に乗って日本に帰る。
空港へ向かうバスの中で、あるいは飛行機の中ですでに具合が悪い気がしていたのだけれど、帰国してまもなく予定調和的に風邪をひく。
日本でクリスマスに恋人と ....
あなたとわたし、わたしとあなた。
学校帰りにこうしてケーキを食べて、熱い紅茶を飲む。
秋に始まった授業で、あなたと知り合った。あなたが声をかけてきて、それからあなたは二時間喋りどおして、最後 ....
ほつれた髪を直すしぐさ アルミニウムみたいな海
海は高鳴る心の隠喩だったか 反映だったか
わたしにはもう手の届かないものの換喩だったか
晴れ晴れとしたこころで車を運転する
白い灯台が青 ....
○
わたしはひそかにその人をガーベラさんと名づけている。
月曜日の昼、大体同じ時間にやってきて、大体同じ内容の花束を頼んでいく。ガーベラと赤みの差す花を葉蘭で包む花束を。
だからガーベラ ....
雪の降る街の景色を
音だけで感じている
悴んだ手が赤くなり
サクサクという音が
足元から立ち上って
靴底から垂直に体の
芯を冷気が掴んでは
私の細い心臓を震え
あがらせているの ....
ようするに孤独をかこつているだけなのかな、と
画面に向かって彼は思っていた
こんなにも沢山人がいるのに
隔絶されたように感じるとは
それから時間を使うのがとても下手になって
これをしよう ....
ちいさくせかいがふるえ
てにとるべきわずかな水
ブルーはブルーによって
侵食されていく果敢なさ
声と言葉と三色の悲しみ
ピッチカートで奏でてる
光沢は世界とすれ違う度
美しすぎる晴雨 ....
春に分別のない私は
たいせつなものを うしなったそうです
分別のない私はそのことが
自分でもよくわかっていないみたいです
私はそのことが悲しいことを
人づてにきいて悲しいなあと思って ....
揮発性の高いエチカ
不文律が陽を遮ると
最後には人柄で勝負
僕がもっとも不得意とすることじゃないか
曇りガラス越しにカラス
硬い羽を打ちつけて
絶望する暇があれば希望せよという
僕の ....
こめさんの瀬崎 虎彦さんおすすめリスト
(83)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
帰郷
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2
13-10-16
大人気ない大人にならない方法
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2
11-1-30
しおり
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2
11-1-28
ミミズ
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7
10-2-3
それでは試験を配ります
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5*
10-1-29
飛行機雲を保存する方法
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
10-1-26
今そこにないものを確実に意識しながら
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
10-1-24
ハーモニクス
-
瀬崎 虎 ...
短歌
5
10-1-17
今よりずっと澄んだものに
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
7
10-1-16
_この森をかつて君と歩いた
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
10-1-10
呼び出し
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
2*
10-1-9
逃避せず
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
10-1-8
あなたに届けよう
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6*
10-1-3
忘れられない
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4
10-1-2
The_Beginning
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6*
09-12-31
夜は沈黙の代価で震える
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
8
09-12-30
The_penultimate
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4*
09-12-29
マジック
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
1
09-12-28
ハロー/アイラヴユー_大全
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2*
09-12-27
みなしごたちの夜
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
2*
09-12-27
冬の海で
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-12-26
12月24日、快晴。
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
3
09-12-24
アルルカン洋菓子店
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
3*
09-12-23
_わたし_大丈夫です
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
4*
09-12-22
ガーベラさん
-
瀬崎 虎 ...
散文(批評 ...
7
09-12-18
数え切れぬほどの幸せな家庭が暖かい屋内で晩餐をとっている時間 ...
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
6
09-12-17
彼と彼女のこと
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-12-16
悲劇的
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
3
09-12-15
そろそろ寝る時間です
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5*
09-12-14
不徳のいたすところです
-
瀬崎 虎 ...
自由詩
5
09-12-13
1
2
3
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