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いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ .... 私が人様にはじめて認められた文章は、詩ではなく評論であった。それは静岡県民文学祭で芸術祭賞を受賞した。今の私からみると暴論みたいなところもあるし、古くなっているところもあるし、そもそも「評論」と名乗っ .... 玄関を開けると ふっ と
新茶が香る
こんな深夜にも
茶工場はフル操業中で
その明かりだけが夜目に眩しい

工場の前を過ぎる
明かりが背後に遠ざかる
街灯のない土手の草むらで
気の早 ....
だ る ま さ ん が こ ろ ん だ
つ か れ た よ か え り た い
こ ん な く ら し も う い や
だ け ど は た ら か な く ちゃ
く ら せ な い か ね が ....
赤く青く黄いろく黒く戦死せり  (渡辺白泉)

なんだかだんだん非ジョーシキでなくなってきた「俳句の非ジョーシキ具体例」、今度は時事ネタである。それも茶化すわけにはいかないたぐいの時事ネタである。 ....
海岸沿いに露出した三十年まえのゴミ山のうえ
新しい嘆きがそっくりひとつ捨ててあった
壊れた自転車
割れたブラウン管
骨の折れた傘
骨折り損のくたびれ儲け
破れた心臓
そんなもののうえに
 ....
寒くはないのに足先が冷たい
詩人の休日について思い馳せているせいだ
トランペット吹きの休日なら
明るく自由な旋律だけど
詩人の休日はなぜか
未熟なくせに古くさい響きがして
私の足先をとても ....
たぶんヘンリー・カットナー(またはルイス・バジェット名義)が書いた古いSF短編だと思うのだけど、作者とタイトルは定かでない。むかーしのSFマガジンで読んだのだ。

その小説世界では、魔法がごく普通 ....
にんげんのやることじゃないです
と にんげんがいう
にんげんのこういにたいして

人間だけが原水爆をつくる
人間だけがアウシュヴィッツをつくる
人間だけがサリンをまく
人間だけが手を汚さ ....
このシリーズは「俳句の非ジョーシキ」であって「俳句のジョーシキ」ではない。勘違いしてる向きがあるとびみょーになんだから、念のため。

さて、ジョーシキを蹴飛ばす前にジョーシキを認識しておけというこ ....
明かりはどうか消さないで
ここにきて
すこし話をしたい

私はずっとひとりでいたらしくて
話し方をわすれてしまった
だからひとりがたりみたいになるけど
ひとりよがりにはなりたくないので
 ....
 1

少女は夕暮れにオルガンを弾き
聞き覚えたメロディを拾う
不安定なコードで単調な伴奏を繰り返し
遠い歌声に耳を傾ける

暗い森の奥 澱んだ沼の畔
彫刻のように動かぬ蟾蜍 ....
昼休みの中学校の教室に
セセリの群れが舞いこんできたことがある。
女の子たちは気持ち悪がって騒ぎ
男の子たちは争ってつかまえた。

鱗粉は毒だと言われていた。
茶色いし羽根の閉じ方が普通の ....
見つけるたびに
ひいふうみいと星を数える。
間違いなく二十八あるから不思議だ。
一個足りなかったり多かったりはしない。

二十八の星を数えたら踏み殺す。
だって連中は茄子の害虫だ。
連中 ....
烏瓜が真っ赤に色づき
葛の葉っぱがみんな枯れ
桑の木がセミヌードになるころ
カマキリは生きながらに枯れる

雄を食ったのは晩夏で
そんなものとっくに消化して
それでもまだ冬がこないので
 ....
ここまでの6章で、私は、ネット詩批評の周辺にある5つのもの―――交流・感想・紹介・添削・観賞について書いてきた。これら5つ以外に「解釈」「註釈」などがネット詩批評の周辺にあるが、私は「解釈」を重視して .... 観賞とは、何かを味わうことだ。基本的には、誰だってできる。教わらないでもできる。しかし、味わえる内容やレベルは、知識に大きく左右される。だからこそ「味わい方」を教える/教わるということがありうる。
 ....
{引用=さて、ひと思いにやってみようか。
どうきりだしたらよいのか。

「アルフレッド・プルーフロックの恋歌」 T・S・エリオット}


さあ、一緒に出かけよう、私とあなたと

 ....
クーラーが壊れたので暑くてたまりません
床屋さんは窓を全部ひらきました
床屋さんは手をよくあらって
よごれて刃こぼれした剃刀を捨てて
血みどろの店内を掃除しはじめました
明日は火曜 ....
石原大介さんの佐々宝砂さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
外に出て行くためのリスカ- 佐々宝砂散文(批評 ...27*04-5-11
批評という暴力的愛情表現- 佐々宝砂散文(批評 ...2204-5-8
新茶の季節<真夜中編>- 佐々宝砂自由詩804-5-4
労働歌(実話)- 佐々宝砂未詩・独白10*04-4-23
俳句の非ジョーシキ具体例5- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-4-19
寝付けない理由- 佐々宝砂自由詩17*04-3-23
詩人の休日- 佐々宝砂自由詩404-3-21
独学の数学者また- 佐々宝砂散文(批評 ...504-3-17
にんげんのやることじゃないです- 佐々宝砂自由詩904-3-13
その2俳句の非ジョーシキ- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-3-10
音楽- 佐々宝砂自由詩3*04-1-10
遠いひと- 佐々宝砂自由詩403-11-25
イチモンジセセリ(百蟲譜10)- 佐々宝砂自由詩403-11-21
ニジュウヤホシテントウ(百蟲譜7)- 佐々宝砂自由詩203-11-19
カマキリ(百蟲譜2)- 佐々宝砂自由詩203-11-13
Cry_For_The_Moon_7「批評へ、あるいは_Le ...- 佐々宝砂散文(批評 ...16*03-7-29
Cry_For_The_Moon_6「観賞、あるいは詩のソム ...- 佐々宝砂散文(批評 ...903-7-29
プルーフロック氏に贈る恋唄- 佐々宝砂自由詩403-7-23
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