わたしの
アンテ


とうめいないれもののまんなかに
とうめいなこっぷがはりついていて
とうめいなみずでみたされている
いれもののそこには
こっぷからこぼれたみずがたまっていて
いれものをゆすると
ゆらゆらなみがおこる
こっぷにのこったみずが
こぼれそうになって
あわてててをとめる
いつのまに
こんなにこぼれてしまったのだろう
どうすれば
もとにもどせるのだろう
いれものごと
こっぷをひっくりかえして
ひょいとおこせば
えんしんりょくのかげんで
うまくこっぷにはいるかもしれない
あるいは
いってきももどらないかもしれない
そんなにこっぷがだいじなら
いれものをこわしてしまえばいいのに
だれかがささやく
いまはいっているぶんだけじゃ
まんぞくできないの
だれかがささやく
そうじゃない
わたしのてが
こぶしをにぎりしめる
そうじゃない
わたしのきもちが
なみうっている



                          「わ」
                     あいまいなきもち



自由詩 わたしの Copyright アンテ 2005-09-03 01:11:16
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あいまいなきもち