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薄闇にとけてながれる君の名は幾度なぞれど逃れるばかり
(ここでは宇宙をスプと言います)
最前列右の左のスプを見た見たもの全て衛星で死亡
(ここでは宇宙をンと言います)
ンの声がロケット破壊しつくしてβ・γ線上の{ルビAir=アリア}
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このままで そうねがい乞う 時はうたかた 君の移り香 髪に残して
いつの日か宇宙の塵となることを夢見るロケット技師と甥っ子
少年は星の名前でしりとりをしている少女は欠伸をしている
フラフープ棄てる少女に土星の輪なくした土星のごときさみしさ
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木漏れ日がもしも零れて落ちたなら
享けとめるためまつ毛をカール
ハリウッドの女優気分で歩こうか秋色緋色の絨毯の上
空高く群れる羊を追いかけて風の尻尾を捕ま ....
破裂する宇宙服からこぼれ出すはるかな草原駆けゆく少女
一片の光は遂に熟れ過ぎて落下してゆく宇宙の果実
むらさきの虚無が飛来す青空の上で吐血す宇宙飛行士
太陽のひかりときお ....
手が二つ入る背広のポケットに 父は誰をや隠したりけん
夜泣きする猫抱き上げて窮屈に 慰められず謝罪する父
台所一人立ちたる母 一人湯飲みの口を無心で洗う
もう何も信じられない気がしてる天気予報も君の涙も
貼り紙でボーカル以外を募集して出来たバンドが オリコン誌にて
ジャックしたジャンボジェットで東へと最新型の夜明けを買いに
家庭科の美 ....
カーマイン、スカーレットにマゼンタの三人の魔女空で焼かれた
瑠璃色の勿忘草はまみどりに染めたの白をあきらめたから
人魚にも羽はあったと焼け跡の肩甲骨をさわった指で
当たり ....
冷房のままで空き地に棄てられし軽トラックが消えた秋の日
足首に薔薇のいばらをくくりつけあなたはをどる秋と告げれば
ほとばしる滝の飛沫の花びらを浴びるあなたの背骨が欲しい
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たぶんぼくはぐちゃぐちゃのどろどろのけつえきのかけめぐるたいないのはじけるだろう
傷口を更に深める部屋を出てぐいっとひらく赤い雨傘
ドライヤーで髪を乾かすときに目を閉じる あなたの ....
目が覚めてまぶたばっこし腫れていた。その{ルビ嘘=わけ}繰りつつフッとため息
やりきれぬこの1日をやりきった。澄んだ夜空に微笑んで泣く
君と吾と 接続詞さえ遠ざかり、決定的な別れのにおい
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トランプをきるのがうまい手品師の名刺がころころ変わるのはなぜ?
テーブルに咲かせてしまった薔薇だから血にまみれつつ手に取る醤油
この剣をここに刺しますこの剣はここに刺します あら不 ....
01.追伸。今朝はちょぴりっと寒いです。湯の温度は高めに。茶の葉より
02.うちゅうにさいたひまわりにのみこまれるでじゃぶああぁあさひがのぼる
03.(エフ ブン ノ イチ)ノ ゆらぎ ヲモツ人ヨ ....
彼岸華 ほっこりまるい 朱い華
きっとその身に たましい抱いて
雷鳴にかきけされてく「さよなら」と微笑みながら消え逝く夏よ
画用紙の上でちぎれんばかり手をふるは向日葵それともきみか
欠けてゆく月も満ちてゆく月も紙一重に映す海鏡
....
我ひとり凛と咲きたるケイトウの立ち姿に見る揺るぎなき赤
夕焼けを映して林檎の色づいて食むる乙女の頬にうす紅
ひそやかな紅き花よと見惚れたる君のまなざし吾もまた乞う
い ....
海はまたおほきな墓地であるだろう魚たちみな水葬されて
昔、龍がいたのと妻が子に語るうろこ散らばる魚屋の庭
会ふべきか会はざるべきか点滅す横断歩道の信号の青
水性じゃなくて ....
青いものばかりあつめた僕達の歓声あおく響いた校舎
青色が好きな僕らは青色に好かれてもいる たとえば空の
上履きを脱いで廊下も授業中 ひたひた音楽ひんやり化学
教室で停電お ....
秋空は透き通るほど美しく手を伸ばしては溜息をつく
一瞬のタイムマシーンである日付変更線を越える飛行機
あの頃は、と思い出すたび僕たちは大きな洗濯機の中まわる
気の利いた言葉浮かばづきみの笑みに複雑骨折してゆくこころ
つま ....
眩しさの中にいるとは知らぬ頃 ひかる手足を隠そうとした
境界は線ではなくてざらついた手触りだった 校舎みたいな
放されて時間通りに戻るのは別に躾の成果じゃないんだ
夕暮れ ....
水槽に知らない虫が湧いているそれはそれとして夏は過ぎゆく
六甲のおいしい水を買い占めてもうすぐ君は火星に帰る
部屋中の精密機器は引き出しへ理工学部の多田君が来る
雨上がり気付かず傘を ....
とりあえず、ではじまる朝の洗面所嘔吐している昨日の夢を
長いながい蝶のねむりをほどくとき薔薇の二文字のほころぶを言ふ
とうもろこし畑に無数の歯は落ちて兄弟喧嘩に暮れゆく夕陽
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ヨークシャーテリアのくしゃみ。夏の風。塩素の匂い。嬌声。虹彩。
深い緑。蝶のような。蝶のような。流水。涼風。深い影。
内臓。ガラス瓶。牡丹。薔薇。迷走。精錬。製造番号。
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深海に響くサイレン 旋律のようなうねりはやがて波へと
呼吸ひとつ躊躇うほどの静寂に抱かれて眠る幼い嵐
海水に混ざれぬ雨が沈みゆく マリン・スノーの一粒として
なにもかも蒼 ....
灯台で夜明けを待てばすこしずつ世界は回り海が生まれる
田園を静かに渡る鉄道のすべての窓に死者達の顔
寝室にまき散らされたビー玉の光のなかに夜が満ちてる
熱帯夜大家に黙りバスタブに ....
紫の灯りめがけて飛ぶ虫を 笑うあなたと笑えない吾と
そんな字がやさしさにだって欲しかった 高圧電流さわるな注意
君はいう 川面に映る街は幻 私はつぶやく 恋もいっしょだ
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ブルー問ふ京の都の古家ぬけ落ち込むぼくに空指しながら
麗しき姿であれどきみに問ふ如何なる意図や人魚の胸像
高速の指の運びに混ぜられてゆく鍵盤ももはや灰色
「色たちが心中し ....
幼子のみる夢 今は見れずとも
微かに残る 母のぬくもり
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