すべてのおすすめ
蒼白の薄明
永遠に処女の領域
素数のみで刻まれた暗号
純粋遊離線
冷たい蜃気楼
置き去られた天象儀
倦んだ庭園
途絶えがちなピアノの音
未分化な恐怖を秘めた深淵 ....
2個で150円、
の うたい文句につられて買ったそれは
避暑地の出来事のように
ふわふわと軽く
わたしを照らし
黄色く、寄りそうのでした
夏の酸味と
ひとくち目の
甘い、甘い、 ....
「マンダリン奏者(1)」
フロリダな笑顔で
指を震わせる
琴線って
小指が触れるとこらしい
「マンダリン奏者(2)」
今日は
マリンバと一騎討 ....
バナナ売り 企画物としての俺 削除事項
ヨーロッパ市場から締め出される 展望台から人様のケツの穴が見える これを不思議なの発見なのと俺は呼ぶ
火をつけたタバコの先っちょをつかんで笑う ....
改札口にて
お待ち申し上げております
行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を
あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
眠りは当局から支給される
月にいちど注文をすることになっている
私は主に スタンダードな「白の眠り」を注文する
けれどいつもおなじ眠りというのも
あじけない気がするので
やはりスタンダードな ....
かちにげはずるい
9月は考え込んだ
8月のやつったら
いい思い出だけ残して
いっちまった
かき氷
カラコロ、下駄
「髪型、かわいいね」って言ってた
あの人・・・
カエルの鳴き ....
煙突から煙 が似合う夜更けに
マフラーが棚引くと息が詰まる
三水に魚 の意味を模索する内
私の顔が魚に近づいてきている
ような感覚を 例えば鰓がある
息詰まるマフラーに愛着が涌く
そ ....
こころの機微をおひとつ、どうぞ
かわりに今後もよろしく、どうぞ
わたしの背後のあれこれの
言い尽くせないあれこれの
混じり気のない よろず味
恥ずかしながら
....
★ ボサノバ
ぼさぼさに
のばした髪
ぼさっとして
野放しのろば
そこにあるうた
★ コンコルド
鳥をまねて鳥になっ ....
夜空にはった薄い
うすい膜のような
しろい雲の
あまりの遠さに
秋を知る
気づけば
月も
星も
なにもかも
わたしたちを包むせかい
高みにみあげた
綺麗の ....
ある麗らかな朝、一行の詩が書物から立ち上がってはるかな水平線をめざして言葉の海を泳ぎだしたまま行方不明になった。さっそく捜索隊が組織され船出することになった--------。
どうも気がすす ....
虹を渡すのは、雨の純真であるように
雨を放すのは、空の配慮であるように
空を廻すのは、星の熱情であるように
やさしき担いごとは満ちています
あなたを求めるわたし ....
越前海月 VS 越前蟹
そもそも彼らに戦う気など、ないだろう。
…でも、仮に、もし仮に、戦ったとしたら、
べしゃ。
じゃきーん。
互角かも。
さらに合体 ....
プラットフォームで 日陰のベンチに坐り
僕は詩を書いていた
いいや君への手紙だったのかもしれない
白い午後
静かな校庭のこと
いたいけな青空のこと
いいやそんなことじゃない
間奏 ....
H
\
ながれるべきものたち ながれ
そよぐべきものたち そよぎ
ひかるべきものたち ひかり
うたうべきものたち うたい
H
\
....
腐った葡萄を投げ捨てろ
国道あたりに投げ捨てろ
トラックの車輪ではじけて
アスファルトに染みこんで
どす黒くかたまってやがる
(ああ、デラウエア・巨峰・ピオーネ!)
....
得意げにまわってる
あの子は
何も話せないから
おどけてるだけなんだよ
水色の音楽の真ん中
はしゃぎ過ぎて
黄色のスカーフが
ほどけて
落ちた ....
揺れるカーテンなんぞに感傷を重ねて
俺はマンホールの世界にしがみついている
堤防の下の壊れた冷蔵庫の中から生まれた
有刺鉄線に刺さったアゲハ蝶を見上げている
役割を終えた ....
炎天下の国道で生まれた俺は本能的に四つ足で生きる
燃える街路樹は火力を増して
国道を走る車の後部座席を焼き払う
揺らぐアスファルトの先で生まれた幻影を打ち破る視力を
....
各駅停車の鉄道がはたらいている
ひとの数だけ
想いの数だけ
星空のなかで
各駅停車の鉄道がはたらいている
天文学には詳しくない僕たちだけれど
きれいだね
しあわせだね
このままでい ....
ええと
どこからともなく
聞こえてくる 口笛
ハローベンジャミン
きみの鼻の牛みたいなピアス
好きよ
ベンジャミンはいつもヘッドフォンで
オルタナティブな音楽を聴く
....
乗り出した半身
月の明かりは
雲にさえぎられていて
それでもこんなに明るい夜
君だけを
見ていられない
本当なら
目をつむったら
飛べるような気がしていた
窓を開 ....
ぼくたちの見えるところ見えないところ
繰り返される欲望の衝突のおかげで
ぼくたちはもぬけの殻になってしまった
風鈴がチリンと一つだけ鳴る
意味を終えた紙吹雪のように
....
ライオンさんのやる気が
ゼロでしたので
わたしは舌打ちをしました
タイガーさまも同様でした
残念でした
同じくネコ科のクロヒョウくんは
動いていました
しかしなが ....
僕は君のためならなんだってできる
って
サンダルにジャムをつけて食べようとするの
ごく普通の人なんだけど
イチゴジャムにアップルジャムに
ピーチジャムにアボガドジャムに
ときにはマ ....
あの日を境に
世界は明らかに下り坂に入ったんだ
たとえばさ
えらい人が逮捕される時ってあるでしょう?
あれね
時代劇の捕り物みたいに、突然いっせいに取り囲むってことは
実は ....
人間の体のつくりを真似て話しながら
どこにもいない人間になれたらいいのに
ぼくらは作られたもの
あと一秒で生まれ変われると日常的に信じて
浮遊するゼリー
いつでも ....
チューズデイ・ラブ。朝、目覚めれば彼女はパティという名前だった。お母さんはパーマがうまく巻けないし、お父さんの口臭が嫌いだった。そして階段を軽やかに滑り落ちる。今日は太陽ごっこよ。太陽ごっこをして遊ぶ ....
私の中に
午前を飼っている
白い舟がいくつか
遠く漂う午前だ
華奢な草の葉がためらいがちに揺れ
吹く風のなかに
覚束なげな青さが
消えない午前だ
もう長いこと飼っている
だからも ....
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