女にふられたので、
ナイアガラへ行って死のうと思った。
三連休の初日の朝から、ビールを飲んで、
失敗した。
急にドライブに行きたくなったのだ。
もう遅い。
そうゆうものだ。
訳知り顔の大 ....
寝つけない夜が続いて月は満ち私もそっと丸まっている 夕暮れの街へ帰る人は嬉しそう
オレンジ空の向こうで待っている あの人に
逢いに行くのだそうです
エレベーターの中で
「開」というボタンを押すと
涙が止まらなくあふれ出た
何かを受け入れるということは
何かを拒絶することと同じくらい難しい
一人またひとりと乗り込む人を
か細い指で支えな ....
モネよりも
ルノワールよりも
キスリングの絵が好きです

彼の描くミモザは
その小さい花の一つ一つが
どれも眩しいほど鮮やかなのです

それは美しい憧れです
あなたの目に
私はその ....
シャボン玉や

星がまあるいのは

それは

その形が一番安定していて

存在しやすいから

それなら僕は

ヒザをたたんで

角っこで

まあるくなっていたい
あいかわらず武士だった
参代する日でもなかろうに
女房殿に渡された温かい包みを抱えて
坂を下ってゆく

*

何やら人垣ができていて
たいそうな{ルビ賑=にぎ}わいである
隣の女房が ....
きょう
ぼくは少年だった
両腕をいっぱいに伸ばして
いちにち
空を憧れていた

ぼくのノートは
かなしい文字でいっぱいだ
さようなら
さようなら
みんな さよ ....
あんたの1メートル上空の
地上権と
あたしの1メートル上空の
地上権を
交換するの

そレで
あたしの匂い
あたしの甘やかな匂いを
あんたにいっぱい嗅がせて
あんたの一切の先取特権 ....
死んだ鯔が漂っている
ゆらゆら ひれをふりながら

近づいてくる 油の浮いた港の水を分けて
俺の思い出を裂いて

一漕ぎで 鯔はあきらめる
記憶の追跡を 死というやわらかな退廃を
この ....
朝起きると武士だった
(拙者、もうしばらく眠るでござる
と、布団を被ったが
あっさり古女房に引き剥がされた
長葱を{ルビ購=あがな}ってこいという
女房殿はいつからあんなに強くなったのだろう ....
鼻毛出てるよと言われた。
まあいずれにしろ出ていたので善しとした。

体調の悪そうな亀みたいと言われた。
まあいずれにしろ亀は好きなので善しとした。

あなたっていつも煙草吸ってるねと言わ ....
   光を

真昼の太陽を 目に映す
視界は暗くなり
ただ一点太陽だけが白く浮かびあがる
そこから
視線を外すと
しばし辺りは暗転して
浮遊する幻覚となってしまった
私は
みずから ....
だけど
俺はもてまい
ピスタチオの固い殻を割って
柔らかい実を口に放り投げても

『あなたに起こる出来事は
みな必然の法則であなたを
成長させるために起こるのです』

ふられた俺には ....
それは
川辺のスミレのように
ひそやかな願いなのだけど
じつは
俺は
もてたい
じつに
俺は
もてたい

ないしょの望みなのだけど
可憐な希望なのだけど
ただいちどきで
かま ....
おしゃれな居酒屋に行った。
k君とfちゃんと行った。
俺の失恋その後について話し合う会の、
第二回だった。
四ヶ月ぶりだった。
俺がもう四月には東京へ行くんだって言ったら、
k君は知らなか ....
マリンちゃんに告白した


好きだ

俺は
きみより
ずっと年上で
まるでもてないし
甲斐性はないし
かっこよくもないし
男らしくもないし
お金持ちでもない
だけど

き ....
もてない男が集まって
深夜のファミレスで話した
しみじみとふかぶかと話し込んだ
夜も更けて
やっぱりぼくらはもてないままだった

『もてないことのかなしみは
近代的な発明にすぎない』
 ....
女にふられたので、
涅槃へ行って死のうと思った。
年も明けたのだから、
もうこのパターンはやめたかった。
だけど俺は、
もうやめようと決めたことを、
やめられたためしがない。
俺はそんな ....
にぎってみな
ほら
もうだめだろ
そのタマネギ

切ったら泣くぜ
ぜったい泣くぜ
半分ぐらい
腐ってたって

ぜったい泣くから
まあ座って
二人で剥こう
そうして
 ....
夜が更けていきますね
送電線を伝わって
ふらりふらりと麦畑を行けば
ほら
電線が囁いている
星屑をまとった天使たちが
口笛を吹きながら散歩しているんだ

軍用ブルドーザーに破壊されたガ ....
ひまわりが枯れて
バラが枯れて
チューリップがこぼれて
シベリアだけがまだ 
咲き誇っている

切られた花の優しさしか
あげられません
あげたくても
あげられません
 ....
 
まるで、その背中から
おぼろに光る翼が生えてきそうな
おんなのこ達
三十を過ぎても
ひらひらと

生きていると初めて知るのは
人が曲線で結ばれている
と解る時だ


黄 ....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである

就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
ジョニーは青春したかった
青春てなんだ
俺に聞くなジョニー
今ごろ青春映画なんかに凝って

どうして俺にはそれがなかったのだ
それともこれからやってくるのか
その季節は

熱い思い
 ....
夢のなかで、
女にふられたので、
冬の海で、
バタフライして死のうと思った。
目が覚めて、
ああよかった、
わるい夢だった、
と思ったのに、
やっぱりそれは、
夢じゃなかった。
俺 ....
マリンちゃんが入院した
急性虫垂炎だった
俺も六年生のときやった
たしか下の毛をそられたとおもう
うぶ毛だったけれど

マリンちゃんのあそこが
うぶ毛だったとは思わない
ただマリンちゃ ....
思い出のクリスマス。

第十位
二十三歳のクリスマス。
お歳暮の配送センターでアルバイトをしていた。
朝のデパートの開店時間に合わせて、
そっちの方角にみんなでお辞儀をする。
馬鹿馬鹿し ....
今年も女にふられたので、
大そうじして死のうと思った。
捨てられるものがあるうちはまだいい。
でもぜんぶ捨てたら、
それから、どうしたらいいのだろう。
考えても仕方がないので、
どんどん捨 ....
俺が死んだら、
ジョニーはニュースを見てつくづくと言った
俺が死んだら、
ニュースではどのくらいの扱いだろうか

ムーミンが死んでも
トップニュースにはならない世の中なんて
どんな意味が ....
さきさんのおすすめリスト(621)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ナイアガラへ行って死のう- しゃしゃ ...自由詩807-2-10
寝つけない夜- 歌乱亭カ ...短歌6*07-2-10
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猫背- 大城 小 ...自由詩307-2-9
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もてたい- しゃしゃ ...自由詩607-1-29
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マリンちゃんさようなら- しゃしゃ ...自由詩807-1-24
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涅槃へ行って死のう- しゃしゃ ...自由詩1007-1-21
にぎってみな- 水在らあ ...自由詩31*07-1-18
旅の終わりに- ダーザイ ...自由詩52*07-1-17
シベリア- 水在らあ ...自由詩39*07-1-17
女友達- ピクルス未詩・独白11*07-1-1
就職支援センターのこと- 吉田ぐん ...自由詩4306-12-30
ジョニーの青春- しゃしゃ ...自由詩306-12-30
バタフライして死のう- しゃしゃ ...自由詩606-12-28
マリンちゃんとジョニー- しゃしゃ ...自由詩506-12-26
思い出のクリスマスベストテン- しゃしゃ ...自由詩806-12-25
大そうじして死のう- しゃしゃ ...自由詩1606-12-23
お茶の間のジョニー- しゃしゃ ...自由詩306-12-21

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