ナイアガラへ行って死のう
しゃしゃり

女にふられたので、
ナイアガラへ行って死のうと思った。
三連休の初日の朝から、ビールを飲んで、
失敗した。
急にドライブに行きたくなったのだ。
もう遅い。
そうゆうものだ。
訳知り顔の大人たちよ。
ためしにちょび髭を生やしてみたまえ。
誰だって自分の胡散臭さに赤面してしまうさ。
俺ときたら缶ビール一本でもうへべれけだ。
へべれけってなんだ。
へとべとれとけのあいだに、
どうゆうつながりがあるのだろう。
どうでもいいが、あなたに聞きたい。
俺は、
俺は…
どうしたらいいのか、
あの子に電話、するべきなのか、
どうせ出ないのだけれどそれでも、
出るまでするべきなのか。
いや、ちげー
俺が聞きたいのは、
じゃああの子が…
いざ、私といいことしましょ、
と言ってきたとき、
俺はどうしたらいいのか、ってことではないのか。
水中カメラのように心はのぞけないよ。
でもそこに、ナイアガラがあった。
巨大な滝だ。
決定的な断絶だ。
俺は、生まれたときから、
説明書のないプラモデルのようなものだった。
ああでもないこうでもないと、
じぶんを組み立ててはみたけれど、
ちっとも完成しないのだ。
それはこの断絶のせいだ。
だからもう飛び込め。
それでおしまい。
ナマステナマステ。
あの子にたどりつけないんじゃない。
俺は、俺にたどりつけないだけなのだ。
マイナスイオンもへったくれもあるもんか。
ダムの放水に興奮する女がいたぜ。
だがこれはナイアガラだ。
トライアングルだ、
カスタネットだ、
合奏できない、
俺はひとりぼっちですらない。
つまみが切れた。
カマンベールチーズを買いに行こう。
そして熱いお茶を入れるのさ。
午後をみんな潰して、どうしても最後まで読めない小説に、
また挑戦してみよう。









自由詩 ナイアガラへ行って死のう Copyright しゃしゃり 2007-02-10 13:36:34
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