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吸いかけの赤マルを未練なく道に投げ捨てた
入門はマルボロライト
吸い方も知らずただふかしていた
本当に好きな娘が分からず失恋した
そして社会にはむかうように親に反抗した
....
もともと性に合わないんだ
優しくされるのも
穏やかになるのも
まんざらではなかったけれど
もともと性に合わないんだ
じっと見つめてごらん
鉄塔のもっと上
じっと聞 ....
曇り空の晴れた日の夕暮れに、昔からおしゃべり好きな友人が自信たっぷりに言ったことが気になった僕は、土手まで歩いた。
「夕暮れになると魚はいっせいに鳴くんだ」
そいつはアッカンベーが好きだっ ....
おまけみたいな僕は
露店でビールを配る
一杯四〇〇円也
腕に妙な刺青をした
お兄さんに意地でも
売りつけてやろうとするが
睨まれてもごもごする
仕方なしにちょろそうな
カップルにヨイシ ....
寂しさを紛らわすひとり遊びはもう飽きた
飽きたからといって、呼吸は止まらないし
心臓も未だ体中に血液を送り続けている
黒く長い髪は暑さに弱い
それでもいつまでたっても
迎えはこないんです ....
かぼそい声で呼ばれた気がして
ふとたちどまった夕暮れの小道で
蜘蛛の巣の罠にはまった羽虫が食べられていた
逃げ惑う
追い詰める
私は向き直りあるきはじめる
家に帰って牛と野 ....
宝を探しているつもりで
必死で掘っていた穴は
実は自分の墓穴を
掘っていたのだと気付くように
そんな風にして
いろいろなものごとが
終わっていく
いつもの駐輪場の屋根の上で
虎縞が昼寝をしていた
あいつめ、昨日俺の前に来て
にゃあと鳴きやがったが
今日はすやすやか
薄目を開けても
何もやらんぞ
ちんまりと背を向け
弛 ....
この世界には もう
ひとつも乾いた場所など無い と
そんな風に思うほど
360度 水浸しの溢れ出る水槽です。
窓を開けると 外は白い縦線で埋まる巨大な水鏡で
映った私の全身から ....
工場地帯の駐車場に捨てられていた吸殻から
男女のひそやかな絆が曝される。互いにひかれ合う、
男と女の意欲と表象、一度出ると伸び広がりつづける地平線に
偽りの太陽や月が、沈まずに居座っている。何個 ....
穴のあいたナイキをつっかけて
オンボロの自転車にまたがって
BGMは耳元を通り過ぎる風の音
駅までの長い坂道
飲み干すように一気に滑り降り
背中に翼が生えてくるイメージで
そのまま行かせて ....
お昼時の込んだ食堂で
ヒロシ君、と呼べば
3人は振り返る
ヒロシ君はクラスの中に2人はいる
ヒロシ君はテレビの中に5人はいる
ヒロシ君はヒロっちゃんと呼ばれることが多い
らしい ....
交差する車両たちに囲まれて
立ち尽くす
PM7:00
正しい世界が見えるような
そんな気がして
見上げた
低い天井
あの日あこがれた草舟は
ゆっくりゆっくり 沈んで ....
いろいろなことがあった
いや なさすぎた
為すべきことを為し
為すべからざることをも為し
僕の一生は
いよいよ終わりに近づく
考えてみよう
僕が為したことどもを
恥じることはないか ....
埠頭に
群れなす
カモメはすべて
哀しい心のなれの果て
船は今日も出てゆくのだ
海は広いというのに
のぞきこめない
瞳の深さをもって
船は今日も出てゆくのだ
....
すべてのおんなのこは
みんな桃の実のようで
ピンクに染められた指先を
風が撫でてゆくたびに
わけもなく泣きたくなる
真夜中 駅のホームでは
たまにカレーの臭いがする
それは風みたいにすぐに流れて消え去って
僕がもう一度白い息を吐いたときには
その形すら思い出せなかった
そういう夜は電車に揺られながら
....
ハーブの浴槽を
かき混ぜて
えらいねえらいねって
かき混ぜて
わたし、泣いてはいませんでしたか。
いいえ、それでも笑っていたんだと思います。
はらはらとこぼれていくのです。
あの小さ ....
また、ここに夏がやってくる
僕の広げた手のひらの内側
少しうつむきがちな背中にも
広げた葉っぱのトンネル
その先の坂道は空へ消えていく
青い青い夏、遠い遠い世界
少しずつこの街からは何かが ....
梅雨時に降らなかった雨
どこに消えてしまったんだろう
照り付ける太陽から逃げ出した雨
心までからからな気がしてた
仕事なんてできなかった貴方
どこにいってしまったんだろう?
眩しすぎる ....
いかつい アスファルトに
息のように 降り続けていた
電柱の 灯
夜の空に おしかえされた
雨に 流されている
かきん と ついてる
ガラス の 冷たさ
なじまない ....
父と別々の家に住むようになってから
ときどきは会いに行こうと決めていた
小さい頃から
一緒に暮らした記憶などなくて
なのに父は
僕との思い出話を聞かせようとする
うんうんと
僕が ....
毎日毎日
いろんな詩が
生産
されて
目の前を
流れていく
その圧倒的な
物量を
見ているだけで
なんでだろう
訳もなく
メデタイ
気持ちに ....
朝
緑に染まる川沿いを歩く
白い花がいくつも流れている
八高線の高架下
電車が通るたび
元の樹を離れ
降っていたのだった
周りの遊歩道はそこだけが白く
ぽっと明るい
故郷に降る ....
ぶどう電車が
大山崎の天王山を越えると
京都盆地は南西から迎える
ふり零れる時間の光の中で
21世紀の京都に
朝廷はもうないけれど
いつの間にか
ぼくの車両は
烏帽子を被った
....
「あれです」
後ろから指差す声に、「あれ」の方角を見なかった僕。
雨が降り始めて、地下には大きな水溜りが出来た。
粉々になった写真を灰皿に入れた風景。
燃えていく写真は灰になって机に落ちた ....
とどがいます
打ち上げられました
寝ています
どこにも行けません
助けて
なんて頼まない
とどだから
なんだか疲れたので
しばらくここで休みます
ひとりです
ダイヤモンドダスト
....
扇風機のスイッチを入れて
淀んだ空気をかき回すと
少しだけ軽くなったような気がした
このまま回し続ければ飛べるかもしれない
熱帯夜に猫は冷たい感触を求めてアスファルトを転がり
僕は徐々に ....
貴方には幻滅だと僕が憤慨していると
貴方は「君は女に理想を持ちすぎだ」と呆れ顔。
そんなこと言われても
半分下着みたいな格好で胡坐をかいて
タバコ咥えて目の下に隈をつくって、そのうえ徹夜で麻雀 ....
ジャララ
6月の弾力はぼくらを弾ませる水力が
そこらじゅうで揮発する
近すぎる誤解を向日葵の種の側に埋めたりする
ジャララ
太陽の方角を追い続けていくことも
ぼくらには必要なことかもし ....
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