すべてのおすすめ
ななかまどの実は優しい
目覚めるにはまだ早いの、と
種を包んで眠らせる
外は雪、小鳥たちには信号
わたしはここよ
赤く光って合図する
ついばまれる実
やがて種は
生まれた場所を ....
セミの死骸。
セミの死骸。 セミの。
ここにも、死骸。
ここにも、
セミの死骸。
コンビニエンスストア
ファンダメンタル
スピリチュアル
ひよこ饅頭
山本 ....
秩序を作ることはない
世界は
混沌としているのだから
わたしも( )で括って
きれいに
因数分解することはない
上澄みをすくい上げることで
失われてしまうなにか
砂金の粒が沈んで ....
ここはどこかとおもう
そしてすぐに
ここは大地だとおもった
風がふいて
雨がふって
鳥がないて
いきて
いる
奏でる というようなものではない
どこからともなく湧 ....
雷が鳴って
雨がひとしきり降ったら遠足日和
道端の公衆トイレ前
黄色い帽子のリュックサックの群れ
カラフルなお弁当とお弁当とお弁当とおにぎりと水筒と
得意げな顔 ....
あなたを大事に思っている人がいます
あなたを見守っている人がいます
あなたは気づいていないかもしれないけれど
半信半疑や
距離感や
....
捕まえた蝶々を逃がしてやる
ガラクタの中から見つけ出した
君のような美しさを見る
近づいたね
もう戻れないのに
知らないよね
こんな言葉の意味
見苦しいばかりの詩を
不器用な腕 ....
五月の街道だ
ダイエーさんに歩いていた
電信柱に気づいたりしながら
いっぽんいっぽん
それぞれが傾いていたり
平らな先っぽにむかって
細くなっていたり
....
海からやってきたその風は
夏を通り抜けてゆく
海辺の松林をさっと過ぎ
細い坂道を力強く上ってゆく
木造立ての駅が見える
自動販売機で飲み物を買う人に
あいさつをする
言葉は出せないけれど ....
ショパンを弾いて
ノクターン
振り向かないでそのままで
夜をつむいで
夜をつないで
けして何処にも逃げないように
ショパンを弾いて
指先が
わたしを思い出さないように
雨をほどい ....
闇の中で厳かに
点滅を繰り返す
淡い金色の光
甘美な夢は仄か
極寒の海に漂う
藍色の氷山の群れ
現実は冷徹
孤立している魂
不安が彩どる ....
ぼくらはいつか飢えてしまうから、手紙でも交わそう。
どちらが白ヤギでどちらが黒ヤギなのか、はっきりさせようじゃないか。
『きみが白ヤギだ』
『きみが黒ヤギだ』
でもぼくらは読まずにたべ ....
信号が
青になって
恋は
はじまる
青の喜びは
ひとときの
幸せ
やがて
黄色になって
危険信号
赤になって
恋は
終わる
右から
左から
いくつもの
....
.
母が死んだ日の翌朝
わたしはいつもの時間に起きて
いつものようにご飯を食べた
横たわった母の手を
そっと、さわる
(つめたい、手)
(瞼はかたく閉じられていて)
これが ....
あなたの部屋の扉が内側から開かれて
はた、と目が合う
あいさつよりもさきに
わたしを射るように見つめる瞳の
恐怖、という快感
わたしをどうしようっていうの
と声もあげられず
....
さよなら言わずに引っ越した
あの子のおうちのお庭には
たんぽぽみっつ咲いてるの
さよなら言わずにたんぽぽも
綿毛になってとんでくの
僕らが歩く道のなかで
少しの夢を見たって良いじゃない
先がどんな荒波の海かわからないんだから
少しの夢ぐらい構わないでしょ
でも見すぎはしない
自分だって知ってるさ
夢を見すぎ ....
通勤バスの車内
後部座席から眺める
まばらな人々が
眠たげな朝
( 昨晩わたしは、{ルビ尖=とが}った爪を、切っていた。)
人さし指をのばし
四角いボタンを押す
....
骨のことなら知っています
奥深く平面的で
動物的な空が
罪深く走る夜
立てるよ、と勘違いをする男が
束になって走っていました
((はしたなく
((はしたな ....
きみの魚にふれたくて
えら呼吸を切望したら
肺が痛んだ
朝への開口を防ぐように
その
呼吸のひとつ
くちびるを
置いていく
きみの鳥をとびたくて
背中にそらを作ったら
煙に ....
鳥篭に入れられた鳥は
再び大空を飛ぶ事を夢見る
借り物の安全や平穏よりも
自由な世界に憧れる
だけどいつしかち志を失い
逃げ出すことを諦めてしまう
果てしなく広がる空を見つ ....
パパにおねだりして買ってもらった
世界
始めはとても小さくて
なかなか言うことを聞いてくれなかったけど
だんだん躾を覚えてきて
今じゃちゃんと言うことを聞く
あたしが小さな ....
鶯が
桜に色を
わたしています
今日は雨
あなたは
静かに
そういいます
書きかけの手紙
まだ、
ポストへ
出せずにいます
花びらは
雨を乗せて ....
10・19
ある日星が落ちてきて
空は見渡す限り暗闇になった
わたしは世界に散らばった星を
拾い集める旅に出た
モンゴルの高原には
羽の折れた白鳥座が落ちていたが
少年が食べ物を ....
あんたがあたしに言うたこと
お母ちゃんに聞かしたら
そんなん二度と言うたらあかんて言われた
結局どういう意味やったんか分からへんけど
あんたはあたしを侮辱したんやな
それはなんとの ....
あなたに似ている
と。言われたくありませんでした
わたしはわたしに過ぎず
あなたのクローンではないのだから
あなたがいなければ
生を授かることはありませんでした
それだけは否定でき ....
たぐり寄せた糸を
めちゃくちゃに結んで
ほどけなくしたつもりだったけど
あまりにもあっけなかったね
ハサミでぷつんと切られてしまった
縁があったらまた逢いましょう
空虚だ
君は
....
信号の点滅を見るたびに
心のどこかで
何かが点滅している
すぐ後ろに危険が立っているのか
目の前にチャンスが来てくれたのか
私にはわからない
この点滅が消えないこと ....
わたしに 水をあげさせて!
例え それが 他の誰かの鉢植えでも
例え それが 有毒植物でも
例え それが 花の咲かない植物でも
例え それが 水をあげると枯れてしまう植 ....
花薫じる風
春の果肉は発する
ぬくみの芳香は
顔を撫でる
揺れる山肌の草色
白いかげろうは延び
青い遊戯は列をなす
この涅槃の奥底まで
ワルツの舞いは膨らみ
太陽にほ ....
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