すべてのおすすめ
一人で 足を伸ばして
ぼんやりと 考え事をする
お風呂の時間が大好き
でも 貧しい我が家では
気づかないうちに
浴槽の中は 冷めて 妙に寒くなってくる
あなたと一緒に入っていたときは
....
あなたは 若いころ
バラの精気を予見できましたか
血の匂いを嗅ぎわけられましたか
湧き水の澄明度を見極められましたか
ところで いまになって 骨髄から
なにを運び出そうとしているんです ....
一人暮らしの アパートに
大きな箱が とどいたよ
野菜 果物 地場産品
お米 お茶っ葉 お手紙と
意味不明なる ふるさとの
町の指定ゴミ袋
でも なによりも うれしいは
....
2007/05/12
テレビの中にも
イースターエッグが飾られて
西欧の春のお祭りとして
楽しげに語られていて
季節の再生の喜びで
人々は笑顔ではち切れそ ....
神様の形は人と同じ
くびれはあるのかしら
神様にお願いしても
神様自信に無いとねぇ
いつからなんて知らない
気付いた時には
手遅れだったんだもの
いやでも そんなに酷くない ....
見えないとはどういうものか
いや
見れないということに
恐怖を感じるべきだ
ここにいる誰にも問うことが出来
解決には至らない
詩人よ
歌人ではない詩人よ
....
消えてく。
消え行く。
生まれたコトバたちが。
deleteの呪文で。
消えて行く。
消えてく。
消え行く。
消えちゃった。
新しいく生まれる、コト ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
なぜそこに
それがあるのか
自分ではわからない
人に聞いてもわからない
なぜそこに
それがあるのか
調べてみたら
なぜそこに
それがあったのか
謎が一つ増えてゆく
なぜそこ ....
少し離れた
海のようなところを
目覚まし時計がひとつ
泳いで行きます
古い色のバス停で
返却期限の過ぎた図書を
二冊抱えたまま見送る
息継ぎだけが
わたしの動作でした
レイン
あのとき足音にかき消され
君の言葉が聞こえなかった
雨が降る
自由が再び吸い込まれていく
星が湿度を復元する
束の間の動作
長旅を終え
地面に歪んでは消える ....
人は夢を見ます
記憶の整理だとか
願望だとかという噂もあります
それでも夢を見ます
鮮烈に残る夢も
忘れる夢も
この心の目だけは見ています
悲しいこともあるでしょ ....
1
教授の息子は
父親の話す世界を
土を捏ねてひとつずつ作り
アダムやイヴのかわりに
幼いころから憧れていた
ネイティヴの顔を描いた
はるか
はるかの時の後で
ただ
....
嘘は夜につくといいよ
あの人がそう言った
特に夜が深ければ深いほど
真実が闇の中に入り
人間も影に身を潜めて
やがて「嘘」が「本当」になるんだって
今夜はまぶし ....
無理をするなと
無茶をするなと
あれほど言ったというのに
見えるんだ
お前の中
ペンギンが
後頭部をさすってる
偶然にも君と同じこと考えていたから、君が気になったの
そんなことだけど
愛なんて近くにあったのね
ねぇ見てていい?
いいでしょ?
ねぇなんか喋って?
なんでもいいか ....
風景の細胞を
ピンセットでつまんでいく
ひとつずつ
はつかねずみの
白さの雲
実験された
はつかねずみの
電動ではない
ツバメ
電動ではないのに
背中にスイッチ
オン/オ ....
小学校になる前
僕はここで育ったんだ
あれから10数年
すっかりとこの街は高いビルが立ち並び
昔の面影を消そうとしていた
僕の成長に合わせて
町も成長しているのが分 ....
夜の はざま はざまに
夢のうしおが 満たされて
今日という『事実』が
完璧な微笑をたたえて
夜のみぎわが ざわめいた
今日の風はどうだった?
帆船が白い帆をはり・・・
意味は重力だ
イメージは重力を分解したベクトルだ
イメージは拡散してゆく
パラパラ漫画のように
意味に収束されてはなるまいと
今夜のすき焼きの
厚焼き豆腐としら ....
既視感とは記憶の再現のことだ
ぼくらは記憶の再現に癒されるのだ
自分以外のなにものかに癒されるより
ばくらは自分じしんに癒されるべきだ
あの頃を承認するのはぼくらの行為だ
....
春がじかん切れとなり
贅沢な地下鉄のゆれにまかせて
それぞれ 肩から鳥を逃してゆく
そらにまいあがれ、ちぎれないままで
そらを
みじゅくな鳥が
春の隅っこを
ゆっくりと ....
取り違えられた
緑
色の壁
名前を聞かれて
「青」
と答えてしまう
投げた
配水管の中に
あいまいな
猫が
右目がつぶれてしまって
横たわっている
弧を描いたらしい
血が ....
「もう二度とこんな思いはしたくない」
そう思うぐらいつらい出来事でも
「いつかそんなこともあったなあ」
そう思える日が意外と近いことを
僕は知っている
それが ....
蒼穹はさらに深く
眩い雲はほのかに流れ行く
若木の緑をそよがす風は
初夏の薫りを匂わせながら
見晴るかす彼方へ消えて行く
雲のまにまにのぞく{ルビ天色=あまいろ}に
いつか見た白い炎が燃え ....
丘の上で一匹の
蝶を追いかけていたら
普段はだれも寄りつかぬ
樹海の入口に立っていました
樹海の奥から声がして
その声に誘われるように
ついていくと
大きな沼が目のまえに拡がりました
....
リップスティックを欲しがってる
乾いた唇を補いたいんだろ
ペットを欲しがっている
あの憂い無い愛にやられてちまったんだろ
俺のせいじゃない
こんなの俺のせいじゃない
俺たち ....
1
逆光の眼に飛んでくる鳥を、
白い壁のなかに閉じ込めて、
朝食は、きょうも新しい家族を創造した。
晴れた日は、穏やかな口元をしているので、
なみなみと注がれた貯水池を、
....
アングロサクソンの夢が
世界を変えてしまった
“もうしばらく綺麗でいさせてくださいな ”
僕は高度化した資本主義社会の末端で喘ぐ
心に持つ宗教の神様仏様は
名前なんてついてない
エロティッ ....
猫たちが
しっぽを揺らす街道に
昨日の音がゆるりと転がり
厚いお揚げが
二階の子どもたちを誘いだす
握りしめたガラス瓶を放り出し
世界を開く勝手口まで競争した
あの砂利道を覚えている ....
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