夏が押し寄せてきた
ブルーのイメージ
ブルーだけど薄いブルー
暑さだけで考えればレッド
全体的に考えればブルー
夏は海というイメージ
青空というイメージ
ブルーで包まれている
....
夏の宵にサイレン聴いて
なくした痛みを思い出す
一度だけ開いた
僕の羽
飛べるわけでもないのにね
存在証明
頭に浮かんだワード
左 ....
君の耳にだけ寄せる波がある
その波に織り込まれた風を聴きながら
君は眠る
あるいは踊る
フォスフォラスが鏡に映れば
ヘスペラスになり
ヘスペラスが鏡に写れば
フォスフォラ ....
大きく膨らんだ乳房と
細く括れた腰と、
窪んで華奢な股間がある
女の人っていいな、素敵だな
髭も剃らなくていいし、
空しい自慰の後の罪悪感もない
夜な夜なエロ動画を観たり、
裸体を崇 ....
聞いたことがあるような言葉でしか人を誘えず
職業的な結婚、とか思って笑ったり
笑ったりしていると
幸せなの?と寄ってくる人々をひとり残らず張り倒す
池袋と渋谷の人混みの違いについて上手 ....
逃げ出したくて
吐いた嘘を
骨は知らない
抗いたくて
千切った縁を
骨は知らない
痛んで
悦んで
肉がくたびれていくのを
誤魔化して
宥めすかして
心がたるんでい ....
サイダー飲んで涙が出た
耳の不自由な彼は
音が見えた
と 言った
わたしには聞こえただけだった
目の不自由な彼女は
色が薫った
と 言った
わたしには見えただけだった
後ろめたくなかった
....
酷い痛みに涙するこの頃、己ごと荒れ模様となる日々に散々だと愚痴を吐くが改善は見込めぬまま自室は自堕落の様を模している
今はどうだっていい、耳鳴りが酷いのだから気が済むまで夢の中でもう一つの真夜中 ....
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。眩暈。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、その揺らぎをなんども繰りかえす。それは途方もなく長い ....
夜をすぎて混ざりあった
イエローとピンク、
パステルカラーの朝が
たなびく空に滲む
満ちた潮の香りと
膨らんだワンピース
裸足になったキミは、ひとり
貝殻の残骸を数える
砂浜 ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、
なみだ、
かけがえのない、
....
歩んできた日々を
振り返る
一週間前に通り過ぎたばかりの
森の出口で道は消え失せている
歩んできた日々を
振り返る
あなたが遺した道が途切れてから
見知らぬ景色の中を彷徨 ....
サボテンとの別れ
身を切られるような痛み
きみとは何万語のことばを交わし
無言で見つめあったろう
きみはわたしの髭を
わたしはきみの棘を
お互い数え飽きなかった日々が
あえなく終わろ ....
ゆっくり上がって
ゆっくり下りる
破綻のない円を
描き続ける密室の中
あなたと向かい合った
あなたが指差す方向に
ひきつった笑顔を向けながら
まだ信じることが下手だったわ ....
朝から雨
雨はすき間だらけ
貴女へと降りそそぐ雨
雨傘の下の
雨漏り
或る足音を乱す雨
アルコールを和らげ
甘く染まり
悪童に遊ばれる雨
雨に出会うと ....
風景が霞むほどの雨のあと
水たまりには青空が映る
梅雨明けも近い
空を見れば
もう次の雨雲が控えていて
ころころと変わる空模様
そんな空の下を
こどもたちが
笑いながら走ってい ....
光の骨をなぞる指のことを もう思い出せない
言葉を思いかえすほどに
少しずつずれて嘘になってゆく
そのグラデーションをせめて美しく
夕映えに織り込んで
待っているうちに
身体は闇の鱗で ....
いかにもやはらかな
おくるみに包まれ
眠る赤子の真白き静かさ
もう逢わないわ
そう言う女の声音
記憶に深く刻まれた声、
相手を温たかく包み込む
少し低めのトーン帯び
も ....
{引用=たった一杯のカクテルに託した夢物語}{引用=月の流れのように見えたのは
私が酔っていたから
あなた自身の美しさを知らないあなたの
金糸雀の様な笑い声を
頭上高くに聞く}{引用=そのシル ....
{引用=
潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけ ....
(短歌八首)
花が咲き
小鳥が歌う森の奥
そんな嘘だけ酸っぱく聴こえた
生々しい
味するみたいな君の部屋
くつろげるんだ本の匂いが
お日様の
残り香を吸 ....
よく冷えた琥珀のワイン
オイルサーディンで作った
新玉ねぎとトマトのサラダをつまみながら
扇風機で乾かす洗い髪
遅い梅雨の訪れ
濃すぎる緑の広さ
軽い頭痛におそわれ ....
ねえ、聞こえない?
空を見るとき空には全てがあるんだ
空白と、無を抱えて
あなたは、命を手掴みにして、
日陰に入れば、あなたは眠るだけ
それが、あなたの一生の、全て
空と、風と、眠り。
....
また 会いましょう
貴方はそうして立ち去っていきました
それは太陽が空を染め上げる夕暮れの時
それは月も登らない暗闇の時
貴方の姿は天使にも劣らない
純真な瞳はあらゆる悪意を払い除けるこ ....
遠くから笑い声だけ聴こえて来たんだ
(短歌五首)
月を待つ
予定を無かったことにして
鯖寿司を食べ眺める夕焼け
紙芝居
みたのはちいさな会所での
一度だ ....
旅立ちの朝
部屋が狭く感じる
キッチンテーブルに朝食
元気でね。仕事に行ってきます。と
母の書き置き
父の形見のシビックで裏通りを抜け
橋を渡り街を出る
ロサリオパークに車を停め ....
挙動不審でも怯えていたわけでもない
ただ少しだけ、自分自身から離脱したような感覚があっただけだ
道を歩いていたら、おばさんに声をかけられた、どこの方?
僕は、なぜ、人に声をかけられると、妙に ....
あの時の面白くないあの映画自分の中で花開かない
恋愛の映画とドラマ好きで見る現実離れした世界観
朗読の上手いあなたは読書好き臨場感を高める方法
芝居見る舞台の上で繰り広げられる恋愛模 ....
行っても何もないだろうと考え
また海に来た
あかるい水平線が拡がって見えたが
写真を一枚も撮らなかった
そんな今の、何もない自分
疾駆するボートに繋がれたロープが
人の群 ....
1 2 3