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白い壁しかみえなかった
蒼ざめた心の時代
なにもかもに手が届かず
なにもかもをいらないと口笛吹いてた
夜よりも明るい闇が
家の池に一本咲いたとき
夜よりもさみ ....
求めるのは
焼き切れるほどのあからさまな声
まるで遠吠えのような
少し新しい傷の痛み
なにも考えられない
楽しさのなかの
水色の空の下
なにかに中継されているの ....
(短歌八首)
花が咲き
小鳥が歌う森の奥
そんな嘘だけ酸っぱく聴こえた
生々しい
味するみたいな君の部屋
くつろげるんだ本の匂いが
お日様の
残り香を吸 ....
遠くから笑い声だけ聴こえて来たんだ
(短歌五首)
月を待つ
予定を無かったことにして
鯖寿司を食べ眺める夕焼け
紙芝居
みたのはちいさな会所での
一度だ ....
よく晴れて
風の無い日は
気温が高くなるという意味を知った朝のこと
いつまでも中空を舞いながら
夏色の真実として神さまに植えられている
緑の覆う野山の草花の繁栄を
このかたくな ....
風が吹く
青葉の音を聴く白昼
眩しさに負け目を瞑りつつ
海峡へ
飛ぶ蝶々が群れ舞って
螺旋の時間がぐるぐる回って
メロメロに
なりたい夜は懐かし ....
紫色の
声が出なくなったのは、
冷気に触れた安らかな眠り薬の価値を
あらためて知ってしまって苦しんで
その罰に身を委ねてしまいたくなった
あのとき突然に、だ。
胸の中 ....