シャッターのおりた憂楽街
眠りに落ちた改札口
プラットフォームの底
沈んだレールから
明日が聴こえますように
◯おぼろん……
おはようございます。今日は雨模様のようです。ちょっとまた投稿制限のようで、今日明日くらい、投稿できないかもしれません。あと一、二回で終わりますから、先にすませてしまいますけれど… ....
夜がガラスのように
砕けた朝に
散らばる夢の欠片
止まらない時計の針は
呪われたように
勢いよく回り出す
乗らない気分が
脈を締めつける
手足に冷たい鉄の鎖
苦しさのため息
無理や ....
薔薇よ薔薇 美しき棘に刺されたし
ゆれている
ふるえて
にじみ
じわりしずまり
ひょいとまた
ふるえあらわれ
ゆらゆらら
ゆらゆらするの
ひびきのたゆたい
のびやかたましい
どこへどこから
のんびりのびのび
....
あたらしい皮膚に着替えて金曜日
胸ポケットにきれはしの恋
痛いのは気のせいですよと君が言う
だけどあなたも血だらけですよ
この夢はここでおわりと書いてある
字が読めないから先へ進 ....
入江の向こうに
黒い影が浮かんでは消える
波の音を奏でる
音符のように
埋まらないパズルのような曲線を描いて
この場所を離れないものがあることを
僕はくりかえし
思い出していた
竹輪の穴からのぞく夕焼け
ひこうきの夏空よこぎる 今日も晴れ
嗚呼もう
愛してる
阿吽の息
逢えたね
青い鳥も
赤くなる
飽きたら
悪夢見て
明け方に
憧れたの
朝日の方
足を向け
明日から
汗かいて
遊びたい
あたしは
あちこち ....
白い壁しかみえなかった
蒼ざめた心の時代
なにもかもに手が届かず
なにもかもをいらないと口笛吹いてた
夜よりも明るい闇が
家の池に一本咲いたとき
夜よりもさみ ....
春の海 糸垂らし釣る {ルビ夢見魚=ゆめかさご}
春の海 {ルビ転寝=うたたね}で釣る {ルビ夢見魚=ゆめかさご}
求めるのは
焼き切れるほどのあからさまな声
まるで遠吠えのような
少し新しい傷の痛み
なにも考えられない
楽しさのなかの
水色の空の下
なにかに中継されているの ....
見上げた頭上に
小さくなった飛行機
あんなとこにいるんだなぁ
人間をたくさん乗せた鋼のかたまり
すごいなぁ
そん中にあの人はいるんだなぁ
小さな足の裏が見えそ ....
ふわっと蒸しタオルで顔を包まれる安心感
顔を包むホイップクリーム
束の間の緩みから転落するように
カミソリが肌を滑るスリル
リラックスがこそげ落とされ
たらればが緊急に緊張を引き出し
背骨 ....
極夜にひとり読む活字は文明のかすかな点滅
ため息の数だけ星が墜ちてくる
見上げた夜の鮮やかな闇
熱が出て
どうしようもできなくなって寝込む
苦手な液体の薬を
私に無理矢理呑ませ
みかんをてんこ盛りにして
始終世話を焼いてくれた
いつもは私に強く出れない ....
哲学の2段3段の散歩道
吹きすさぶ砂嵐手で払い逃げ
尊重の方なきほうへ我が心
お逃げとも食うとも言わず肉食竜
吊り下がる窓の破片の雨滴です
赤ポスト差し出す隣の常連さん
....
恥ずかしくらい若かった
初秋の街角から立ち込める金木犀の香り
今でもその匂いを求めてさまようことがある
その、樹木のある家を見たこともなく
たぶん老人が住んでいたのであろうか
おそらく猫もい ....
静かな朝
君はチューリップを活ける
春の心臓を器として
脈打つ器の中で
朝の光を溜めてゆくチューリップ
を見ている君
を見ている僕
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく
ご飯の一粒は小さいけれど
....
降るひらは
何も想ってないのかもしれない
舞うひらも
はせる思いは重いだけよと
愉しませ哀しませ
ことばのない、季節空間
散るひらが
揺り動かすのは勝手な
人のつくった情動、記憶、 ....
月明かり
その灯りのもと
読み耽りたいのは
ラブレター
夕方まで盛んに降りしきっていた吹雪。部屋の床の上に転がっている、くしゃくしゃに丸められた、クズカゴの縁に跳ね返ってしまった。いくつもの紙クズ。それらに混じって、いつもよりもすこし早めに破り捨てた、今日 ....
夜の舟
櫂はいらない
ゆられているのは
こころのありか
星くずは
あかるく燃えながら
一瞬で消えてしまった
とても遠い闇が
触れるほど近くに落ちてくる
ここは宇宙の湊
願い ....
真夜中
ベランダに出て
こっそり小さな松の焚き火を作った
哀しいのか
ほっとしたのか分からない
いっそ雨が降ったら良かったのに
ひとり歩いて行く細い小路
遠くに雲を戴 ....
星降る夜に
思い出になったはずの
記憶がよみがえる
後悔というよりも
自分の情けなさをかみしめる
あの時電話をしておけば
いつもと変わらない君の笑 ....
昨日、みぞれ交じりの雨が終日降り続き、積った湿雪はさらに重く
あたりを一面の白さに塗しつけている
どこからともなく、なけなしの高揚した気持ちが芽吹いてしまい
はずかしいくらいの言葉を書きなぐ ....
マガモがシベリアからやってきてはにぎやかに鳴いている
人造湖に多くの渡り鳥達が群れていた
赤い大きな橋のたもとにあった古い山小屋旅館は解体されて
長い年月に蓋がされた
昨日今日、ほぼ今年最 ....
1 2 3