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 寝酒舐め
 見上げる星すら雲隠れ 
 胸深く 影流れしも
 抱く憧憬、あなたの詩心
 あした顕る月であればと乞ひ願ふ
 玉ねぎを薄切りにする
 辛さと
 人参を薄くそぐ
 暖かい朱色と
 さやえんどうを茹でて塩をかける
 平和さに

 じぶんの後姿をみたいと希う

 鍋に湯がたぎる
 湯気の中 ....
 散りおちて

 生垣の茂みに燃ゆる 花びらは、

 貴方への想いを馳せてピンク色

 今日歩む 暗き小径の

 竹灯篭
 ちょっと気鬱な
 月曜日
 交差点に
 今朝は飛んで来てくれた
 白い息吐く
 羽黒蜻蛉

 その引き締まった脚線は
 二対の翅、
 着膨れする ときわ木の
 林を抜けて
 見 ....
 カーテン開ける
 東の窓辺は柔らかな
 柳の芽吹き おもわす光

 三度目に
 鳴っていた携帯のアラーム消して
 私を 執拗に抱きしめるコットン毛布から
 這い出してきた脳みそが
  ....
 
 山茶花の
 散り染めし途、
 花片もえたち
 明るさ投げかけるのは
 心の所為
 
 夜のしげみに
 いく重にも
 折り畳む 
 紅を、抱いて目映いのは
 心の所為

 ....
 
 陽 翳り
 枯れいろの
 シロツメクサも凍てつく風に
 負けじと見ゆる 
 ふくら雀の いとおしさ
 老朽化した打掛け錠


 内側のかんぬきに触れると

 掌の 熱を奪い取り

 回転させたら 重く開いた、

 銅錆の大きな門


 ×××


 そこは トゥオネラの ....
 石灯籠に赤椿
 民家の門前、紐で繋がれ
 うずくまる
 白黒猫は どこか
 浮世絵見る様な

 冬日和
 濃いグリーンの目を細め
 通りゆく人
 ながめて過ごす
 今朝は見ら ....
 
 うつくしい
 目に見えぬ砂ぼこりに 
 高い樹々が 小さな流れを抱いて茂り

 不思議な程 ぼうっと目蓋に映る
 咲きもしない白い小花
 
 伊吹の頂に残る雪
 田圃はまだ す ....
 ツクツク 
 ツクツク
 ピーヨ ピーヨ

 それが貴女の
 独り言 だったのかもしれない
 と、今になれば思うのです

 病院から外泊すると
 東の窓際で
 黙って 鳥かご ....
 畔のみちを濡れながら
 駈けて行く少年が
 不意に 透明になってしまった

 もう同じ姿では帰ってくるまい

 寂しさが静かに
 胸を浸してゆく時がある
 貴方と再び相逢う日のない事 ....
 濡れ伏して
 夕闇の 湖面に一艘
 舟影とおく
 浮夜で だれぞ、
 釣り糸垂れん
 
 
 
 凍窓に 
 陽、昇りし今朝の
 比良を見ゆれば
 お引摺りの花嫁御寮
 おもわせる
 
 からし酢味噌のお浸しに
 しようと買った
 菜花の 蕾、
 キッチンの隅
 春灯る
 スーパーの食品売場
 高らかと流れ始める
 映画『ロッキー』のテーマソング

 バックヤードから颯爽と登場する
 二人一組で値下げシール貼り回るアルバイト達
 曲がサビの旋律になれば ....
 雑然とした卓に
 ちょっと戯れに挿した
 寒椿の 紅い沈まり

 眠れないのです

 時は重たいものですね
 全て寝静まっているのに
 音があるのです

 秒針が刻む
 藍 ....
 三分咲の桜が好き
 と云う私に
 葉桜が一番好き
 と 笑った彼女

 「なんで?」
 ほのぼの香る色にも
 一閃の青をみる
 硬質感ただよう清らかさ

 結婚前の彼女は答える
 ....
   
   「心」

 生命の底にあるのが
 わたし
 野を吹く風にさからって
 歩いていると
 影絵のようにみえてくる
 



   「大衆食堂」

 店の母さん 常 ....
  「独白」


 霜の立つ
 音のきこえそうな 
 夜に一人で居る時は
 吐息など捨てようと
 幾度 思った事か


  「街の鴨」


 商業施設の脇を流れる
 堂の川 ....
 イノチガ フト
 オモタクテ
 窓ヲ アケルト

 ヒトツ フタツ ミッツ
 カゾエテミタラ
 ココロガ カルクナッタ

 アカイノ 
 ホントニ アカイノ
 イマニ コガラシガ ....
 ストリートサックスに聴き惚れて

 いつになく

 今夜は涙もろくなっちゃった

 帰ったら よっぱらって

 ねむっちゃおう
 桐の葉に 雨が降れば

 涙なく 声なく 
 唯一人
 流るる窓の滴に心あてなく さまよい出でる

 あなたが何処に居ようと
 わたしが何処に居ようと
 生命だけしか上げるものが ....
    「今日」



   足許が 冷たい

   濡れた路面に浸む夜の訪れ
 
    こんな日も

    あるのか

   早く帰って お風呂にでも入ろう。


 ....
 すすきの穂が暮れ終わって
 秋が もはや殆んどない

 御寺の緑に
 ふとこぼした涙は何処へ行ったのか
 荒々しい血汐のざわめきが
 遠い日のことであったと
 気附いたのか
 一 ....
 
 リビングで 朝
 外の光がもれこんでいる廊下の床に驚いた

 玄関が 開いているのだ

 シルエットの人影
 何故だかすぐに 母だと分かった
 どうして 敷居を跨がないの?
  ....
 ものうい口づけの時
 真昼のカーテンが そっと身をよじらせ
 触れ合った歯の小さな音をも
 ききのがさない

 ある時
 生命を捜し求め
 悲しい広さを見い出した
 貞操を否定す ....
 栗の焼けるにおい
 私が一人 歩いている街中に
 ほろ苦く
 かさかさと
 音を立てて秋が 散る

 雑踏をさまよいながら
 ほのぼのと胸うずめるなつかしい思いが
 何と暖か ....
 或る 雨の朝

 しぶきに打たれる鋪道の

 流れる水の勢いを 感じながら

 あなたを久しぶりに思った


  夏の始めの山は緑だから

  美しいし

  君は 緑の年 ....
 貴方と逢っての帰り
 雨雲が 電車を追うその先
 西山へ落ちかけた陽が鮮やかに薄紅で 
 大きい


  稲の穂先に むせながら
  田の中を歩き
  やがて深い竹林に入った時
 ....
朧月夜さんのリリーさんおすすめリスト(139)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
五行歌_一首「新月」- リリー自由詩5*24-2-5
後姿- リリー自由詩5*24-2-5
五行歌_サザンカ- リリー自由詩5*24-2-2
黒トンボ_[まち角30]- リリー自由詩7*24-1-30
朝暘- リリー自由詩10*24-1-27
五行歌_抜け道- リリー自由詩6*24-1-27
五行歌_空地- リリー自由詩4+*24-1-24
夢の入り口- リリー自由詩5*24-1-18
五行歌_銀ちゃん- リリー自由詩7*24-1-18
橙色のセーター- リリー自由詩4*24-1-17
独り言- リリー自由詩9*24-1-14
冬の日- リリー自由詩8*24-1-14
五行歌_一首「釣り人」- リリー自由詩6*24-1-10
五行歌_一首「雪化粧」- リリー自由詩6*24-1-9
五行歌_一首「小さな黄色」- リリー自由詩6*24-1-4
おつかいじいちゃん[まち角29]- リリー自由詩5*23-12-20
アンニュイ- リリー自由詩12*23-12-19
さくら- リリー自由詩8*23-11-26
五行歌_二首- リリー自由詩8*23-11-24
五行歌_二首- リリー自由詩9*23-11-21
熟柿- リリー自由詩10*23-11-7
五行歌_一首「光芒」- リリー自由詩3*23-11-5
窓辺- リリー自由詩7*23-10-29
初めての五行詩_(二作)- リリー自由詩9*23-10-28
涙の行方- リリー自由詩4*23-10-25
玄関- リリー自由詩5*23-10-22
夾竹桃- リリー自由詩6*23-10-21
秋冬- リリー自由詩5*23-10-15
雨の朝- リリー自由詩10*23-10-14
夕陽- リリー自由詩5*23-10-13

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