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 高架橋の手前で母子とすれ違う
 歩道へ吹き出してくる走行車の反響音
 二車線道路が湖岸の県道まで下っていた

 すれ違った時
 赤子はカラフルな膝掛けに包まれていた
 ちょこっとだけ小首 ....
 その日の空は画用紙に、水彩絵の具の青を薄めに溶いてから
 ほんの少し白を混ぜて丁寧に塗った様な色だった。
 山裾を走る県道の側に建つ総合病院で、予約の外来診療を終えた僕は
 急な傾斜が緩やかに ....
 川縁に一人立っていると
 背後を笑い声やら靴音がぞめき行く
 銀閣寺道

 並木続く小径に沿って
 川幅いっぱいを埋め尽くす淡い色
 水嵩を調節する一枚板で堰き止められた花片が
  ....
 週の半ばは通勤花見
 夕空に 陽のうたっている
 調調と 高く
 時に柔らかく触れて
 ずっと 長く

 昨日もそこに
 陽はうたっていたのだ
 ソメイヨシノの薫り優しく
 甘 ....
 季節風が未練がましく吹きつのり
 北野天満宮の梅苑に白梅が咲き始めた
 春が来るのか

 昨日よりは
 今日よりは
 明日よりは
 理想の 胸に馳せめぐり浄らかな人生を
 描いて ....
 花の時期を過ぎれば気にも止めないでいた
 児童公園の隅にある
 赤茶けて錆びた鉄の 大きな藤棚

 敷かれた石畳に 風雨で変色したコンクリートの
 ベンチ三脚
 ちいさな葉が滴り落ちる  ....
 先週は半袖でいられたのに急に
 風の冷たくなって
 靴下も履いていない あの子は
 三ヶ月くらいだろう

 膝でリズム取る
 まだ若い男
 の揺かごに ぷらんぷらん
 あの子のあんよ ....
 小路を下り来た足が
 民家の庭先にある酔芙蓉の木に
 止まってしまいます
 日差しを浴びる幾つもの
 いくつもの花を
 見てしまう
 どれもがすっかり
 酔い心地
 
 木は通 ....
 机の上で
 アレはこうして
 コレはああして
 この角度は写りがよくて
 ここにはフタをして

 ああ、貴男は
 いつもいつもそうだった
 かっこよく 生きたいのですね
 その ....
 会社の正門を出ると横断歩道を渡って右折する
 そこに
 名前も知らない神社がある

 給料日に銀行へ寄る時だけ利用するようになった
 神社の境内のわき道
 一人通れる足幅の草だけが禿げて ....
 ロレツの回らぬほど酔った男が
 何度も同じ事を怒鳴りながら
 女に絡みついている

 能面の様に 厚ぼったい女の顔は
 何の感動も示さず
 唯 その口だけが別の生き物のように笑ってい ....
 どんなに望んでみても
 あの懐かしい潮風の吹く
 岬まで
 翔べるカモメには
 出逢えません

 京の都で鴨川に
 架かる橋桁くぐり抜け
 川縁を舞う
 ゆりかもめ見て思います ....
 月がゆらりと舞い上った

 色染める今宵十六夜の月

 東山に
 恋をしたのか

 傾いてゆうらりと動き出す

 あてどなく ああ
 僕の月よ何処へ

 さまよいゆくのか ....
 湯豆腐の店が恋しくて
 南禅寺に出かけてみた
 松の葉に
 雪の子が降る
 池にも雪の子が降る

 戸をかたく閉じる
 まちの白い舗道に降る

 車の走行音にも降る

 誇 ....
 カップ麺に熱湯注いで待つあなたの
 お耳を拝借できますのなら
 こそっと お話してみたい

 京都駅から地下鉄に乗り四条駅で降りて
 阪急電車に乗り換えます
 地下鉄の改札を出た駅構内に ....
 花を生けずに
 花瓶に水をはる

 絵を入れずに
 額ぶちを吊る

 そうして

 北向きの六畳間の窓を開け
 風だけを 入れる

 雪光る 比良の山稜と
 湖の流波に
  ....
 晩の嵐の止んだ朝
 どっぷり濡れた
 舗装道路を進み行く

 街路樹の折れた枝が煉瓦の上に
 太さのちがう枝を見る
 散り落ちた若葉が煉瓦の上に
 柔らかな緑は目に強く
 レンガ色と ....
 肌を刺す 比叡おろしの朝の道
   猫と会釈し駅はもうすぐ
 僕の瞳にはオレンジだけど
 君の目には何色なのか

 そよぐオレンジの群れに
 君はお尻を向けて移動中
 ちょうど僕の胸の高さに居て
 翅を広げる
 胸部と腹部の背中がはっきり
 見 ....
 ラッシュアワーを過ぎて車輌には
 まばらな乗客
 停車したその駅では誰も席を立たない

 低い土手が迫る人影ないホーム
 竹の混ざった雑木が金網で仕切られていて
 絶え間無し 葉を落とし ....
 暖簾のむこうに彼がいて
 いつも私を待っててくれた
 あの頃
 
 石鹸の匂いするあなた
 寄り添って
 絡める腕のまだ熱る
 そうやって
 歩いた夜道の風を覚えてる

 洗い髪 ....
朧月夜さんのリリーさんおすすめリスト(141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
高架鉄道- リリー自由詩7+*23-4-3
白椿- リリー自由詩9*23-4-2
白い川- リリー自由詩8*23-3-30
春の連弾- リリー自由詩4*23-3-29
小さな女- リリー自由詩8*23-3-28
風のいろ- リリー自由詩6*23-3-26
あの子- リリー自由詩4*23-3-25
積雲- リリー自由詩3*23-3-21
独白- リリー自由詩6*23-3-18
三度目の小径- リリー自由詩5*23-3-1
木屋町にて- リリー自由詩4*23-2-25
- リリー自由詩4*23-2-21
片恋- リリー自由詩4*23-2-14
氷雨- リリー自由詩5*23-2-11
ある幻影- リリー自由詩10*23-2-4
モノローグ- リリー自由詩4*23-2-3
レンガ道- リリー自由詩6*23-2-1
雪舞- リリー短歌4*23-1-31
君の宇宙(そら)- リリー自由詩13*23-1-28
曇天- リリー自由詩8*23-1-24
弥生湯- リリー自由詩4*23-1-21

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