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電車に乗ると自宅の電気が消えた
おかしいなと思い電車を降りて電気をつける
大丈夫そうなので再び電車に乗る
今度は台所の水が止まらなくなってしまい
電車を降りる
蛇口を逆にひねると水は止まり改 ....
手をと、指をと、爪をと、
下弦の、琵琶の、定めの、
触れ合う、意識の、明証は、
我になく、汝にもなく、
流れゆく、雲にさへ、なく、
今しがた、潰した、蜘蛛の、
....
海の部品が落ちていた
大事な部品を落として
海は今頃
どこで凪いでいるのだろう
行方を捜すにしても
持っている地図は改訂前のものだし
海に関係する友達も
親戚ももういない
海を作っ ....
思考する
宇宙の糸を
一本借りては
掴まり
ふわふわふわふわ
揺れ踊る
わたしのなかをながれ
静かな時流の奥へ奥へ
少しずつ速度を上げ
着実に遡行しながら
来るもの来るもの
....
かしこまりました。
上司に電話で確認させて頂きたいと思いますので、少々お待ち下さい。
午後5時43分四十秒をお知らせします。
お疲れ様です。
午後5時43分50秒をお知らせしま ....
ね!
ね?じゃなしにハテナ寄りの「ね!」
わけわからんこと言ってても
ね!
て、つけたらリズムが生まれる。
不思議よね。
ね!
さて、秋か
そろそろ秋か
まだ夏か、と
迷う、日に
レモンが採れた、と
走る声あり、爽やかな
気配に夏が背を向けて
すれ違いに部屋を
出て行きました
まだそこかしこにいる
....
いたずらめ
げんこつとんできて
くわえたばこだ
おとうちゃんのたこ
ふといあしいとぐいっとひくと
どこまでものぼった
ぎんがのうでに
まーじゃんぱいがぐるぐるまわる
よるになる ....
しゅるりんしゅるりん吹く風に
かんかんかんかん鳴る踏み切り
急がず慌てず立ち止まれば
秋晴れの空、圧倒的に
降って来る青、降って来る青
生きて初めて開ける光景を
次々と開けるこの現実を ....
苦労に苦労を重ねて
塗りつぶされた日々
でも塗りつぶしたから
白い文字がかける
ふつうと違う台紙に
なっている
私だってその若さを羨ましがられた
時代がちゃんとありました
今でこそ
冴えないお爺ちゃんですが
二十歳頃は
冴えないお兄ちゃんだったんです
残念ながら
冴えないだけは共通してたん ....
雨の一滴が右手の甲に 落ちた
ズシリと 重たかった
ミシリと 胸の空洞が鳴った
私は慌てて滴を振るい落とした
軋む胸が一瞬、
張り裂けそうになって
この子を一緒に授かる
相手と出会うことができた
何度も恋を失ってきたのは
そのためだった
この子が生まれる時まで
生き延びることができた
何度も存在を否定されたのは
危険な道を避ける ....
秋が廻ってきた。
炊事をする兄の掌が楓になる。
母の一年忌ももうすぐ。
恋割れた 悲しい夜は
ひとふたり つみによごす
このむねの 黒さがいやで
牛乳を むねにこぼすの
牛乳を よるのむからさ
かまわずに 消えてほしいの
かいわない 冬の静か ....
鳩が歩く
平和を探し
鳩がついばむ
平和を整え
鳩が近づく
平和を確かめ
そんなこと
歯牙にもかけない
人間だから
安心かもね
鳩はさまよう
平和をさまよう
....
玄関の前で斜めになってカメムシが死んでる
斜めになって題名を叫んでいる
詩は叫ぶものとは
言いたかぁないが
耳に突き刺さる
詩は突き刺さるものとは
言いたかぁないか
聞こえるものは
し ....
海と空をうつした写真を逆さにすると
水の球がみえてくる
全ての検札がこれで済めばいい
非常階段の裏を踏んで
ただひたすら空へ
かけ降りていきたい時がある
夜に
仔猫が出没しなくなって
2週間?
虫の声が聴こえはじめて
1ヶ月?
新しい時代になって
6ヶ月?
私うまれて
何十年?
秋は、紅葉
秋は、満月
秋は、いろんな欲 ....
死んでしまいたいと思うことは多々ある。
わたしが今住んでいるアパートのベランダからは、
オベリスクのような細いビルが見える。
わたしはその細いビルをわたしの墓標だと思っている。
その細いビルを ....
終わりが見えている
絶望的な恋
聞けない声を思い出しながら
忙しくても
疲れていても
あなたに会いたい
朝晩、冷えてきたから
余計に恋しい
さみしい
バカみたいにいい歳し ....
ください、と言えなくて
くれませんか、と聞いてしまった
人々の影は長く伸びているが
わたしに重なるものはひとつもない
教室で見ていた後ろ姿に
胸騒ぎに襲われていた
あのころ あの人に
バスを待つ僅かな時間にも
足音に心が揺れた
季節は入れ替わり
出会いの春 別れの ....
おばあちゃんうんこ坊やはうんちしてこよっとと言ったのに
やっぱりおしっこにしたっちと言いながら帰ってきました
うんこ坊やはうんちをしようとするおばあちゃんうんこ坊やと
おしっこをするおばあちゃん ....
うどんの右端を箸でつまんだ
と言い張る人がおり
私はうどんの左端をつまんだ
と言い張る人がおり
うどんに右も左もないと
言い張る人もおり
みんな一様にうどんを食ってる
アルバイト先の男子トイレで
チーフが手を洗わないで
出て行こうとしたので呼び止めたら
あぁ、おれのちんこキレイだから
手を洗ってからおしっこするからね
汚れた手でさぁ
大事なちんこ触る ....
オトコと
一緒に暮らすというのは
お店で気に入った扇風機が
部屋では音がうるさくて
風量調節がいまひとつ
という感じかな
まぁ距離を保てば使えるしね
オンナと
一緒に暮らすというの ....
春の桜が
切手になる前に
思いを届ける
言葉を探して
生きることは
きっと寂しいけれど
ひとつの季節が
終わろうとする
この行間に
愛を埋めたい
プリーツスカートの ....
軒先に脱いだ靴が消えた
会社にばかり通ってる靴だから
会社に向かったのかもしれない
いや、しかし、通勤電車に嫌気が
さして旅に出たのかもしれない
文なしの旅先で困ってやしないか
いやいや、 ....
今晩はメンチカツとかぼちゃの煮物
腎臓の弱いあなたのために
塩分に気をつかって調理した
いつかのメンチカツとかぼちゃの煮物
思いっきり味の濃い
今晩のメンチカツとかぼちゃの煮物
....
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