旅先で地元の友と会い
焼き鳥屋にて
杯を交わす夜
こうしてサシで話さないと
知らなかったこともある
僕の知らないところで
辛かったね
痛んでいたね
友達なのに気づくの遅くて ....
仰ぐ
高曇りの冬空を
透き通っていきながら
仰ぐ
人差し指を立て
天から降り立つ冷気をかき混ぜ
)わたしの肉身から
)欲望溢れ零れ落ち
)ふるふる震えて
)大地に帰る
仰ぐ ....
毎朝、小さなお守りを一つ握って家を出る。
それは例えば、食パンの留め具だったりとか。
混ざり合ったミルク
舌の上で踊って
僕を連れていく
真っ白い夢へと
あと5分だけ此処に居よう
時間がきたら
時に追われる者として
世間に溶け込むんだ
そうして僕は生きていく
....
死ぬまでに全てを抹消してしまおうと
無駄に生きていても天球は確実に回転して
とても言葉が軽い時に
やっぱり訃報と交換なのだが
Resetすることを恐れてはならないと想う
リセットで救 ....
サーカスとは
ライフル銃の回転もなく
ただ無防備に
悲しみの心が
ただこのサーカスに舞うころ
流されている
こころぼそさが
ふたりの身体をひとつに溶かすけれど
そのと ....
無私の愛が
人の魂の病を癒し
肉の病すら和らげる
冷える夜陰の静謐に
天使たちは降りて来るのだろうか
自愛に充ち病んで倒れる己の許に
あの遠い日の海の夜明け
靄と波の戯れに 無音 ....
野菜の値段を知るということ。
そういう所から生活は生まれるよ。
おにぎり、アイス、髭剃り、雑誌
主張する商品を
棚やクーラーボックスに戦略的に
導線を確保しつつ陳列すれば
商品は全て没個性的になる
並べられることでツヤ消しされる
様々な商品が一つの場所 ....
いつまでも、眠っていたい
冬の朝のことです
じぶんから逃げ出した
ふりつもる悲しみから、
追いつめられた仔犬でさえ
それでも牙を剥き
過去と戦おうとしますが、
....
む おん
移動していくモノの影
独り在る茫漠の床で
眠りの底から掻き分け掻き分け
異界の異様な感触を
意識の触手、体に刻む
ム オン
夜陰にひっそり回帰し
....
牛と豚の合挽き肉に玉葱の微塵切り
塩とブラックペッパーを適量 それにナツメックも適量
トマトケチャップと鶏卵を加えパン粉を入れる
それらの食材を手で混ぜて捏ねる
そのなかにどうやったら
....
まっくらな
無臭のまなこに火がともり
京の都に棄てる片恋
起き出すと
地の街あかりと天の星
君とシャワーと鏡とパジャマと
橋の上
届かない未来の水平線
眺め ....
いい歳をしてなんですけれど
だれかに抱きしめられたいと
想ったことはありませんか
もちろんだれでもいいって訣じゃないですよ
ほんの少し心の体温が伝わってくる女性(ひと)に
悲しいときも淋 ....
口笛の奏で、目覚めてこの夜
澄んで響く何処から
明るい旋律音色のループ
微妙に低く高く震え魅惑の相
聴き入るうちに潮騒磯の香
漂いザワメキ布団が波打つ
扉開いて弓形の白浜
広 ....
毎日をうしろめたい気持ちで生きている。
こめかみを動かしてパンばかり食べている。
千葉駅から外房線に乗り南下して
稚内に向かう
どんなに行っても沿線に稚内はない
外房とはそういうところ
風が吹いている
都会なのに美しいジャングルがある
それが稚内
珍し ....
リセットをしたくて熱いシャワー浴びても
鏡に映った私はまだだめだ
シャワーを浴びればリセットできると
信じていられたどんなに不運な一日だって
どんなに悲しい夜でさえ
涙を流さ ....
キスをしてはだめ
罪が感染しちゃうから
もちろん君が聞く耳持たないのは
計算済みなんだけどね
どうせ世界は疫病の箱庭で
アタシたちは肩をすくめるしかない
堕落と背徳の口実に満ちた黄昏に ....
その呪いの
暗い
ほんとうをしっている
赤い血のゆめを吸い込んだ少女
街をさまよう顔のない亡霊
聴こえない声が
君の名をよぶ気がする
しろくつめたいガードレールは
....
夜の時間が留まっている
静かに此処に留まっている
朝から昼へ、昼から夜へと
一直線に過ぎながら
今、夜陰へと差し掛かり
静かに此処に留まっている
やがて時間は柔らかに
未来から流れ込 ....
夕日は海の底で
赤いイヤリングになる
人魚がクラゲに
似合うかしらと聞く
誰かに見て欲しい
波を超えると妖精になり
星の浜を飛んでいった
裸の妖精は恥ずかしくて
森のド ....
天井から悪口が聴こえる
部屋の壁に人の眼がひそんでいて
たえず見られている
などと口にした
彼女の精神は破綻している
のかな
比べて
彼はその経済が破綻しかけていた
....
私たちは夜道を歩いてる
月明かりを頼りに
遠い世界から雷雨がやってきて
私の両耳をあなたが両手で塞いでくれる
夜中に目が覚める
部屋の中で風が吹いてる
私の髪はまだ濡れていて
....
なんねんぶりかに
積もって雪は
街を無音の
影絵に変えた
車は止まって
どこにも着かない
なにもできない
朝から晩まで
追おうとしたけど
届かなかった
それもまたいい
それも ....
これまでに余りに
多くの音楽を聴いてきたせいだろうか
ふっと頭に突然メロディが流れてくることもあれば
TVを観ていてCMや番組の曲が思い出せないことがある
脳にメロディが張りついた感覚だと言え ....
今日もひとり閉じこもっている
自らが作った箱の中
周りに合わせて作ったから
私には少し窮屈で
歪な形が胸を圧迫する
こんなにも隙間は空いているのに
穴から覗く外の世界は
みな ....
夜は暗い
暗いから
星が眺められる
僕の声の金属的なノイズでは
星を表現することなどできない
無残な
夜
ふと新しい湖の夢を見る
その湖畔に咲いた
可愛い ....
落ち葉を探して、歩いて行こう。落ち葉は桜が良い。桜の落ち葉は、花よりも美しい。落ち葉を探して歩いて行きましょう。希望は常に彼方にある。遠くにある虹が大きく、近くにある虹は小さいように、希望はいつでも ....
どうしてそんなに一番になりたいの?
映画館の一番前の席は、首が痛くなるだけだよ。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10