ぼくは雨になれるのかな
晴れになれるのかな
曇りになれるのかな

花を咲かすことができるのかな
実を結ぶことができるのかな

部屋の隅に蹲り
未来予想図をなぞってみた
時計の秒針がコ ....
電車の中で

懐かしい訛りが聞こえる


聞き間違えることのないその方言は

故郷の海の匂いがした
あまりのやりきれなさに思わず
荒んだ瞳になって街のど真ん中で
……黙して堪えなくてはならない時にわたしが
想う 風景があります
そこはひたすらにさやかでのどかで 透明で
必要がないから透明な ....
私の中にはおさかなが住んでる
ぴちゃん
揺れて

ねぇ、ちいさな音

震えるみたいな ちいさな音

怯えないで

高い音ではねるときもある

ぴちゃん
とがって

ねぇ、 ....
夜の静けさ深みに
肉の激痛伴い
響く声 祈るように

[アナタナシ には生きられない]
[アナタトトモ には生きられない]

裏返っていく夜の深みに
独り人 祈るように

繰り返す ....
日差しは入り江を満たす穏やかな波のよう
ちいさな冬も丸くなった午後の和毛のぬくもりに
鉢植えの場所を移しながら
――古い音楽が悪ふざけ
週日開きっぱなしのトランクをむやみに閉め隅へ蹴る
―― ....
  丸い部屋に緑色の女が立っている
  四角い部屋には紫の女が座っている
  どちらの口の中にもセメント状の闇が
  うんざりするほどぎっしり詰まっている
  まるで 言葉の代わりだと ....
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を


まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日


永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け


いくたび ....
  朝靄の しんとした公園で
  ゆりかごが一頻り揺さぶられ
  あかるい 幾つものさびしさが
  同じ数のむかでに変わるまでの間


  わたしたちは決して変わらないだろう
  ....
わたし何も見えなくなればいいのに
聞こえなくなればいいのに
云えなくなればいいのに
感じなくなるのが一等いい(たとえば空腹)
そんなことばかりを考える鴉は
鴉のなかでも異端で
おんなじ黒い ....
 

ビリビリに引き裂いた
力任せに 泣きながら
それでも気が済まなくて
鋏でジョキジョキ切り刻んだ
その切れ端を 徹底的にシャッフルした
元の形などわからないように
二度と思い出さな ....
唐辛子を陽に干している

ワックスかけたてみたいに
艶やかだった彼女らは
日ごとしぼみ
くすんで
ぼやき
手をとりあって
しわしわになる
光の中で
そのしわは
小さな影を織りなし ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
軒にぶら下がった
てるてる坊主
風に吹かれて
ブチリッ
遠くの空へ

そして、2週間後、
彼を見つけた
近所の家に吊るされた彼は
見違えるほど
たくましくなっていた

彼の顔は ....
包丁がなまってまったく切れず
庭に出て塀でごりごり研いできたところだ
落ち葉や新聞紙で試すとよく切れる
刃先をゆっくりと撫でてみたい気もして
それはぐっとこらえて
あらためて台所に戻ると
 ....
あなたの席は
私の前

姿を見ると
いつしか目で追って

あ、今日も来てる
って嬉しくなる

ある日から
あなたの席は
ぽっかり空いたまま

来るかな、来ないな
なんて考え ....
午後の羽の蝶が群がり
枝は一時 空に呑まれる
実は鉱に転がり 水に落ち
空へ還る空を見つめる


砂漠の火花に
鳥は降りる
そこに在ったかもしれない命の
無機と無 ....
無私の愛が
人の魂の病を癒し
魂浸透した肉の病すら和らげる

冷える秋夜の森の静謐に
天使たちは降りて来るのだろうか
自愛に充ち病んで倒れる己の魂の許に

あの遠い日の海の夜明け
靄 ....
舌先で像を結ばない
時代の陰りの不安漠然とした
――漏出か
灰に灰よりも濃く灰を溶き混ぜた
ような雲
 も 時折 
    裂 け
息苦しい断絶の青さ遠くかもめのように過る
無垢のまま ....
脳の誤作動だったのだ
満月がこんなにも喝采されるのは
月は暦を変えられないことの杭を打ち込まれているかのようで
好きになれなかった

あなたの中に住まう狩人は
おぼろげな兎の陰に矢を放 ....
光を打つものの影が
空に映り揺らめいている
二本の穂の墓
影が影に寄り添ううた


切り落とされても切り落とされても
見えない部位は羽ばたきつづけ
音の無い風が生ま ....
冷たい雨音を遮りながら
仕事帰りに紺色の雨傘は
静かに溜息をついていた
鉄道駅に着いたので
ちょうど雨傘をたたもうとして
夜空を閉じるときに
満月がみえると本当はいいのにねと
何か反実仮 ....
骨のはら、平らかにひろがってゆく
りと、たってしまう。そよぐ音が、声が
あることの根をふるわせよ、ふるえ、よ、と
しきいにふれるか否かの下方でなる

よよ繰りかえす「ことのね」のれつ
おん ....
虚しさは
ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を粉飾できないでいる

街灯ひとつで ....
気忙しく男は高みから息を吹きかけた
後退りする光の中でいつまでも己の内を見つめ
色を失くして往く
女を見続けるのは正直もう嫌だった
白く
すべてを
終わりの先の始まりの
まだ始まる前の上 ....
ぼ~と日が暮れていく
西のお空を真っ赤に染め上げ
暮れて行く

澄んだお空に星が瞬き
東のお空にお月さまが昇る

恋しいよ
あったか団欒恋しいよ

烏もお宿に帰るころ
家路へ急ぐ ....
踏み付けられた
つぶされた
わたしはそれでも
生きている


揉みくちゃになり
みっともない
姿になっても
生きている


茎が折れて
羽根のような葉もちぎれ ....
むかし
凍えて死にかけた野良猫を
お風呂で温めて助けた

その猫はそれから
私がお風呂に入ると
いつもお風呂場にやってきた

洗面器にお湯を入れてやると
自分からお湯に浸かり
静か ....
以下は、文字と音の実験詩です。
詩を朗読しています。宜しければこちらもどうぞです。
https://youtu.be/3R5yliaT0bs




ひらひらひらひら
蝶のよに飛び散っ ....
さようならアメリカ
たぶんぼくはアメリカが好きだった
ジーンズが好きだった
コーラが好きだった
ポテトチップスも好きだった
さようならアメリカ
自由と平等と人種差別の国よ
民主的で覇権的 ....
田中修子さんのおすすめリスト(910)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
明日- レタス自由詩916-11-27
最終電車- ガト自由詩10*16-11-27
=息をすること- もっぷ自由詩1116-11-27
おさかな- 水菜自由詩12*16-11-26
ハリサケル!- ひだかた ...自由詩516-11-24
鈍色の匙- ただのみ ...自由詩16*16-11-23
女について- 草野春心自由詩416-11-21
飛ぶ鳥を探す日- 石瀬琳々短歌14*16-11-21
むかで- 草野春心自由詩816-11-19
鴉なぜ、鳴かないの- もっぷ自由詩416-11-19
パッチワーク- Lucy自由詩18*16-11-19
今夜はペペロンチーノ- そらの珊 ...自由詩10*16-11-19
短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
a_fine_day- opus自由詩116-11-17
なまくら- 春日線香自由詩516-11-17
車椅子- rikupoyo自由詩116-11-17
夜へ_ふたたび- 木立 悟自由詩716-11-17
天使たちは- ひだかた ...自由詩7+16-11-16
ある朝こぼれ- ただのみ ...自由詩14*16-11-16
満月への返歌- 由木名緒 ...自由詩14*16-11-15
ふたつ_冬野- 木立 悟自由詩1716-11-14
喋る雨傘と満月- りゅうの ...自由詩11*16-11-14
よにふる、雪。- 青木怜二自由詩6*16-11-13
かたむいていく夜- 小林螢太自由詩9*16-11-13
めぐり_哀歌- ただのみ ...自由詩7*16-11-12
何でもないようなことが幸せだと思う- 星丘涙自由詩7*16-11-12
生きていくこと、- 葉月 祐自由詩12*16-11-11
湯治- ガト自由詩13*16-11-11
- 水菜自由詩8*16-11-10
さよならアメリカ- ただのみ ...自由詩19*16-11-9

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31