詩よりも素敵な端正な言葉を
音律にのせて

たとえばジャニスは疎外をブルースにして
もうひとりのジャニスはこころの陰影をうたにする

ジムはロックの神になり
もうひとりのジムは瓶のなかの ....
コーヒーをかき混ぜるとスプーンが何かに触れた
すくい上げると 懐かしい腕時計
そっと指でつまんで 見る――当然死んでいると思ったが


――蘇生するような
        秒針の震え!
 ....
冬のあいだに育った
ふわふわの毛に包まれてみる夢は
ねじ巻き振り子のようにかなしかった
(なんでアンゴラ山羊になどうまれついちまったのか)
けれど
春のひざしに
あたためられて
気化して ....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々


飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない

 ....
世界一きれいな花が荒野に一輪咲いた日
空は透き通る様な青と油絵みたいな白い雲が浮かんでいた
その十年前そこは殺戮と強奪で燃え上がっていた草原だった
善意で負傷兵を助けた少女の頭を吹き飛ばした隣国 ....
{引用=先生が選んでくれた歌抱きしめて灯りを消してみたいと思う} 真夜中のバッハはビオロン選曲を間違ってない強がってない


何度でも何度でも自らに云うどんなに困れどニコンは売るな


こどもの日見た空よりも凄い空きっと見てからそこへ行きたい


 ....
なだらかな丘を曲がり下る路のむこうは見えない


 {引用=突き当たり 川沿いのT字路を左折する
右手には野菜や果物を売る民家が二つ三つ軒を連ね
白壁が所々すこし剥げたカフェらしき店が一軒あ ....
桃をおろし金に擦りつけ
埃をかぶって臭うストローを水で洗った
プラコップの水面は穏やか
遠い南国の、夏の海の、奥の奥

レンジから元気のない食パンを取り出して
固いバターをスプーンで擦り落 ....
かじかんだ背骨に脂をめぐらせて
あなたは4℃の水底に憩う
ごちそうがなくなれば共食いもする
吹き寄せられた薄氷の庇
その下にもぐって ただ噛んでいる くつくつ

針を飲んでしまったよ
そ ....
みんなイイネなんか押してないで

詩でも書けばいいのに

似てるなにかに頷かないで

ちょっと違う!って叫べばいいのに

秒速5センチメートルみたいに

青春に恋はしたけど

 ....
かれは、いま 叫んでいる
遠くを見ている人々にむかって
かつては 矢じりを誓う猿だった人々にむかって
現代という うつつに居る私にむかって

かれは ごみ捨て場で 半透明の袋にいれられたまま ....
大型の薬を飲むように
少しコツがいる
今日のような夜は
落ちないように過ごそう

ちょっと得意になったんだよ
誤字らないように詩をかくときみたいに
慎重に歩けばいいの
ほんとだよ

 ....
数時間硬直したままの肉体は、真っ白い砂漠の中でどす黒く腐敗する夢を見ていた、血液は破れた血管から鉄砲水のように溢れ出し、もう使いものにならなくなった皮膚に無数のラインを描いてから砂地に染み込ん .... くやしいとき
空の色も憎くなる
雲が遠いのもうらめしい

足にはいた靴の
なかの指に力を入れる

地球に踏んばる
のしのし歩く

くやしい心に
桜いろの風がふいた
桜は
八割咲けば
満開という
僕たちも
八割出せば
全力投球といおう
さくらの花びらのみしりとひらくときの
衣擦れみたいなわずかな音をたべる春待ちたちはやさしい
わきあがるように生まれては こすれるみたいに消えていく

意味のないやさしさはごちそうだ
生温 ....
ちょっとしたさ オシャレをしようと思って
珈琲を流行りの店で買ったわけだ
そこでタンブラーが飾られてて かっこいいなあと眺めていた訳だ

お店でフラペチーノの生クリームを舐めながら
夏の冷た ....
これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に

おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に

めくる指 ....
 残雪に
     鴉

   なにかを咥えて木の間に消え た

 黒々と濡れた道の上
枯れ枝のような足を引きずる音がする
淡く暈した{ルビ空=から}の{ルビ天=そら}

惜しまず捨 ....
ひなげし 石ころ 傷んだ人参
これがちかごろのわたしだ
とにかくこのゆがんだ町から出るには
靴をはかなければならない
戻ろうとふりむけば世界じゅうの鈴がなるし、
出したはずの手紙で抽斗が ....
針穴に糸が通った遠い日から
ずいぶんいろんなものを縫ってきた
時には
縫われることを嫌って
ぴちぴち跳ねて
てんでに海へかえってしまう布もいたけれど

人の営みのかたわらに
一枚のぞう ....
東の果てから顔を出す太陽があなたの眼の色と同じでよかった
まるくて熟れたあんずの実をとなりに並べたら、あなたとあたしは似たもの同士
果汁の一滴も、種まで残さず食べ尽くしてくれませんか
大丈夫です ....
白木蓮の花が
まだ冷たい空に向かって
ふくらんで

忘れていたつもりの
いくつものことが
いくつもの夢が
何人ものひとたちが
咲いてきそうで
立ち止まっている

こころがにじん ....
午前十時 駅の南口
キャリーバッグに詰め込んだ春の始まりの空気
わたしを見つけたあのこが笑って手を振った
作り上げた必然のようなただの偶然

滑り台のある公園の桜が三割ほど芽吹いて
その下 ....
こみ上げる想いに潤むひとみのように
雪はこらえにこらえて雪のまま
朝いっぱいに流れ着いた三月のある日


外に置かれた灰皿の傍 四人の男が並び
みな壁を背にして煙草を吸っている
見知らぬ ....
落ちた

りんごを拾うように

貝殻を拾うように

首を少しかしげてから

すくめるように

泣きながら寝るように

紅いほっぺたのように



文学なんてなかったころ ....
世の中の気に入ったものすべてを集めることはできないが
ときおり巡り合う素敵な情景や言葉を僕の何処かにスケッチしておこう

ときにはロボットが生産ラインで溶接した鉄板でできたちいさな車で風 ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
――ミルカ ヌカルミ

そんな回文が虻のように掠めた時
女のなにくわぬ横顔は真新しい日記帳で 
天道虫だけが慌てて這いまわっていた
とても大切なものを落としてしまい
それがなにかも思い出せ ....
田中修子さんのおすすめリスト(901)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日曜日の詩- 梅昆布茶自由詩1417-4-9
春と詩はよく似た病と嘯いて- ただのみ ...自由詩11*17-4-8
アンゴラ山羊のみる夢は- そらの珊 ...自由詩14*17-4-8
夜に至る夜- 木立 悟自由詩817-4-6
情緒メイトリクス- 倉科 然自由詩317-4-6
=☆- もっぷ短歌317-4-6
雑詠五首- もっぷ短歌217-4-6
曲り下る路のむこう- ただのみ ...自由詩9*17-4-5
いただきます- 印あかり自由詩14*17-4-4
氷点下- 紋甲メリ ...自由詩417-4-4
みんな詩でも書けばいいのに- フユナ自由詩12*17-4-4
黒曜日に- るるりら自由詩10*17-4-3
透明なふたり- 朧月自由詩417-4-2
誰も思い出さないその雨のことを- ホロウ・ ...自由詩3*17-4-2
負けずの風- 朧月自由詩517-4-2
満開- zenyama太� ...自由詩317-4-2
春待ち- はるな自由詩417-4-1
流行りのタンブラー- 這 いず ...自由詩217-3-31
余白に- 乱太郎自由詩8*17-3-30
残雪に鴉- ただのみ ...自由詩13*17-3-29
となりまち- はるな自由詩617-3-29
虹色のさかな- そらの珊 ...自由詩14*17-3-29
あんずと朝- 自由詩517-3-29
- AB(な� ...自由詩4*17-3-28
一巡- 自由詩417-3-26
愛煙家- ただのみ ...自由詩12*17-3-25
落ちたりんごを拾うように- AB(な� ...自由詩5*17-3-25
コレクター- 梅昆布茶自由詩1417-3-24
よるのとり- そらの珊 ...自由詩22*17-3-24
淡水系- ただのみ ...自由詩12*17-3-23

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