青。
青いひまわりが在れば良いと思った。
空に向かって咲く姿は、今とは全く違う趣なんだろう。
青ではなく、太陽の強い日差しも跳ね返す、美しい黄色の花は。
宙に浮かんでいるように見えた。
ふら ....
痛む目頭を押さえ
溢れそうな感情を抑えている

救いは目に入らない
意識が捕らえたがるのは


  真面目に選ぶ事も無い悲しみや焦り


何故?
どうして、
繰り返され ....
糸をつむぐ
それはかつて
繭だったものたち
それを産んだものは蚕という虫
それを育んだものは桑の葉
それを繁らせたものは桑の木

ふるさとを発つ時
小さなかばんに
宮沢賢治の詩集と
 ....
遊びに行こうよ。
種明かしのテレビ
消して
手をつなぐための手
つないで

準備ができたら
どこに遊びに行く?
好きな場所を選んでよ
動物園
遊園地
それとも戦場かな。
一個選 ....
暗闇に蒼白い河原の
小石夥しく静まり返り
流れ動き澄む川は無音
黒く光る水面の異様
恐るべき氾濫を孕み
奥まった沈黙を保つ

決して終わらない不安は
この沈黙という深い謎に
剥き出し ....
      祈りと願いに摩耗した
己の偶像が神秘の面持ちを失くす頃
始めて冬の野へ迷い出た子猫は瞳を糸屑にして
柔らかくたわみながら落下する鳥を追った
薄く濁った空をゆっくりと
    螺旋 ....
金木犀の花を瓶に入れ ホワイトリカーを注ぐ
ひと月ほどして 香りも色も酒に移った頃
金木犀の花を引き上げる

その酒は 甘い香りをたぎらせ 口に含むとふくよかな広がりを持つものの まだ ....
貰った花の色は赤でした
あなたの心は燃えているのです
火の海に飛び込むような
私の体が水を求めたら
眩しい太陽を見てはいけない
愛の掟とは 与えるとは
と裸の人間が宣う

悦楽のマリファナに酔いながら
夜の街をさまよい歩いても
孤独な亡霊達に笑われるだけ

太陽の中に蒔かれた矛盾という種は
滅びという果実を結ぶ ....
インクの香る雨の朝だった
新しく買った文具の手触り
僕はパイロットになった気分で
ボールペンのキャップを外した時
どこへでも飛んで行けると思った
放たれた欲望は
増幅するように見せかけて
枯渇してゆく

それはまるで
空飛ぶように
深淵へと
飲み込まれていくさまに
似ている

緩やかに
なだらかに
夢見るように
堕ちて ....
雨によって遠ざかる季節を
窓から見やりながら
沈黙の岸辺に
漁火が
祈りのように あかあかと
あかあかと燃える

わたしの骨の一つ一つが
谺して
幸運なわたしたちのために
浸された ....
どうあがいたとしても人は
ひろいひろい一枚の紙きれ
に包まれたような呼吸しか
できないんだろうむねのう
ちのざわめきもとおくから
みればなんてことない誤差
に過ぎずきみはきみ自身の
こと ....
こどもであるという無力に圧倒されていた日の秋に
よく仰いだ心ひろやかな樹樹があった
これが のちの涯の具現かと 一つの邂逅
その木立の黄葉のかがやきは確かに詩だった
うつくしく 深刻に明るく寡 ....
わたしはね 西脇さん
珈琲で軽く出来上がって いつしか眠りに落ちていた
目覚めて 窓を開ける と
風が 西脇の一日遅れのこたえを持って
冬の すみれいろになって間もない空には白い雲
まぎれも ....
外に臼がほしてありました
もうすぐもちつきだからです
家族はそれぞれに白い息をはいて
うったり
うたれたり

白くて柔らかいもちを
家族の手でまるめて
少しいびつなそれは
部屋に飾ら ....
マーガレット色の街灯が
午前三時の路上で
墜ちた月のように佇んでいる
ジンの酔いは
俺のこめかみを
左から右へ真っ直ぐに射貫いて
思考がそこから全部漏れていく
 ....

私は人間ではない
生物でさえない
生きているのに


私は一本の直線だった
貴方のことを知りたくて三角形となった
私のことを知りたくて四角形になった
いくら角が増えても角(つの ....
石っころ
おまえを蹴っ飛ばす
花よ
おまえを踏みつける

けれども
踏ん張れ石っころ
けれども
立ち上がれ野の花よ

そうして私に教えてほしい
身をもって 意気地を
それでも、 ....
上目遣いを覚えたあなたが
階段の上で背伸びをしながら
僕の耳まで遊びに来てくれる
身長も成績も同じだったのに
いつの間にか追い越してしまった
 雄大な光景が私の心の襞に響く。
 山々の稜線が音楽のように流れて見える。
 私は絵画の前で瞑想しながら感動している。
 窓の外には現実が眠っている。

 何かを感じる一瞬間、人の心は純 ....
濁るよりほかに
生き延びようがなかったから
水を欲して、
水を求めて、
ここはさながら渇きの底

濁るよりほかに
明るい方向を知らなかったから
黒を試して、
黒を重ねて、
 ....
わたしはもう
石になってしまいました
かつてわたしにも
水だった時代があり
白濁した粘質の水となり
やがて泥となり
固まっていったのです
土として長年を過ごし
生き物をすまわせもし
 ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
社会人が仕事をする舞台では
みなが仮面をかぶって役割を演じていた
そこでは魔女狩りが行われ
決闘や縄張り争いが絶えず
仕事の達成と失敗があり
虚構の連帯が結ばれる
自宅に帰り仮面と衣装 ....
卑しさが芽を出したとき

頭の中がクリーム色になって

言葉がみんな出て行ってしまう。


全部、全部
無かったことにして

何度も、何度も
繰り返して

帰り路が分からなく ....
風が歌わない日にわたしたちは何を聴こうか
再生し続けることで乾く色彩の体温
その沈黙まで指先で縋るように諦めながら
待っているどちらでもないひとつの結末を


インプットしてきたものが違う ....
納豆のカラシ

ぜんぶは入れない

納豆のカラシ

小袋に残る

納豆のカラシ

可燃か 不燃か

納豆のカラシ

とりあえず 可燃へ

納豆のカラシ

今夜もまた ....
かなしみのなかで    あめがふる
シトシト シトシト   あめがふる

ぬれたままでいいと   きみはいう
ぼくもうなずき     あるいてゆく

道路にできた      みずたまり
 ....
土佐の海辺の村で
毎日毎夜薄暗い電灯の
野外畳の上にでんと座り
鍋に茹でられた貝という貝
爪楊枝でほじくり出して
それぞれに違う味覚
食い喰らい喰らい食い
瞑黙ひたすらに
味わい味わい ....
田中修子さんのおすすめリスト(910)
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底の記憶- ひだかた ...自由詩19*16-12-19

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