雨に打たれ散る花のことなどしらない
サボテンのとげが雲に向かって伸び
天上では太陽に向かって縮れた風が伸び上がる
カップに入れた珈琲はいつものように薄く
カレンダーは四月のまま終わらない

 ....


夕空と海の混じり合うそのすきまに
すべり込むうみどりの影のさみしさ
赤い包みのキャンディーをポケットから取り出すと
口に入れる間もなく風景に溶ける




”ちかみちはこっ ....
アスファルトを割って
小さな花は咲きました
私は花の名前を知りません

花も私の名前を知りません
花は花の名前を知りませんし
スナック「花」のママを知りません
そうして花は咲きました ....
ああ今日も夜がふけていくよ
風がびょうびょう吹いて
トタン屋根に映る雲がごうごう流れて
乗りそこなった月の船は地平線の向こうです

星のない空は
なんだかとっても寂しくって
電信柱を伝わ ....
いつの頃からだろう
頭のなかにたくさんの人たちが住みついて
入れかわり立ちかわり
わたしの人生に口を出すようになった
彼らはわたしの考えなどお見通しで
先回りして道を整備したり
背中を ....
いつか いつか
笑えたらね
そんな頃に会いましょう

穏やかに 穏やかに
春は何度でも巡ってくるから
いつかゆっくり背伸びができたら


乗り越えるものが大きいので 今は
続いてる ....
(1)

僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。



(2 ....
きのえだいっぱいに
きれいなはながさいていたので
よじのぼって
ごめんねゆるしてね
ちゃんとあやまって
ちいさなえだをひとつだけおって
はなびらがちらないように
ちゅういしてもってか ....
ついに発見されたのですね
青空いっぱいの無色な孔雀の骨
嗚呼ただの伝説かと思っていたのに
雲雀の血のにじんだ五月の空の
気圏のいちばんの上層
きらびやかな氷窒素のあたりから
発見されたので ....
このうたどこかで聞いたうた
たしか祖母がうたってくれた

このうたどこかで聞いたうた
窓の外から入ってきた

このうたどこかで聞いたうた
あいつは綺麗にうたってた

このうたどこかで ....
使っていない電話器が時々鳴る
コードは何処にも差してない
その受話器が持っていた番号は
もう何処にもないんだよ
遠い昔つながっていた
あなたの電話番号も
もう何処にもないんだよ

あな ....
所かまわず
一面にのどかな
そんな景色だったので
家と家とに挟まれた
小さいままの公園に出掛ける


左は小さい右は大きい
一列に背比べする鉄棒で
僕は右端お前は一つ下
ぶら下がる ....
カラフルメリーは自分の名前が大嫌い
カラフルメリーを本当の名前と信じたがってる
唐辛子よりブラックペパー
胡麻油よりオリーブオイル
テーブルの上の醤油が死ぬほど恥ずかしい
天国のパ ....
ドーナツの穴から覗くと
世界はいつも
いいにおいがした
食べ物で遊んではいけない
そう教えてくれた人が
今ではもういない
夜の霧の街灯の脇から
ほんとうに小さなものたちが湧いている
きぃきぃと
ほんとうに小さな声を上げている

いられなくなったのだねと
手を差し伸べると
爪の先から入り込んで
 ....
あら、困ったわ
が口癖の君が困った様子なんて
今まで見たことがない
あら、困ったわ
なんて言いながらも
トントントンッとまな板の上で大根を切ったり
ザッピングをし続けた挙句の果ては ....
サヨナラなんて

10秒あれば言える

俺は言ってない

あなたも言ってない

なのに

もう会えない

出会いには出会いの

別れには別れの

儀式が必要だ

少 ....
1.
内ポケットに入り込み
しっかりとボタンを留める
頭を膝にうずめて
もれてくる光が無いことに
安堵


2.
予感と習慣から
ふいに
ひたいに張り付いた前髪をかきわけ ....
開け放たれた音楽室の窓から
合唱部員たちの歌声が聞こえる
放課後、行き場の無い僕らは
校庭の隅にある鉄棒に片足をかけたままぶら下がり
いっせいの、で誰が好きかうちあけると
やはり同じ子が ....
僕は好きな池のほとりに

一人たたずむ

その昔

美しき姫が祈りを捧げた池

氷の花を咲かせ

冷たく微笑む

心痛めた者だけが

その冷たい微笑の奥に咲く

優しき ....
振り向いた先が
届かない思い出だったなら
胸に少しの痛みを
感じることでしょう


昔のノートを整理していると
ページに挟まってあなたがいました
ピントの合っていないぼやけた横顔でも
 ....
君の笑顔は椅子に似ていて
笑うと誰もが顔に座りたがる

散歩途中のお年寄りや
旅に疲れた旅人
アイスキャンディーを持っている人
ただ夕日を見ているだけの人

誰かが座ると嬉しそうにする ....
もしも私に貴方好みのしっぽがあれば
私を愛してくれたかしら

ふんわりふわふわのしっぽがあれば
独りの寂しさ無くなるし

あたたかふんわりで
貴方を包んであげれるのに

怒った時はぴ ....
                       きゃらめる 5

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  1

なにもみえない
から
こわいんじゃない
なにもみえる
はずがない
から
こわいんだ
 ....
また打ち萎れて

寄せては引きゆく

涙の日々が尽きません

失う度に

一枚の半紙の表に

愛しい名前を書くのです

それをそのまま

月夜の窓辺にさらし

裏に返し ....
ライオンは
その牙とたてがみで
王者の風格と讃えられ

カモシカを食べた後に
カモシカに憧れて涙した
よんどころない事情があって
きりんはタクシーに乗ろうとするけれど
長い首がひっかかり
ああしたり、こうしたりしても
乗ることができない

もうどうしようもないから
きりんが運転手のお ....
【透明人間の憂鬱】

透明人間の悩みは
最近、髪の毛が薄くなってきたこと
これでも若いころは
リーゼント、ヨロシクきめて
ハマのあたりでバリバリに透明だったぜ、ってなもんで
今ではバ ....
ハピネス。
幸せについて語ろうとすれば
それは光のように輪郭をなぞって透けていく
影はすべて
光を雄弁に語るハピネス。
流れ、を捉えることが難しいのと同じくらいに
私たちが生き残るのは ....
玉兎さんのおすすめリスト(389)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ひとりきりの日曜日- 竹節一二 ...自由詩504-5-2
なないろ- ワタナベ自由詩8*04-5-2
小さな花- たもつ自由詩1404-4-30
蛍石- ダーザイ ...自由詩13*04-4-26
回廊- アンテ自由詩5*04-4-24
春永に- 霜天自由詩404-4-23
おはなし_1〜50- Monk自由詩53*04-4-20
こえだ- アンテ自由詩704-4-17
空の骨- まんぼう自由詩704-4-16
うたのうた- 長谷伸太自由詩204-4-7
風が唄っていた- ダーザイ ...自由詩33*04-4-7
波間- 霜天自由詩604-4-6
カラフルメリーダイヤモンド- いとう自由詩1704-4-6
世界- たもつ自由詩3904-4-2
私に名前を授けてください- いとう未詩・独白1004-4-1
あら、困ったわ- たもつ自由詩5004-3-26
☆86_ギシキ- 貴水 水 ...自由詩804-3-25
毎朝が来るまで- 湾鶴自由詩504-3-25
Stabat_Mater- たもつ自由詩1504-3-23
★49_ボクノスキナイケ- 貴水 水 ...自由詩504-3-23
ここにある空- 霜天自由詩404-3-19
似顔絵- たもつ自由詩18*04-3-19
しっぽ- 暗闇れも ...自由詩4*04-3-11
きゃらめる_5- アンテ自由詩45*04-3-3
しつれん- 純太自由詩704-2-4
ライオンの視線の先にあるハサミ- ミサイル ...自由詩1303-10-19
きりんタクシー- たもつ自由詩1203-10-3
透明人間と- たもつ自由詩4703-6-23
ハピネス- いとう自由詩5703-5-12

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