暗がりが暗がりのなかを
剥がれながら落ちてゆく
滴が滴でなくなるまで
見つめ見つめ 見つめられてゆく


見えるものは そこにないもの
赤を隠した 白の毛糸玉
腕に咲く ....
何もない場所に言葉があり
血のにおいをしている


隠れていて
近づくと現われる
正しいはずのない言葉
目をあけられないほど
美しい


何も聴こえぬ光をまとい
 ....
血の声や冬の器の底に降る割れた鏡を受けとめる指



どこまでも此処は何かが生きる場所たとえ多くが絶え沈んでも



冬たちはただ冬のみであるかぎりおまえにそれを告 ....
灯りがついたら
目をあけよう
灯りがついても
目を閉じていた
灯りがつくこと
だけでよかった



夜を見わたす
坂の風の上
夜になれない
蒼がひとつ
蒼 ....
夕暮れを映す目に耳を寄せ
水の音を聴いている
水の音しか聴こえない
水の音を聴いている


火がこぼれ
また
火がこぼれた
到かないもののようだった


街より ....
実が実を噛んで
光は動く
うねるかたちが
午後をなぞる


あたたかい布
罪びとは
そこにそのまま
あたたかいまま


咽 骨 頬
まるい羽
かたち ....
ふいに終わる日
規則と壁の絵
路から径
灯と声の重なり
角から角
持たざる夜に
ひとつ わたす


棄てられた標の山を
風は昇る
地と空の雪
むすぶ波
真昼の ....
記念式典
歩道の上に
人の大きさほどの
鉱が置かれる
式典が終わり
鉱は五つに分けられ
そのうちのいちばん小さなものが
あやまって溝に落ちる
あわてて拾 ....
顧みられない壁の横で生まれ
白も黒も知らずに白と黒になり
街を隠す羽を動かしている


冷たいにおい
曇を遠ざけ
冷たいにおい
手の甲を踏む


街に沈む街
 ....
舌を外して
額につけて
すぎる光 すぎる光
ああ本日も
さわやかな曇天なり
脇道をふさぎ手のひら横たわる



雨の音の光さかまく深夜かな



かたちからまぶしいかたち引いてゆく



拒まれてそのままにおく冬装束


 ....
誰かれの造りし枠に詩人なし



説教をするのも聴くのも己れのみ



哲学が聞いて呆れる下半身



リア獣がリア充を喰う夜更けかな





 ....
空の端がひらき
地を歩む
ひかり負う背
河の痕をゆく


夕闇の路
無人の車が
はじまりをうたう
ひとりを乗せる


原の
つづく原の
根はまた ....
曇を燃し
曇を鳴らす
無塵の街
暮れてゆく


滴の原にはじけるもの
風を風にする光
ゆうるりと倒れ 起き上がる影
うた 手のひら うた


 雨の左
  ....
夜や夜ひとつがひとつをすり抜ける



轢かれては蹴られては筆たけりけり



記憶しかないというなら冬を喰え



おのれから去る笑みこそがおのれなり ....
水の上の
白と黒の火
水に映らず
流れてゆく


森の奥を
森が動く
双つに分かれ
遠去かる


枝が描く枝
重なりのむこう
途切れた道のむこうに
 ....
はばたくばかりで飛べない暗がり
右目の奥を巡っている
音の無い
騒がしい動


葉の影がこぼれるなかに
歳をとらないものがいて
影をつなぎ 鳥を描く
少し離れた 冷た ....
渇くとせ指さきの冬終わるとせ



ふりそそぐ鎖骨のかたちしゃがみこむ



見ようともせずに見えては目をふせる



薄い紙おさえられずに泣く夜か ....
そうやってまだ父親を使うのか



父の目におまえはかけらも映らない



言えぬまま逝くものをまだ汚すのか



死んだとて父はおまえを許さない



 ....
夜が
片方の手に獲られる
片方の手に
片方の手が乗る
夜は
じっとしている


何もない場所にただ建てられた
何にひとつ隔てるもののない壁
霧の舟が ....
柱の光に触れては曲がり
道の入口に立ち 忘れてしまった
ひとつであり 向こうのもの
忘れてしまった


去っていった
また
去っていった
縦の響き
地図の作者
 ....
人のようにも
穴のようにも見える影が
石の壁に沈んでいる


黒を造る
三本の樹
黒より黒く
黒より低く


雨の日と揺れ
辺りの音と
異なる震え
わずかな ....
死地のように獣も
死地のように獣も


頭の上の宙空から
常に何かを発しながら
進む道を午後に変えてゆく
















 ....
窓に映る窓に映る窓に映る窓の奥の
水も枝も光もひとつに
人の外からこちらを見ている


無いものを踏むたびにたちのぼる
生きものの夜
かがやきのない星に満ちた
小さ ....
行方満ちる目
未明ひとつ触れ
踊りかなしく


ひと呑みひと呑みが
耳につもり
うなじを下り


冬の馬が削る
原 崖 丘
かけらを ふりほどいて

 ....
涙が乾く音より高く
まばたきの音は昇りゆく
午後が午後に
耳すます午後


月への道に
擬態する羽
水は満ちて
器を呑んで


ばらまかれて
途方にくれる
 ....
鳥が月をついばみ持ち去り
別の月をどこかに作る
午後の舌を
午後にまみれた氷が過ぎる


ただひとつの音の他は
すべて重なり響く雨の日
ただひとつは道の灯に立ち
 ....
 






かがやきを熱さを廻す途切れ指



夜からむ夜かきむしる夜がゆえ



岩の上また岩の下数億年



硝子にはひとりのすがた波ばかり



 ....
リモコンがリモコンを喰う朝ぼらけ



アマゾンの箱をひらくと射る瞳



ピンどめの天使の影の浮く便所



ぐぬぬより二文字多いぐぬぬぬぬ


 ....
石のなかから硝子をひろう
いつのまにか消えている
手のひらに残る かたち
ふちどり


こきざみな夢
菓子の弦
水は灯のそば
傷と波と壁


語りあいな ....
木立 悟(2329)
タイトル カテゴリ Point 日付
夜と径自由詩510/12/29 16:14
夜と頸木自由詩210/12/24 1:10
愚銀短歌410/12/24 1:06
ノート(あかり)[group]自由詩210/12/20 8:46
ひとつ 伽藍自由詩210/12/19 21:59
ノート(ひとつ けだもの)[group]自由詩410/12/15 23:39
ひとつ はずれ自由詩210/12/13 9:37
ノート(47Y.12・12)[group]自由詩310/12/12 20:24
ひとつ こがね自由詩510/12/9 19:19
ノート(47Y.12・8)[group]自由詩3+10/12/9 19:16
ノート(雨未冬)[group]俳句210/12/6 23:08
りあ・りあ川柳210/12/6 23:05
光源自由詩310/12/6 20:30
降り来る言葉  XLIX[group]自由詩310/12/4 3:21
夜や夜俳句110/11/29 22:03
午後の辺自由詩310/11/29 17:01
ひとつ 遠く自由詩310/11/21 2:17
ふたつ 遠く俳句210/11/21 2:11
父とおまえ川柳210/11/21 2:07
降り来る言葉 XLVIII[group]自由詩410/11/15 22:07
ノート(ひとつ 忘れて)[group]自由詩310/11/15 22:05
深夜 真昼自由詩610/11/10 0:39
ノート(47Y.11・8)[group]自由詩210/11/10 0:36
冬と息自由詩410/11/5 9:56
午視自由詩710/11/3 10:09
ノート(鳴陽)[group]自由詩810/10/31 0:52
ひとつ 水日自由詩410/10/28 19:26
夜徒 夜徒俳句510/10/23 3:22
さわぎ さざめき川柳610/10/23 3:19
夜と白自由詩610/10/21 21:07

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