真夜中に手淫のごとく懺悔せし

非常口に蓋をして


洗面台で ひかる剃刀

水滴の落ちる静けさと

窓を見ている闇と少年


ひっそりと手淫のごとく懺悔せし

悲しい線路 ....
図書館の

古い本の最初のページに

白い骨と鉛筆で書いてみる

なんて事はない

恋愛小説の始まりに


少し読み進み

骨を包む新聞紙を取って来て

と鉛筆で書いてみ ....
冷たい雨に
凍えているシクラメンよ
東京の夕闇のなか
冬はまだここにいますか

今、暖かなる者の待つ家に
一心に帰りゆく君よ
今宵もまだなお
寒い都会の夜を
行かねばならぬ君よ
た ....
君よ
エセな聖書で
春を行け

今日のヘッセはご機嫌で
シルクハットでご登場
石畳広場に蝶を飛ばし
舟遊びに楽団引き連れ歩いては
ことごとく林檎酒に耽る

酔っ払ったなら
森の古 ....
蛙の世界の王様は、大きな大きなガマガエルです
沼の淵の一番高い岩の上を玉座にして、毎日世界を見下ろしています。その視線は、つねに安定したさざ波に注がれました。
若々しい雨蛙は王国の奴隷です
王様 ....
影がぐるりと右かしぐ
左手が逃した夕餉の茶碗
右手を掴んで放さぬ恐怖

夜の森は騒々しい
木立はバサバサこすれあい
夜鳥の声はこだまして
奇声をあげてる闇の口

影がぐるりと左にかし ....
天使は純白
悪魔は漆黒

彼らは絵になる事はあっても
絵を書くことはないからね

だから天使は純白
だから悪魔は漆黒


ほらほらゴッホをみたまえよ
あの暗い自画像を
あのやた ....
(春)


君よ、春にあいましょう
ひときわ人の旅は終わらないから
つばめよ、旅人たちよ
春にあいましょう
私が春であるように、君が春であるのだから
ふたりあえた季節に花が咲けばそれで ....
この杜にも春が訪れたのだなぁ
木々の間をいつの間にか青々とジャゴケがおおい始めているではないか
ほら、何やら土の中から音がする
あれは土をはむ音
あの無酸素にも耐えうる土壌生物たちのお目覚めだ ....
雨に濡れてるブランコはいつもより空が近くにありますから、楽しいですね。でも、片道切符で乗ってはいけないと書いてあるのは何故でしょう。
風がふくたびシーソーが揺れるので、目に見えない何かを計れるよ ....
あれは白鳥座の頭あたりだろうか、と15才の若いアマガエルが夜空を指差さしました
30になるウシガエルの私には星なんてもう見えません
けれど
見えるものには見えるのでしょうか
王冠のように、それ ....
1960年代、優しい目をしていたのは一頭の象だけだった。

一頭の象が、ある日、小さな北国の町の動物園にやってきた
小さな町では、酔っ払いも、海も、ひまわりも、貧富も、差別も、母さんも、意地悪な ....
マイケル・J・フォクスが
上目遣いで刑事に話し掛けてたの
彼の唇がずっとスプーンに写ってて
スプーンを嘗めちゃわない刑事が
じれったいったらなかったわ
生易しいことも優しくないことも
最後には過ぎ去ってしまいます

人の血や肉は
入れ代わらないから
お医者様が大変です。

代わりましょうか?と葬儀屋


その日、姉が死にかけていた ....
明けない夜をいく私のマカロニウェスタンヒーロー
早打ちガンマンが撃ち抜くもの
それは傷の在り処
痛みの訳を知らしめる

明けないままに夜を行く私のアウトロースター
孤独なハリーが愛するもの ....
雪ふる悲しみのなか

ひとり海にたたずむ友よ

海はもうなきやんだ

君はどうだ


ハーモニカは錆び

かもめは帰る

雪ふりやまずとも
口があるのなら語り合いましょう
いいえ
口があるのなら舐めあわなきゃ
いいえ、もっと
口があるのなら齧りつかなきゃ
まるで胃袋みたいね
あなたも私も
でも
食べ尽くせないのよ
私もあ ....
マイケルジャクソンの青空




アスファルトの上で街は目覚め始める

排気ガスとパンとコーヒーの匂い

新聞配達夫の帰り道には

怪物のような建築現場がある

鉄骨の群れが ....
別れ話



蜜のかおる若々しい花を燃やしている少年の手は
今からはじまる喪失の時から汚れはじめる

ありもしない空を鳥が飛ぶから
銃声はなるのだ
何故と問いかけてはいけないと
い ....
ジプシー



海は

いつも 素肌だ

情熱の心をひろげ

ジプシーを愛する

だから

誰もが鴎になりたがる
金魚 金魚
可愛い 金魚
ビー玉たくさんお城のように
ご褒美貰っておおはしゃぎ

金魚 金魚
可愛い 金魚
お手々もあんよもなくてね
お口つかって生きてるの
ほらね ほらね お上手お ....
ハライタマエ キヨメタマエ

この深くて狭い川は何を流す川だろう
いや、川ですらないこの闇の濃さ
私は落ちていく 落ちているのだ
剃刀を舐める時のように
私の背中を恐怖が焼きつづける
 ....
ああ、これは病気でござりましょうか

寒いばかりの夜な夜な、炊くアルミ鍋は

今日も明日も貧しい菜を煮るだけでして

月がでようが、隠れようが

見ているものひとりいないときたら

 ....
薬缶の口から湯気ポッポ


ノドグロの口から日本海の匂いがまだ消えないうちにと
料亭の女将の口から少し早めの夜が始まる
けれど日本の財布の口からはわずかな小銭しかでない
だからみん ....
春隣


朝から夜中までテレビをつけっぱなしにする
私の垂れ流し好きをどうにかしてくれ
うるさすぎて、何ひとつ変わらずに私の冬が過ぎていく
世の中はどうだ。目眩をおこすほど輝いているのか
 ....
日記詩

(一)
真昼の銀行、キャッシュコーナーの長い列は
金にまつわる一喜一憂を分かち合うかのように寒いほど静かだ
これはまさに近代の儀式
笑っても泣いてもいけない参列者たちは
残酷な ....
それはまるで二人きりの秘密
くすぐったい内緒話をいつも微笑みが包むよう
とある産院での一室
大きな苦難を乗り越えた若い娘が
生まれたばかりの赤ん坊を抱いて誇らしげに微笑んでいた
赤ん坊もさぞ ....
故郷遠く背にすれば
曇天に霞みゆくは青く長い山の尾根
道に続くすすきがどこにでもいる老人のように
私にその淋しい手をふるのだ


通夜の日の廊下は疲れ果てたように行き止まり
昼なのに暗闇 ....
精製されていく社会について


ゆるい登り坂が真っすぐにのびて、空に消えています。
その道には、両脇に銀杏並木が等間隔でならび、
それよりも長い間隔で綺麗なアイボリーの鈴蘭灯がたっています。 ....
北海道にいったら鈴蘭に会っておいでなさい
寒い寒い大地から葉をのばして
日なたにも日陰にも茎をのばし
鈴のように5、6こ
並んで総状の花をつけた
それは、風車のような晩春の香よ

北海道 ....
月形半分子(101)
タイトル カテゴリ Point 日付
車輪の下自由詩2*13/2/17 13:13
ハッピーエンドに眠らせて自由詩513/2/17 0:59
早春自由詩513/2/16 4:57
ヘッセの散歩自由詩313/2/16 4:54
王様自由詩413/2/15 2:18
影法師自由詩313/2/14 0:55
カラフル自由詩213/2/12 0:30
うた自由詩3+13/2/12 0:22
古い社の杜自由詩313/2/11 2:40
ルーレット自由詩713/2/3 3:06
水玉もようのカエル自由詩613/2/1 2:51
自由詩313/2/1 1:34
甘いスプーン自由詩113/1/31 1:36
幸福論自由詩613/1/31 1:33
クリント・イーストウッド自由詩3+13/1/31 1:28
自由詩613/1/30 0:12
自由詩413/1/29 23:26
マイケルジャクソンの青空自由詩613/1/26 3:37
別れ話自由詩413/1/26 3:22
ジプシー自由詩413/1/26 3:18
古本屋自由詩513/1/25 2:28
ケモノミチ自由詩513/1/25 2:20
わずらい自由詩413/1/24 5:24
詩2編自由詩613/1/22 12:11
春隣自由詩313/1/22 1:55
日記詩自由詩513/1/20 13:29
秘密自由詩113/1/20 13:27
峠道自由詩513/1/17 23:36
街の絵自由詩3*13/1/17 2:42
鈴蘭自由詩613/1/17 2:05

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