春隣
月形半分子

春隣


朝から夜中までテレビをつけっぱなしにする
私の垂れ流し好きをどうにかしてくれ
うるさすぎて、何ひとつ変わらずに私の冬が過ぎていく
世の中はどうだ。目眩をおこすほど輝いているのか
歌よ。朝から夜中までどこへ行っても鳴りっぱなしの歌よ。
垂れ流し好きのお前をどうにかしてくれ、歌よ
愛なんて鳩のようにいつもどこにでもいるけど
木はすべて意識を失っているように枯れているじゃないか
私はどうだ。一枚上着を脱いだら、走り出すほどの若さに満ちるとでもいうのか

ああ、そうか。
私は春を待っているのか
ああ、そうだ
私は春を待っているのだ





自由詩 春隣 Copyright 月形半分子 2013-01-22 01:55:14
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