何処までも高く投げたはずのボールが落下をはじめ
それを静止した瞳で追う

身を預けた椅子が軋む音
カフェインの色で染まる部屋
身を預けた骨の軋む音
カフェインの色で染まる声

脳が死ん ....
「箱」

部屋の中で降る雨
窓はもはや絵画
三角錐の頂上はそれほど高くはなく
そこはとても四角だった

誰かしらの手がきっかけで
箱は隙間を許し
本棚は本棚に
テレビは音を放ち
 ....
{画像=101015121000.jpg}


君はどこに行っていたのと
神話が問いかける
ここまで
ずいぶんと時間をかけて
きたのに
ほんのちょっとの不在で
だいなしにしたね、と
 ....
{引用=なめらかな光り、消失
それはあの人
火花散る、消失
それはあの人}

世界が基準の統計
雄大な時間のパーセンテージ
そこに私は含まれているだろうか
例えば未完成に向けて進ん ....
円形のものだけを集めるの
手当たり次第
だって終わりがないでしょ
新しいものだって
古いものだって
すべて円形
それで充分
そうして輪っかの上
いるだけで
何も必要ないでしょ

 ....
禁断の実を食べたのでした

僕らはよく笑う高校生でした
僕らはよく悩む高校生でした

ああ、でも赤い実を食べたばっかりに
帆船の入った瓶のように
海は小さくおさまって
ポケットの中で眠 ....
金色のイングリッシュハーバーと
ほの暗い夜の、木造の波打ち際で
一線を越えずに囁きはさぐり合う
{引用= So move with me
With me removed}
エコーするハーバー ....
遠く山の{ルビ頂=いただき}で
待ち焦がれた炎は消え
緑立つ少年の波は
今や金色の秋に燃え
激情は嵐を忘れ
ただ思い出を吹きすさぶ

燐光、空たかく
せいのびせども
つまさき立っても ....
胸に彫刻刀をあてて
誰が家紋など彫ろうとするのか

いづれ君は
かどをヤスリで削って
私は誰でしょう、なんて
笑って(泣いて)

それでも
叩いた音の響きで
君はすぐに見つかっ ....
焦げついた喉の奥に最も暗い夜がある

野犬逹が吠える
それは肺のもっと奥の方

何処か雲で霞みがかる月

歌いだせば
全ては煙のように這いで

誰の耳に入ることもない
それは誰に ....
男は94ページを読み終えると、時計を目にした。

7時23分。

昨晩から雨が続いている。
グリーンの縁の窓から臨む景色は、霧がかっている。
溜め息をついてはみたものの、こんな休暇も悪くは ....
灯台みたいに光る目と
夜空を照らす回る首

両手は常に塞がっています
だって、なにが起こるかわからないでしょ
いつだって捨てられないもので手が一杯なの

{引用=お馬鹿さん
どんなに利 ....
角砂糖ひとつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個室
父が一杯の水を差し出す
母が一輪の花を差す
それがかつての始まり
最後に望む光景

角砂糖ふたつ分のダリで歪んだ
そんな私の記憶の個 ....
私がとても遠いのだと思っていた人は
すぐ目の前にありました
なぜならその人は海だったのです

必要とあれば向こうから
そうでなければひいていきます
私がどんなに駿足でも
どれだけ望みを握 ....
{引用=領域を徐々に侵してゆく不均一な煙のような
その渇きは}

意識の最も深い階層に砂の粒はあふれ
ああかつてのそこはなんであったか
今を放浪する怪物の名は私の三分の一足らず
どうして気 ....
外は今日も騒がしい
豊かな自然
沢山の人間と沢山の生き物
私は今日も窓からその変容を眺めている
それはもう毎日のように

この窓辺から遠くへ臨むことだってある
窓越しに映画を見に行ったり ....
冬の間、生活していると
だんだんと埃まみれになってきて
粉糖をまぶしたケーキみたいに
頭の先からアルプスのよう
そんな時に誰かがやってきて
ふーっと吹いて埃が舞って
中から出てきた蓋をあけ ....
じっと生活していると
だんだんと埃まみれになってきて
埃のおばけみたいに
手なんかもうサボテンのよう
そんな時に誰かがやってきて
ふーっと吹いて埃が舞って
おばけの中から一瞬わたしが出てき ....
乾いた舌を絡めあって
水分を奪い合い
お互い骨だけになって
風が吹くだけで
崩れてしまうような
何もない場所になって
辛うじてしがみついた
苔のように
それで誰も
足を滑らせたりはし ....
閉めきった部屋の中を
風が吹き荒れるなんて信じられる?
でもそれは本当のこと

現にそれで海は荒れ
帆をたたんだ私の帆船は
航路をそれて思わぬ方へと運ばれた

情熱からくる行為のそのほ ....
ねえ君はゼブラ
等しく白と黒のゼブラ
でも誰も知らないゼブラ
黒い名前のゼブラ
でもほんとうは等しく白いゼブラ

ねえ僕達みんなゼブラ
等しく白と黒のゼブラ
でも誰も知らないゼブラ
 ....
船の上で皆が天を指差している頃
私の感心はただただ音の方へ
皆が競って星を奪いあううちに
ステップは外れ
ビールはぬるくなっていること

気づかないでしょうね
むしろ離れていったのは陸地 ....
私達は風景を食べている
そしてもうひとつの地球のような
そんな世界を造りその上を歩いている
しかしそれはとても、とても小さい

幾つもある小さいを繋いでみようと試みるが
誰も縫い目ひとつに ....
ローテイトする空気
ツンとした金属
それが君

つい触れてしまいたくなる
そびえる金属の塔
不可思議
早巻きでみる植物のように
私は蔓を伸ばし試みる
君への動脈
ツンとした金属
 ....
天使と間違えられた悪魔が
今まさに翼を拡げて地上を去るところでした

人々の彼への愛は(またはその逆も)確かだったはず
なのに彼の血が自分達と違うのを見ると
一同揃って鍋に蓋を閉めました
 ....
宇宙から地上へとのびる滑り台を滑り降りて僕らは生まれた

あまりはっきり覚えてないけどあの光景をもう一度見たいから

僕らは長い時間をかけてより高い宇宙への階段を登ってる
拳を握り立つ女の背中の弓が跳躍する
大地のステップをくぐり抜け
夕映え瞳の奥
火燃ゆるその矢が到達すべき心臓へと導かれ
まさに射抜くのを誰もが目撃した

唇は乱れひとつなく
確信が彼女の ....
かつて若者と呼ばれた者ども
シェミハザの血を受けつぐ我々の
集う先は彼の山にある
神でも徳にでもなく
己の名に背を向けた
かつて若者と呼ばれた者ども

子を持つことが許されるなら
せめ ....
私がまだモクセイ科モクセイ属の常緑小高木だった頃
女は窓に立つ鳥でした
私がまだ荊のような神聖さを保っていた頃
女は鳥をやめ風景になりました
そんな女が周期的な区分でグラデーションを繰り返す間 ....
父は木製
母は金属製
そんなわたしの骨は木製
そしてどこか金属製

寄り添う啄木鳥
蝕む啄木鳥
偶然かわいい一羽くらい
薄い音を鳴らすときどき

黙る木製
黙る金属製
そんなわ ....
瑠王(221)
タイトル カテゴリ Point 日付
14時自由詩710/12/6 13:52
Ten days of blue 1/4自由詩410/11/22 21:28
合作「星たちの邂逅」自由詩8+*10/10/15 13:40
scene (without)自由詩6*10/9/27 17:23
circle自由詩4*10/9/15 23:28
赤い果実自由詩8*10/9/15 15:19
The Audience自由詩0*10/9/8 13:12
あまりりす自由詩4+*10/9/3 14:53
セロファン自由詩6*10/9/1 17:27
誰にも見えぬ夜自由詩7*10/8/1 3:32
healcaのお客様へ散文(批評 ...6*10/7/30 0:31
愛でる手自由詩6*10/7/27 12:18
記憶の個室自由詩9+*10/7/22 19:37
潮と月と人間と自由詩14*10/7/16 16:05
共存自由詩7*10/7/14 17:10
飛んでいく家の話自由詩5*10/7/8 14:37
埃まみれの #2自由詩5*10/7/7 16:35
埃まみれの #1自由詩3*10/7/7 0:06
was word.自由詩2*10/7/5 17:52
閉めきった部屋の中で嵐はうまれ自由詩4*10/6/29 13:15
白と黒のゼブラ自由詩2*10/6/28 13:10
航海自由詩3*10/6/28 11:50
Patch Work #1自由詩11*10/6/28 11:34
ツンとながす君自由詩8+*10/6/9 14:04
翼を持つもの自由詩6*10/6/7 22:52
滑り降りてくる輪廻自由詩5*10/6/3 12:05
拳を握り立つ女自由詩4*10/6/2 23:17
グリゴリ自由詩2*10/6/1 13:14
柊と鳥自由詩5*10/5/28 22:50
カストール自由詩8*10/5/25 13:12

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 
0.07sec.