すきなひとに気軽に
すきと言えないように

きらいなひとにきらいと
言えるはずもない

一緒の鍋をつついても
心にふれないよう気をくばる

湯気があたりをぼやかして
ほんとのことが ....
おとしよりが
せかせかと歩く少しウエーブした腰は
なにものかを背負っているからなのだろう

からっぽの両手を
少しきちんと膝においた
見透かされそうな私

夕日と一緒にどんどん進む
 ....
そうだね
って言うのはむずかしい

たったひとことなのに
そうだね
って言えない

認めたくないわけじゃないと
おもったけどやっぱり
認めたくないのかもしれない

わたしは正しい ....
独り言に
返事しあう老夫婦の
ひとつあけて座る
ベンチのわたし

なってもいいかな
こんな未来図を
感じながら
伸びをする午後
こどものころ
うそをつくときドキドキした
あいての顔をみられなかった

今は簡単に嘘がつける
安心して話しができる

ほんとうのことは
真っ白な綿につつんで
大きな木の根っこにうめる ....
今日抜かれるはずの歯が
主張する朝の痛みは
昨日をやはり後悔させる

なくすときには
必ず痛むものですね
なにごとも

今日までのわたしさようなら
あとすこしで
わたしの知らない
 ....
心が感動したがっている
かわいてパサパサしているから

ごめんね
そんな言葉ではもう
ふくらまない希望

ゆるやかに降りる坂道は
静かにカラダに苦痛を与える

それでも歩かなければ ....
神さまなんて信じてないわたしだけど
太陽を神とすることにした

わたしは確かに太陽から
うまれたんだとおもうから

困ったときも
うれしいときも
太陽を想う

なんだか顔をあげたく ....
せまいところがすきなひとは
おかあさんのお腹の中がいごこちよかったひと

せまいところがきらいなひとは
ひろい海がわすれられないひと

そんな言い伝えが
あったらいいな
そんな気分の日 ....
夜のある時間には
落とし穴があるのです

いきなりストン
やれやれです

居心地よかったり
泣きたいのに泣けなかったり
しにたくなったり

落とし穴が
ちゃんとあることにほっとし ....
夕焼けは
顔をあげていないと
みえないよ

すいこまれたいような
あかい方向には
どんな世界があるの

今日の失敗とんでゆけ
じきにくる夜に
おいかけられている私
むかいあっているけど
それぞれが それぞれのパソコン画面をみているの

ポテチを食べる音だけがひびきあう
まあ私はうす塩なんだけどね

話さなくても
まるで話しているような距離
わかり ....
適当にへんじしてごめん
ちゃんときくのつらいから
一番上の層できいたの

うわっつらでほほ笑んでごめん
あなたは気付いてないね
心じゃ怒っているの
それはだしちゃいけないの

ほんと ....
がんばった今日も
がんばらなかった今日も
わたしの指からきえてゆく

あなたが泣いた時間も
あなたがついたためいきも
あなたの手からきえてゆく

こんな風になにものこらないとおもっても ....
けんかした
言ってはいけない言葉をたくさん言った
殺してやろうとおもった
言葉で

あなたがでていくのを押しとどめて
出られないようにして
ぶつけて
ぶつけて 言葉を

傷つけてや ....
しねとかいうけどさ
しぬってきえることじゃないよ
しぬって
いまがずっと続くことだよ

もうやりなおせない
ぽっかり
あながあいちゃうことだよ
簡単がいい
すぐにわかるもの
すぐにできるもの
すぐに泣けるはなしがいい

あたまも重くなるよるだから
ほろりととける
お酒のようなはなしがいい
詩がいいとおもう
おとうさんとおかあさんはりこんした
わたしにそうだんもなくりこんした

けっこんするときも
わたしにそうだんしなかったから
りこんすることもそうだんしなかったんだろう

そうおもうことに ....
いいこととわるいことを知りたい
どっちもおなじだけ知りたい

いつもバランスが悪いから
かたむいてしかたない

あなたがなぜ泣くのか
あなたがなぜ笑うのか

いつもちゃんとわからない ....
コスモスは頭が重いので
ふらふらしながらたっています

彼岸花は
視線が痛いので
ぴりぴりとんがって咲いています

風は平等に
ふいています

花にも
わたしにも
悲しむことが得意だ
なにも言わず
悲しむことが得意だ

そんな自分がずるくて
嫌いだった昨日もあるけど
それすら悲しむことにしている

とてもとても悲しくて
風呂の底に沈んでいるよう ....
あるいていたい
うつむいていても

あるいていたい
なみだながしていても

あるいていたい
背中がちくちくいたくても

だれかの目にも
だれかのこえにも
おびえる夜はあるけれど
 ....
ちょっとだけつく嘘まやくみたい
ほんとばっかりじゃつらいよね

裏切りがきらいなあなただけど
ほんのちょっと
まじる嘘にはきづかない

やさしくごはんをよそうから
むかいあってたべまし ....
いいことがしたい
あなたが喜ぶような
なのにわからない
なにをすればいいの

いいことがしたい
ほめられるような
なのにわからない
なにが正解なのか

ぜんぜんわからないから
な ....
通勤途中に猫がしんでいる
そのそばをわたしはとおる車で

みなけりゃいいのに
毎日それをみる
毎日

しんでいるなあとおもったり
ごめんなあとおもったり
なんともおもわなかったり
 ....
私が悪口を言ってたのはあなたのことよ
なんて言えない女友達
面倒くさい

正しいってこともわからなくなる
どうでもよくなる

つきあいって長くなるほど冷たくなるのかな
特に女は

 ....
本気で怒ることがない
自分がだんだん薄くなっている

どうせ
と毎日言う

おいしくなくても食べるごはんみたいに
いちいちいいわけをする

おふろで
だれもみていないのにうつむく
 ....
台風ってだれの息
なぜみんな震わせてゆくの

台風ってだれの声
あんなに悲しそう

かたくしめたドアから
しのびよるささやき
心配なのはあなたのことと
おもいたいのはわたし
三年後にはいくつになる?
五年後は?

答えはわかっているけれど
どんな自分でいるのかわからない

昨日と今日
おなじわたしにみえる

中身は同じじゃない?
大木の前できいてみる
 ....
お母さんとはなすとき
うめられた地雷をときどきふむ

お母さんを怒らせると
いつまでもかなしい

お母さんはいいな
お母さんは自由で
ずっとずっとそうおもってきたんだよ

それがち ....
朧月(1707)
タイトル カテゴリ Point 日付
土鍋のこころ自由詩1215/10/31 19:58
先達自由詩415/10/29 19:50
そうだね自由詩415/10/29 9:43
バス停自由詩215/10/28 14:36
みちしるべ自由詩515/10/27 9:34
抜歯する日自由詩115/10/25 6:18
詩集探索自由詩215/10/20 8:04
太陽の子自由詩415/10/19 22:54
休日のひとりごと自由詩315/10/18 10:13
夜の落とし穴自由詩515/10/16 21:09
夕焼け自由詩215/10/16 19:07
画面越しのひと自由詩115/10/15 21:57
おんなのきもち自由詩215/10/12 21:00
きえないみち自由詩215/10/8 22:41
闇汁自由詩415/10/6 21:51
深い穴自由詩215/9/26 21:15
お手軽詩自由詩115/9/25 21:22
おとなになる自由詩215/9/24 20:50
おんなじ自由詩315/9/23 22:17
風の中自由詩515/9/23 19:44
悲しみ上手自由詩315/9/22 22:10
あるく自由詩315/9/17 22:43
少しの嘘自由詩415/9/16 19:29
このドアをあけて自由詩515/9/15 22:16
猫へ捧ぐ自由詩715/8/30 21:19
おんなどうし自由詩215/8/28 21:04
あえない人を想う夜自由詩315/8/27 21:18
台風女自由詩315/8/25 20:45
年輪自由詩415/8/25 8:53
お母さんと地雷自由詩615/8/10 22:29

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