おれたちがここで踏みとどまって戦う意味はあるのか?

国破れて山河在りというが

海は死ぬし、山も死ぬ

人は死ねば いずれ十掴みの灰に

だが、逃げるのか?

出来ない、そんなこ ....
銀色の螺子を巻け、みなしごの群れ
狂王の酒坏を真白き薔薇で満たせ!
我ら日輪に背を向けて歩く輩、
腐敗の風に乗り世界を噛み殺す。
煤けた体を驟雨に洗う、
叛逆の蒼き衣が今ここに凱旋する!
 ....
冬の弾き方を、だれか教えてほしい。

夏の奏で方を、だれか教えてほしい。

青空にたなびく白い五線譜は

燃え盛る黒い夜を呼ぶ

重爆撃機が描く交響曲

ぐずつく雲のはこぶ雨の匂い ....
燦々と降る陽光

たちのぼる陽炎

橋の上で蜜柑が弾けた

まぶしい昼は倒れた

頭から爪先まで断続的に覆われて寝ている

白けた月が残る黎明はただ冥く

砂を噛んでやり過ごす ....
誰も知らない工場で換気扇が風と遊んでいる

忘れられたワセリンガラスが朝日に炙られている

埃にまみれた大気が分厚く層をなして

なぜ此処にいるのかわからないまま

永劫に{ルビ中二階 ....
血液混じりの夕立が

夕凪の前にやってくる

生臭い風が通り抜け

生暖かい体温と

生暖かい気温が

溶け合って少しずつ散逸し

透明なビニール傘越しに

赤き血潮は色褪 ....
狭い狭い座席に押し込まれている

にらみつける視線の先で計器盤にひしめき合うメータが囀る

昼、透き通った天蓋は憎たらしいほど美しく蒼い空を見せつける

悪意ある小宇宙だ、ここは

凍 ....
【閲覧権限:社内・一般】

ラメラスケイプ社一般コンテンツアーカイブ

作成者:イデア部アムネジア課主任 島原ジオガディ・裕仁

作成日付:2047年10月29日

ドキュメント名:マ ....
昔々の話だった

緞帳が上がり、死が溢れ出した

この学園に人間は居ない

すべてが女子高生になる

物質が歪み、魂が捻れる

緑色に燃えさかる流星群

なにもかもが喪われ
 ....
……か?…………ん

ほこりのつまったラジオが喋る

天国門聴こえるか?こちらは地獄門。

周波数は50ヘルツだ。

西荻窪に雨が降った。

ローソンのイートインに来い。

見 ....
啓開せよ!夜に別れを!

サイルサンドラからパミールの烽火へ、『ヨアケ・ヨアケ・ヨアケ』送れ

全隊突入開始!



燃えさかる太陽がやってくる

大地には死の曼荼羅を

訣別 ....
(警報音)(警報音)

明けない夜がくる
明けない夜がくる

銀の鍵の門番、
処罰者は黒い外套をひるがえし、
夕凪のあとをついてくる

桜の国に風が吹く。

黒い……

光… ....
緞帳をあげよ 決戦のときは来た

オリンピックがはじまる

沃野に死が降りそそぎ

血まみれでのたうつ菊の花

小さな王冠をかぶった騎士たちが

青ざめた顔で海からやって来る

 ....
しかばねの海に咲く花もすべてが愛おしいあの日々の{ルビ残骸=ぬけがら} その日は沼のほとりを走っていた

発動機のささやきを聴いてなお死んだような静けさの水面

見上げればモルガナイトを砕いた砂を撒いた空

レンブラントとマグリットが同時攻撃をかけてくる

 ....
神無月に肉を脱ぎ捨て 祖母が逝った。

思えばもっと前から祖母は半分海を渡っていたようだった

精神ここにあらずといったふうで

ときどき正気のあるときは「死にたい」とこぼしていた

 ....
夏がビー玉に映っている

セミが静けさを連れてくる

氷が爛れるほどの熱がすっと引いてゆく

夕立だろうか?

めきめきと育つ入道雲 遠雷がきこえる

風が稲穂をゆらし

水面 ....
瞳のある歯車

喋る螺子

拒む撥条

むきだしの人間

戦争という病

自明性の喪失

墜死する魔女

轢断、轢断、轢断。

白黒と黒白の黒潮と親潮

引き裂かれ ....
踏み荒らし


老いた敗残兵の話を聞いてくれ

君よ

剣の川を泳いで渡れるか

しょせん一発の弾丸

マグネシウムのように命を燃やし

かっ と光っては消える若さよ

 ....
われわれは


黒い雨にうたれてなお


優雅に立てるだろうか


遠い蝉の声に


じっと耳をすます


あのひとの肖像を


そっと机に伏す
見上げれば桜花の天蓋
わたしは樹の下の死骸
たたかいに敗れねむる
幾千の同胞と共に
春の梢に再会を誓い
散っていったものたち
空の眼窩が見つめる先に
真白き桜花の天蓋がある
あたしは秒針がきらいだ。
一秒ごとに死にちかづいてく
いやみったらしく音たてて
わけ知り顔でまわってる
文字盤に数字がこびりつき
焦げついたころに、アラームが鳴る。

からだは暗やみから ....
忘れちゃいけないことがある

忘れちゃいけないことだから

ぼくは、手のひらからにじむ消せないインクで

岩石にそれをずっと書きとめる

忘れちゃならないことなので

紙でも木でも ....
すっかり冷たくなった手に息をふきかける

霜の降りた道路をあるいてゆく

昼間だというのにとても日は低くて

息は白く 凪いだ空へとたち昇る

凍て空を見上げてみる

ひこうき雲を ....
「いつも死神と鬼ごっこだったさあ」

赤い星の男『さそり』はそう言って銅色の髭をなでて笑った

極から流星の雨が降る夜だ

魔法にかかったような音楽、特にフルートの音色が

高く低 ....
閉ざされた窓のむこうにひこうき雲が

長い長い航跡をのこしてゆく

銀色の四発機がひっそりと曳く

その青を刻む白いもやが

私のこころに軛をはめる

そして数えきれない窓たちが
 ....
雨のように舞え

雷のように歌え

烈しく、きらめけ

かくされた星空は

雲のうらがわで さんざめく

月は涙をながす

三千世界の鴉が はばたく

はじけろ、吼えろ
 ....
さやさやと雨、ふっている

地のにおい、そわそわと匂う

ふるごとに、秋、ふかまって

曼珠沙華のあとに金木犀

ああ、こんなにもすてきな季節

甘やかな死にさそう

かれおち ....
台風と共にさりぬ夏 風が立つ わたしは語ろうと試みねばならぬ

閉じたとびらのむこうに 何があるのか



風が立つ わたしは殺さねばならぬ

胸の中で にくらしい太鼓がまだ打っている



 ....
高原漣(142)
タイトル カテゴリ Point 日付
太陽の残欠自由詩121/6/25 1:11
喪われし統合の英雄譚自由詩1*20/7/1 0:19
四季を悟るにはどうしたら?自由詩1*19/8/21 23:19
残火自由詩1*19/7/22 21:45
最果てに咲く蓮自由詩1*19/5/31 2:48
自由詩1*18/12/12 1:56
皇墜自由詩0*18/11/28 23:21
未来メモ自由詩1*18/10/30 21:42
死立流星群女子学園自由詩1*18/4/16 1:09
トーキング・ドラム・東京自由詩2*18/3/3 1:22
其は黎明を告げるもの自由詩1*18/2/1 3:10
宵をゆくもの自由詩017/11/13 21:36
ダウンフォール自由詩1*17/6/16 23:10
水漬く想い短歌017/3/11 17:32
弥栄の空模様自由詩016/12/24 20:10
渡つ海自由詩3*16/12/17 1:41
空電歌謡は奈落のまぼろし自由詩3*16/8/17 0:13
ダズルのパズル自由詩016/3/22 3:58
踏み荒らし自由詩3*15/12/17 0:56
或る肖像自由詩1*15/8/9 3:58
花かんむり自由詩1*15/7/25 3:08
含み針自由詩2*15/1/8 12:53
消えないインク自由詩015/1/7 1:21
銀麗自由詩1*14/12/19 1:45
zenith自由詩1*14/8/4 3:20
叫びだす無数の窓自由詩014/5/6 1:19
空をうたう自由詩1*13/10/26 1:11
霜・秋・変自由詩4*13/10/4 1:01
北へ自由詩1*13/9/16 23:35
八月のメテオール自由詩1*13/8/6 15:06

Home 次へ
1 2 3 4 5 
0.09sec.