私は、ビートルズを聴くと新百合ヶ丘駅のプラットホームフォームを思い出す。
学生の頃私は、通学に小田急線を使っており、新百合ヶ丘駅は乗り換えの駅だった。
季節は春か、秋。
冷たい雨が降っていた。
 ....
国道の信号を過ぎると、畑があり、ゴルフ練習場があり、畑がある
モーテルがあり、また畑
朝夕の通勤道路を聖火ランナーが走る

出勤する時は、聖火リレーの前で
帰宅する時は、走った後だった

 ....
走る
男、三十路を過ぎると、ふとした時に体力の衰えを感じるようになった
健康のため、走る
週に1度、或いは2度、できることなら3度
自宅から少し、川を渡り、対岸を回って、次の橋から戻ってくる
 ....
あなたは去った 私のもとを
私はそれを 喜ばなくてはいけない
喜びたい

あなたが今 幸せに暮らしていたら とても嬉しい
あなたが今 泣いていたら やっぱり悲しい
あなたは去った 私のもと ....
昼も夜も、夜も昼も、サバンナで走り回ったのははるか昔だ。
誰よりも早く駆け、獰猛で、向かって何でもかんでも噛み付いた。
誰も逆らわず、有頂天で、自分勝手だった。

歳月が経ち、一本、また一本と ....
彼女はほんとうは、登ろうとしていたのではないか

山頂の標識に手を触れると、もうすることはなかった
あたりは一面雲の中で、遠望できるはずの峰々も麓の集落も、
あるいはどちらが上でどちらが下なの ....
昼下がりの私鉄は、混んでるでも、空いてるでもなく、ちょうど座席が埋まるくらいの乗客だった。
急行は止まらない駅に停車すると、トレンチコートが乗り込んでくる。
ざんばらな髪。
マスク。
そして、 ....
遅番の勤務が終わると、すっかり夜の真ん中だ
人も車も絶えた県道
遠くまで並んだ青信号

夜取り残した原色の電光看板
この店の窓はいつも結露でいっぱいだ
入り口を入って、半島型のカウンターを ....
昼まは強かった風もすっかりおさまった。
田んぼは植え付けが始まっていたり、いなかったり、左手の水を張ったものは月への道を示している。
アスファルトの道が真っ直ぐに伸びる。

車はほとんど通らな ....
私は、自分勝手な男です。
私は、あなたの笑顔のために、力の限り尽くそうと、
この身の犠牲は厭わないと誓いました。
私は、あなたに思いやりの大切さを、
心配りの尊さを説きました。
それなのに、 ....
あるインターネットサイトで「もしあなたが、一日だけ可愛い女子高生になったらなにをしますか」という記事を見た。
マルキューで買い物?
美容院に行く?
ナンパされてみる?
いろいろ考えてみたけれど ....
ふと広辞苑がほしいと思った。
いや、学生時代からもほしいとは思っていたのだが、いつしかその欲求は薄れ、また思い出したのだ。
単に国語辞典が必要と言う訳ではない。
むしろ仕事上はなんら必要もない。 ....
壁にカレンダーが掛けてある。

A3サイズくらいの大きなカレンダーで、今年の1月に会社の応接室の横にたくさん余っていたものの中から持ち帰って来たものだ、
京都の庭園と題されたカレンダーは、上部6 ....
大人になったのわたしは 眠たい時に寝る
あるいは 眠たい時にも寝ることを許されない

子どものころは違った
短い針が9のところに来ると 布団に追いやられた
否応なく灯りが消された
二段ベッ ....
ネギ塩トリ丼を作って食べる
美味しい
量が多く途中で飽いたので、生卵をかけてみる
これはまた美味い
新しい発見に満足し完食

茶を一服

なんのことはない
世間で言う親子丼に近づいた ....
いつもありがとう

わたしは
あなたの顔を知りません
あなたの名前を知りません
あなたの住処を知りません
あなたの歳を知りません
あなたのことは、ほとんど知りません

わたしは
あ ....
彼は着いてきた

ぼくはあちらこちらへ行く
黒い森に行くときも
白い街に行くときも
彼は着いてきた

彼がいつからついて着たのかわからない
気がついたときには ぼくの少し後ろを歩いてい ....
どうして下らない男ばかり好きになるんだい
あいつは、君を幸せにしない
君のことを考えてすらない
それは君にもわかっているはずだ

君の話を聞くのは好きだ
しかし、あいつの話となると、聞くに ....
暦は秋に変わっても 空気は蒸し暑さを残していた
遠くで蝉が
近くでコオロギが啼く

時計の針が かしゃり かしゃり
普段は気にならない音が 勘に障る
暑くて 煩くて 眠れない
 ....
家から駅までは、坂道と緑の多い住宅街。
バラがキレイに咲いた庭がある。
ゴム底の靴は、足音がしない。
駅まで、たくさんの人が追い越していった。

東京の街。
君と手をつないで歩く ....
退院してからというもの、自分でも呆れるほど堕落した生活をしている。
今朝にはもう、痛みは殆ど消えた。
我慢できないようならと、処方された痛み止めは一度も飲んでいない。
それでも、左手に大袈 ....
毎日、毎日、忙しくて仕方ない。
世の中の多くの職業ドライバーは、どんな気持ちで来る日も来る日もハンドルを握り続けているのであろうか。

ある月曜日。
午前5時起床。
食パンを齧り、江坂駅へ。 ....
掛川は大東温泉で、お湯を頂戴しまして、お酒も頂きまして良い気分。
昼間からの酒宴で、その後に昼寝も付くという大変な贅沢をいたしました。

目を覚ますと、黄昏の刻限。
国道150号線は、右 ....
日曜日の散歩は ぼくの分担だ
犬のチャップを連れて散歩にでた
放任された資材置き場を歩くと 古い梯子が落ちていた
とても長い梯子で ぼくの三倍はある

梯子を起こして 角の桜の木に立てか ....
ぼくはいつも作業服を着ている
田舎ではみんなそうだったし 何の不自由もない
社名の入った制服 オフの日でも安全靴
それがぼくの正装だ

そんなぼくの格好を 都会の君は嫌った
ある日 一 ....
蚊 疎ましく 蝋燭の灯にて 書物読む

いざ宵の 月を見ようと ヘリポート

日中も 仲良く繋ぐ 万国旗

運動会 紅より白より 翠い空

石段の だいだい色の 曼珠沙華
また 落ちた

今夜は秋の風

静かだ
セミはどことへ行っただろう

自分のツッカケが
カサリ コソリ

島へ来て たくさんの流れ星を見た

星の名前をいくつか覚えた
教えて ....
知らぬ間に 母がエアコンを入れている
こんなにぐっすりと眠ったのは 久しぶり
右の足元に星明り
首周りが心許なく タオルケットを深く被る

幾重にも重なる虫の声
「まだ夜中よ ゆっくりとお ....
君が入れて呉れたコーヒー
スティックシュガーを 半分入れる
甘すぎるといけない

君は「残りちょうだい」と言い
残り半分のスティックシュガーを使う
「だって、ダイエットしてるから」
 ....
自動販売機の 無骨な音は変わらないのに
近頃の 缶コーヒーは旨い
低気圧が近づいて 波が高い
海水混じりの風が 鼓膜を揺らし続ける

俺は 不味いコーヒーが飲みたかった
歯が溶ける甘味
 ....
アマメ庵(51)
タイトル カテゴリ Point 日付
新百合ヶ丘駅自由詩323/5/4 10:02
聖火リレー自由詩121/3/31 20:36
合掌自由詩120/4/13 21:37
雨あがり自由詩219/8/23 9:06
自由詩718/12/21 13:52
すれ違い自由詩218/9/25 13:19
凶行自由詩215/2/8 21:31
牛丼屋自由詩615/1/28 12:17
夜間飛行自由詩114/5/19 12:36
自分勝手自由詩014/1/23 1:39
もしあなたが、一日だけ可愛い女子高生になったら何をしますか自由詩213/11/13 10:35
広辞苑散文(批評 ...213/11/6 10:18
カレンダー散文(批評 ...113/10/25 12:24
秋の夜長に自由詩213/9/16 20:55
ネギ塩トリ丼散文(批評 ...213/9/1 20:11
あなたへ自由詩413/8/23 18:55
自由詩313/8/9 20:42
もらい泣き自由詩313/8/4 9:16
眠れない夜自由詩011/9/11 23:45
歩く自由詩311/5/27 1:29
ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」散文(批評 ...311/2/13 0:38
トラッカー大ちゃんの運転日誌散文(批評 ...011/1/22 20:26
月は東に散文(批評 ...110/12/19 19:24
梯子の話自由詩010/12/14 8:21
自由詩410/12/13 19:22
5句俳句010/9/26 18:34
流れ星自由詩110/9/17 1:30
新涼自由詩010/9/10 3:56
スティックシュガー自由詩110/9/4 17:53
缶コーヒー自由詩210/8/27 21:54

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