星形の 軟体生物 人と似た 僕は果たして 人に成れるか 冷凍庫には、あのときのライブの唄声を
飾らない歌詞を紡いだあの瞬間を
レンジで3分も過熱すれば十分
ヘッドフォン大音量で聞いているの

野菜室には、4月の桜の花弁を
憧れの人の隣に座ったあ ....
君のこといずれ知らない僕に成る
僕のこといずれ忘れる世界に成る
観覧車密室の空虚が心地よくひと時忘れるこの恐怖

遠足の山でふわりと風が吹くときに感じるこの恐怖

真下へと落ちる夢さえ起きた時からだが震えるこの恐怖
六畳半の部屋は水に溺れてて
家具は全部濡れてしまった
ああもうきっとテレビとかは、映んないね

大好きな猫のぬいぐるみには鱗が見えてる
彼に貰った指輪にはヒレが生えてる
毎月買ってる雑誌は ....
何時の日か
もしも僕が
きみのこと
忘れた日には
ころしてください
背中を合わせれば見えないものは無い
けれど振り返れば互いしか見えない
焼野の匂いがして参りました
屹度戦が今し方終わったのでせうね

貴方は仰向けになって居るので
私からは貴方の顔を拝見出来ません
だうか此方を向いてはくれませんか
体を揺するだけでは困ります ....
右手には拳銃を持ち
誰も居ないデパートで刺客に追われる
私が狙っているのは赤髪の少女
怯えながら逃げるその女を殺すこと

エレベーターを逆に駆け上り
デパート内を逃げながら追いかける
ま ....
眠る前には おやすみなさい を
目を閉じることは無い貴方へ向けて
何時でも微笑を浮かべる顔に
軽くキスを
嗚呼 冷たい

そうして片目から涙が零れていても
貴方は慰めてはくれないと知って ....
意味のないものは必ず白い部屋散らかる玩具に目を留めるの


がらくたを寄せて集めて作られたひどくかなしいいきものたちは


赤い目を握り潰してもう二度と君は見ないと約束するよ


 ....
かたこと
左隣に少女
向かい席に老婆

かたこと
右隣空席
後ろに霞がかる空

かたこと
気付いたことが有る
或いは気付かない振りをしていただけかもしれない
右隣空席
車掌のア ....
真夜中月明かり薄明かり
打たれる麻酔の冷たさ
ふわふわ浮遊する意識で
透明な飴を舐めるの


(あたしはきっとひとりだから眠るほうがいいの)
(ほらかがみにもうひとりあたし)
(きっと ....
君は生まれ 

死を目前とし
 
僕に願った

この手に触れて

この手に触れて

生きていたいと

死にたくないと


この腕を伸ばし

その腕を掴み

行くな ....
君が死ぬその瞬間に限定の唄を唄うと約束しようか ランドスケープ
この景色
晴れすぎた空に溶けたのは誰

ランドスケープ
この情景
懐かしい視界は今も瞼の裏に焼きついている

ランドスケープ
この感情
血と包帯の手で貴方の傷跡をな ....
声を忘れて生きたくせに
唄いたいと呟いてどうして泣くの
与えられてしまった曲線は
繋げることはできなかったの

ソルファ、
「懐かしい」に似た感情を
もう思い出せないね
聞こえないね
 ....
割れた月を見ていた
窓には冷えた空気が淀んでいた

振り返る
君の惨めな横顔が見える
その青白い頬
笑えないよ
 
割れた月を見ていた
窓には冷えた空気が淀んでいた

絶望も希望 ....
覇気の無いアルバイトがゴミを捨てに来る


ゴミ袋の中を漁り糧とする黒猫が居る


しばらくして、中毒、あるいは病で死んだ黒猫が居る


亡骸を群れてついばむ鴉が居る


食べ ....
意識が続くあと数時間
空気に触れられた部分から解けていく気がする

混み合った世界の終わり方はこんなに穏やかじゃなくても

だけどたまに思うんだよ 

誰も救われない世界を見てみ ....
あと3つ数えたら
もう逃げられる
残してくれたこの体温からも

無理矢理に身体を動かせ
呼吸のしない亡骸から出て行く
終わりの無い空洞
それも生への犠牲?


混み合った生の終わり ....
ぶちり ごくん

とりあえず噛んで、引き千切って
流れ出た血液は全て飲み込む
消化される時間も 
あぁ もったいない

対照的なその鋭い爪が
掻き毟る首
どうして、って叫ぶその瞼が
 ....
失敗した音を嚥下する度に
酷く痛む口内
ありそうもない音を作って 
それをすぐに 殺してしまうの

殺せないよ 
殺せないよ 
殺せないから 
殺されちゃうよ

聞こえないよ
聞 ....
もうおやすみ とつぶやく こえは
あなたに とどいたのでしょうか
まぶたを とじる しゅんかんに
あなたは なみだをうかべていた きがしたのですが

ろくがつむいかの あめはふりつづいていま ....
闇が聞こえて、螺旋の階段を写す

かたり、かたり、と降りる音がする

圧迫されるようなまでの重い空気が止まることなく、変動する

上がっているのか、下がっているのかはわからない

少し ....
ありきたりかも知れないけれど
願いを載せた歌詞を作る
辛うじてそれを唄にした声は
冷えた空気を吸い込んで、震えていた

ふわり、最後まで寂しがりやの黒猫を抱き締めた
とくり、と鼓動はきっと ....
触れた硝子窓は絶対零度
その瞬間から解けていく

元素の化学反応の連鎖
壊れて繋がる、この永遠ループ

フラスコの水面に、泡立つ蒸気
弾けて溶ける 溶けて弾ける

汚れた白衣に薄い日 ....
あのはなをつんで、ときこえた

もうすぐ枯れそうな野花、を

そのはなをつんだ

ずきり、 「気のせいか」


ふりかえる

だれもいない

雨はどしゃぶり

雨はどしゃ ....
綺麗なだけの水の中 

廃れることのないこの体

頭の中は常に霞み 

視界は晴れることなく歪む

全てが溶ける部屋で僕は現実を知った



閉じ込められたままの僕等

泳 ....
眠い瞼に写る人影を 誰かと知る
少し息苦しいのはこの首に有る 太陽の行為

いつ此処へ来たの
ガラクタばかりを寄集めて出来たヒーローを
夢見ていたのは確かだけれど

名前を呼ばれるけれど ....
梨玖(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
海の星より。短歌110/5/23 20:01
the past in refrigerator自由詩1+10/5/23 19:33
記憶俳句010/5/8 15:36
acrophobia短歌3*10/5/8 15:31
水族館部屋自由詩310/5/8 15:23
遺書短歌210/5/4 1:57
Zwillinge 双子自由詩510/5/4 1:44
土の恋自由詩110/4/27 13:58
一時間の夢自由詩210/4/27 13:31
恋をしたロボットへ自由詩009/8/2 0:36
悲。短歌009/7/7 23:27
翡翠色電車自由詩309/7/7 22:43
きみのくびをしめるゆめをみたい自由詩009/5/19 20:30
Rem自由詩009/3/10 21:03
短歌109/1/6 15:00
ランドスケープ自由詩008/12/23 1:35
ソルファの口付け自由詩108/12/23 1:19
割れた月自由詩008/10/25 22:47
路地裏物語自由詩108/10/7 22:42
In short, 「the end」自由詩2*08/10/6 20:06
白い部屋でうまれたさなぎ自由詩1*08/10/6 19:46
ツメハギ自由詩008/9/22 19:36
音待ち自由詩008/9/22 19:07
猫唄自由詩3*08/9/12 21:26
或る夢のナカの話自由詩008/9/11 19:43
うたうたいの飼い猫自由詩208/9/10 23:03
実験金魚の理科室自由詩108/9/10 22:43
はなのこえ自由詩108/9/5 20:59
レトロブルー自由詩108/9/5 20:18
逸話ヒーロー自由詩108/8/30 11:58

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