夜の海によく似合う
あたしの黒い髪をひと束裂いて
そこであなたとあたしは終わり

涙は無駄よ
どうせ海に混ざるもの
裸は嫌よ
ひらひらと舞う姿が素敵だから
どうかワンピースを着せて
 ....
せかいがゆらいでゆらいで
ねむいのをおさえて、またゆがむ
あしおとは ふら、ふわ、ふらふらっ、たんっ

からだはひだりにかたむいて、おしりがへんなかたちです
せかいはゆらいで、ゆらいでゆらい ....
「戦争」が始まって半年余り
悲しみが渦をまいてめまいがする
精神薬の空箱が崩れて溶けていった

努力も向上心もそれを書いた薄い紙も
ロジックと倫理を練って叫んだ口も
誰も見とめられないなら ....
短い詩を書こう
在りもしない宇宙を描こう


いるか座とくじら座と海で泳ぎまわり
てんびん座とコンパス座で勉強をし
おとめ座と恋をしよう



短い詩を書こう
甘いお菓子の宇宙を ....
ここへおいで、と貴方は言った
そこに居てね、と私は祈った
あそこに行くの、と貴方は死んだ
どこに行くの、と私は泣いた
棚から落ちた私を
拾い上げた人の瞳を見て
私は私を初めて認識した

もげかけた手足とか
赤茶けたスカートとか
取れかけた青ビーズの瞳を

3日前に来たブロンド髪の子が
私をくすく ....
死んでも言わない
初対面は気に入らなかったこと

死んでも言わない
意外な一面を見てしまったこと

死んでも言わない
らしくもなく優しくしてしまったこと

死んでも言わない
本当は ....
目を開ければ猛暑の様に
温いものばかりが私に入り込んでくる

地下鉄の線路に立つけれどアナウンスは同じ事ばかり


『黄色い線の内側に立って下さい。貴女の脳ミソは異常です。』


私 ....
だって、いつだって貴方は
言葉通り
私の視界一杯に映るもの


ゆらり、動く入道雲とか
怖いくらいの終わりない蒼とか
晴れすぎた太陽とか
夜明け前の鈍色とか
包むような、夜とか

 ....
心臓の音を子守唄にして
生を数えて眠るだけの毎日はもう飽きた。
誰とも関わらない
薄れた体で無邪気に泳ぐ
時折振りかえる君は
ひとりのドッペルゲンガー
魂だって其処には無いんだよ?

自由が全てということは
全て不自由ということで

きみの知りう ....
公園の夕刻を鴉が告げていく。
またね。別れを告げる女の子。途切れ途切れに笑う。最後のひとりだった。
そうしてまたぼくはひとりぼっち。
完成間際の砂の城。どうしようもないよ、とりあえず完成させよう ....
ゆるりと目を開ける
雨夜は私の体温さえも{ルビ蝕=むしば}む
寝ていては私の命が危ない

蒼い瞳をぎょろり動かして
アスファルトの溝に水たまりを見つけた
少なくとも今日は飲料水には困らない ....
失意の童話の王子様
白雪姫にキスする振りをして
吐き出された毒林檎を
もう一度飲み込ませてしまった


失意の童話の王子様
割れたガラスの靴を
貴方はシンデレラに履かせたの

 ....
点滅途中の信号機
音の鳴りはじめた踏切
遮断中の横断歩道
アルコールを含んだ私の頭の中

かんかんかんかんかん

かたんかたんかたん
ことんことんことん


汚された制服を着てい ....
君だけに操を立てて只一つ恋焦がれるは命の終わり 唐突に重い身体を感じて夢から覚めたと思い知る



薄い霧のかかった感覚を占める温かさ
髪や腕を撫でるもの
きれいなあなたのゆび



反射的に目を開いたけれど
覚悟 ....
{ルビ赫色=あかいろ}提灯が誘う、誘う

其れに似た色の林檎飴が

いかにも着色料使ってます、な感じで

艶めいていて笑う、笑う


{ルビ赫色=あかいろ}浴衣の女の子が走る、走る
 ....
貴方を探して参ります。
どうか
私を探さないで下さい。
水族館
泳ぐ魚を
凝視、凝視
美味そうだなぁ、と
思うは異常?
私は砂糖菓子で出来ている



科学者の興味で作られた
私の体は砂糖菓子で出来ている


誘え
誘えと
中から声が聞こえる
あまい身体で男を誘惑しては
愛されることに溺れていっ ....
堪能するなら今のうちだよと誰かは行った
記憶の端っこを泳ぐような
四方何処までも蒼い水の中を私は回る

熱帯魚に似た鈍色の魚達の
柔らかい声に耳を奪われる
「何処へ行くの」
「どこへいく ....
私は血を流す
彼女はそれに指を絡める

水膜を少し張った彼女の目から
ひとつになりたい、って感情が見え隠れする


{引用=
「“愛すなら血の一滴まで”
って歌詞があったから、」
 ....
百合の花買い集めては敷き詰めて予想外にも花葬になる


買い為めた醤油の期限が切れたから一気に飲み干す テレビは予約


首吊は一瞬なんだし手軽だしせっかくだからリボン ....
晴れすぎた空が
一筋の飛行機雲が
伝える
今日は真夏日だよ、って

タイムリミットは多分あと1日
クラシック風のサイレンが昼と夜
4回鳴ったから
暗記力の悪い僕の頭が正しければ
の話 ....
特大の飴玉を飲み込んでも死ねませんでした
熱いチョコレートをバケツで被っても溶けませんでした

「この甘い気分のまま死んでしまいたい」

とは
どうすればいいのかな
 ....
まだ固いスーツを初めて着た日は
苦笑いをしながら君に見せに行った
確かアザレアが咲く季節だった

明日から社会人だよ、と
半分不安めいた口調でそう言った
確か猫の恋が始まる季節だった

 ....
卓越した頭脳に何の問題が有るか、なんて
利己主義の恋人は言う
あなたの彼女の精神は病んでるって言うのに

袋入りの粉にまた手を伸ばす
あと一回

これしかないのよあたしには

また着 ....
僕が死ねば
君は僕を愛すのか

では僕は死ななければ
君に愛してもらえないのか
つないだてをはなさないままで
わたしはねむりにつきたいのです

あなたは ないてない とつぶやいて
またなくのです

あのひわたしが すきだ といった
ゆりのはなのかおりをただよわせたま ....
梨玖(69)
タイトル カテゴリ Point 日付
海葬自由詩015/11/4 23:50
ワイパックス宇宙自由詩113/6/17 3:53
就職活動失敗自由詩013/6/17 3:43
詩人の宇宙自由詩113/2/8 1:51
こそあど別れ自由詩012/7/1 2:48
ジャンクドール自由詩112/2/6 14:44
死んでも言わない自由詩211/8/18 22:56
幸せの線路道自由詩011/6/3 17:11
空恋自由詩111/1/29 3:45
睡眠前の発覚自由詩111/1/16 23:29
ドッペルゲンガ—自由詩211/1/4 23:56
夕海自由詩110/12/3 0:33
雨夜の猫自由詩210/10/3 4:48
王子様自由詩010/9/9 1:08
透明になった人間自由詩110/9/1 2:13
短歌010/9/1 1:38
睡眠病自由詩310/8/9 21:53
イマジネーションパレード自由詩010/7/23 19:14
退廃した汽車に乗って自由詩210/7/21 19:45
是非、食卓に短歌310/7/20 22:20
砂糖菓子少女自由詩110/7/20 21:51
こどもの白昼夢自由詩110/7/4 23:25
浸食系女子自由詩110/6/29 17:01
日常的に自殺短歌1*10/6/29 1:09
少女兵士193号自由詩0*10/6/29 0:15
スウィート・ロンリーガール自由詩410/6/14 8:39
いつかいつの日か、透明になる君に自由詩2*10/6/13 18:46
めらんこりあ自由詩010/6/8 22:51
死体愛好家自由詩110/6/8 18:03
献身自由詩210/6/8 17:50

Home 次へ
1 2 3 
0.08sec.