殺しに到る感情のライン、俺はいつだって不都合を拭い切れず全てが終わった後の閉ざされた部屋の中で汚れた刃を研いでいる、それを誰の喉笛に届かせようというのか、劇的な夜明け前まで考え .... 横たわる過去に手を添えながら眠った
まだあどけなさの残る女の汚れた横顔
真っ直ぐに純粋を求め過ぎてしまって
気づいた時には取り戻せないほどの傷みを背負っていた


溢れるほ ....
すべてが優しい歌のようで
すべてが明るいあこがれで
おまえらはまるで夢のようだ
洗おうともしない穢れに蓋をして白く塗り潰す


街中の繁華街の
何か ....
頸動脈に錆びたナイフ、生を絞めつける死の模倣、こそげとった表層の肉片を、友人たちよ、おまえに分けてやろうか、早い睡魔、求める者の先端すら叶わぬほどに、細胞を覆い隠す睡魔、指 .... 深く奥底に沈んだ
牙の先端を探して
いくつもの時間の粒が
真夜中の闇の隔たりに消えた


愛の音がしていた
夢の音がしていた
晴れの日の
花の匂いが ....
何処に居るかなんてもういい、誰と居るかなんて
いちいち説明しなくてもいいのさ
居てくれればそれでいい、君が君として
どこかで生きていてくれれば
守らなくちゃいけないものだから約束と呼ぶ ....
君はミルクを温めていた
空白の時間を縫うように
冷えたキッチンをほんの少し
人の心に近づけようとするみたいに

昨日(一昨日かもしれない)、タクシーを盗ん ....
やつれた馬が夕陽の逆光の中、死に場所を探す幻覚、テトラポッドの上に鎮座した唇の歪んだ神は俺の安物の上着に唾を吐いた、あての無い上昇の様な冬の始まりの晴天、粒子である彼らが照らす世界はあまりにも .... 吐こうとした言葉はすべて懐に隠して、手元で何度となく弄んできたようなものばかりを並べて、それを予防線と呼ぶことにしてなんだか満足した、申し訳なさを匂わせるみたいに段階的に光度を落として .... お前は
晴れた空のもとに居た
晴れた空のもとに居て
果てしなく涙を流していた
生きてることが嬉しい、馬鹿みたいだけど
お前は言葉を詰まらせながらそうつぶやいた
神の不在を信 ....
近しい者たちが古木のように渇いて、俺の周辺に立ち尽くす
これは何の冗談だ、灰になってこぼれるみたいな息をしやがって
俺の至らなさはお前たちのものじゃない、俺が死ぬまで懸命に抱えてゆ ....
取りこぼした一日のことを思いながら濡れた路面を漂っている午後の温い焦燥、底が破れ始めた靴のせいで靴下はすぐに嫌な湿気を持つ―吐き出したガムの形状が悲惨な最期を遂げた誰かみたいで、名前を .... クリアブルーのスカイの中に融けてゆく影、背中に置手紙は無く
風に混じる最後の言葉も無かった

黒い刃物の様な
羽を広げたカラス、ある種の領域を制定するみたいに
いくつかのリングを ....
固く握りしめた
拳をぶつけあうような
ギラギラした発芽だった
街をなぎ倒すような
雨が降り続く深夜
裏口からもぐりこんだ
潰れた小さなブティックのフィッティング・ルームで
言 ....
デリバリー・ピザのスクーターがどうしようもないエンジン音を響かせて街路を乱暴に駆け抜けるとき
君は安物のアルコールの酔いに侵され遅れた右足にイラついてい ....
縛られた記憶は
身体を自由にはしない
冷たい床の感触
フローリングの無機質
そばには蛙がいた
本当には居ない、小さな雨蛙
君は自由だ、とそいつは言った
「君は自由なんだ」
俺は ....
分裂を繰り返し損ねて畸形でくたばりかけた細胞がどうしようもない呪詛を吐きながら加重する真夜中の少し前、廊下に落とした昨日の、未消化のフレーズたち、ぶくぶくと粘度の高い泡を吐き出 .... 疲れの果てにあるはずの
深い眠りが閉ざされた
暗闇で放し飼いの、潜在的な――脅威

カーテンの向こう、いくつもの外壁を反射してくる性急な車のライトが、まるで
取り返しのつ ....
懐かしい雨の音がする、俺はとっくに不具合で、伸ばした指先は必ず何処にも触れられないでいるというていたらく、唾液を呑み込むことにすら痛みが走る、故障だ、故障だ、すべて .... とおくの海岸線を見つめた
とおくの海岸線には
数え切れないほどのひかりがあって
まるで
とおい海の上に
もうひとつの
ひかりの海があるみたいで
きみは
そのまんなかで
あ ....
俺が何を考えているかなんて誰もが知ってる
どんな本を流し読みして、どんなサイトにアクセスしてるか
どんな飯を食って、どんな茶を飲んでるか
愛想笑いの陰で何を考えているかなんてみんな知 ....
擦り切れたのはお前の身体かい?
ガーデンチェアに腰を下ろして
さりげなく窺う悪しきもの
あいつの目線からは下水道の臭いがする
腐臭じゃない、脳内で渦巻く…たくらみがどうしようもなく ....
湿気た
非常に湿気た
暗い
地下室の夜に
海底の死体の
くぐもった声が聞こえる
最後に沈んだ船の
偽のいかりに阻まれて
どれだけ腐っても
膨れても
浮上出来ず
深海魚の好 ....
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った男が綱渡りをしている
彼の目は落ち窪みもはや世界を見るための確かな光はそこには無い
生まれてから40年近く繰り返してきた言葉 ....
つ、たん、とわずかなタップダンス、軒先を転がるようなリズムがして

時のながれをひとあしおいこして行く


あのひとは、いまごろ猫だろう、思いのほか自由な四肢で世界を掻い ....
退屈に過ぎる日
空は暗く
降るか晴れるか
まだ
決めかねている
約40キロで
狭い道路を抜ける
エンジンの歌の反復
頁をめくったけど、次にはいけなかった ....
音楽を聴いているうちに眠った、PCの中の
ただの信号に変換された音楽
信号のままで感じるみたいに、流して



平静のために
なにもかも閉じられた部屋
夏の初めの勢いに
 ....
俺はなしくずしだ、運命よ俺の髪の先を噛め、俺の髪の先にお前の刻印を残せ
俺はなしくずしだ、溝に鼻先を突っ込んで汚れた水を飲む
俺はなしくずしだ、どれほどさまざまな手口を試みてみても何か ....
どこかのアパルトメントの
窓から下手な鼻歌
握り潰されたマルボロの空箱が甲虫のように転がる
排水溝からささやかなモルツの香り、だけどそれは
はなはだ飲みすぎた誰かの
 ....
苦し紛れに吐き捨てた言葉の中には見るもおぞましいいびつな感情が梱包されていてそれは解かれる必要すらないほどに歪んでいて情けなくそしてあきらかにそうというほどではないのだけれど決 ....
ホロウ・シカエルボク(1232)
タイトル カテゴリ Point 日付
殺しに到る感情のライン自由詩008/12/2 1:02
手遅れの迷いが映し出すものは自由詩1*08/12/1 0:13
定置漂流自由詩6*08/11/29 17:58
いくつもの種類の赤自由詩1*08/11/18 0:17
そこにもう生温かい宿命の感触は無いとしても自由詩2*08/11/17 0:42
その時こそ僕はハローって言う自由詩2*08/11/16 22:58
甘く温かいミルク自由詩5*08/11/10 23:39
11月、やつれた馬とはぐれた鳥、初めからそこに居る魚と外側か ...自由詩0*08/11/8 19:04
ナイフ自由詩2*08/11/2 15:38
Sunny Day自由詩2*08/11/1 22:35
渇いた樹皮降る、腐葉土の寝床に自由詩2*08/10/29 23:54
刻まれたものは擦り切れるまでは息遣いで在り続ける自由詩2*08/10/28 23:35
休日自由詩3*08/10/26 9:49
火傷自由詩4*08/10/24 0:12
余計なものを連れてくるから自由詩0+*08/10/21 23:15
幻覚の蛙自由詩0*08/10/19 22:36
受胎告知自由詩3*08/10/13 15:01
色の無い血溜まり自由詩2*08/10/6 23:54
雨にさらされる光のない世界だけが自由詩3*08/9/6 19:25
ひかりの海自由詩3*08/8/31 20:31
俺が何を考えているかなんて誰もが知ってる自由詩2*08/8/29 0:39
目線にいちいちイラついたりなんかしても自由詩3*08/8/16 23:39
地下室の水死体自由詩2*08/7/22 0:10
120階の屋上から150階の空室の窓に荒縄を結んで気が狂った ...自由詩1*08/6/18 23:34
猫の記憶自由詩4*08/6/4 1:07
退屈に過ぎる日自由詩1*08/5/31 1:41
音楽を聴いているうちに眠った自由詩008/5/25 23:54
なしくずし自由詩5*08/5/21 21:48
潰れた酒屋の勝手口をノックしているハスキー・ボイスの若い女自由詩4*08/5/18 22:30
形見という概念をどのへんに位置づけるか、それはあんたがたの自 ...自由詩1*08/5/15 18:08

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