僕のさみしい夢を
獏は食べててくれたのかな

獏のさみしい夢を
僕は食べてたのかな

今日
どうしてここにいるのかな


  
    
  

みんなおらっちのこと「さんらー」ってよん
でるけど、おらっちにはもっとちゃんとした
「せいとく」っていうかっこいいなまえがあ
るのに。でもかんじはかけないからさ、「さ
んらー」でい ....
ラベンダー絨毯の中、東へ東へ向かうバス。
点在するハーブ園、スィングするカラフルな
文字、流れる。ラジオから「セージ、パ リ、
マリ 、タイム、、、」と聞こえ、「行くの
ですか」と問い掛ける。 ....
凸凹配位座はいつでも漂っていて、なにかの
拍子に、繋ぎ合っている手のひらの合間にも
ある。ついさっきまで当たり前のことが、風
ひとつ吹いただけで何ひとつ理解できなかっ
たり、その道理に畏れたり ....
 三丁目の角を曲がったところで、ふと君の
匂いを感じたとき、なんてことないと思って
いたのに。


 電子レンジに卵を入れて、しばらく眺めて
から取り出し、破裂するかどうかを少しだけ
考 ....
京急のな
平和島あたりぃ
富士山が見える時があんねん
ほいたら何でんない車内で
あぁってじんわり沁みてくん
それが沁みてくんねん

朝はもう乗っとるだけで
鬱になりそうなところ ....
クロッキー

 齧りかけの林檎をはじめて描いたのは、13
歳のクロッキーで、もう、20年も前のこと。
その後、デッサン、水彩画、詩の入ったポス
ターカラー仕上げ、油絵、完成した絵は一枚
だ ....
 

 自転車置き場で空を見上げるのがいい。そ
こに、風でも吹いてくれればなおいい。そん
なとき携帯電話の電池でも切れていて、何か
大事なことや、大した事じゃないことや、君
にとってはもの ....
 

五反田へは品川まわりの方が早いけど、君を
思いだすために、久しぶりの家並みを見なが
ら。今の僕には、池上線がちょうどいい速度
で。君と出かけた日、洗足池で降りだした雨
は五反田で本降 ....
ようやくもの心地ついたよ
って
一旦やめる
一旦やめることを始める
一旦やめることをやめる

そう

こんなもんかって
帰れない夜に
ぐるぐるまわって
溶けるように

こんな ....
(曙)

 薄暗い部屋の中、光のはしごがすうっとか
けられ、それは、雨戸の隙間から漏れてい
て。僕はふとんから起き出て手を翳した。掴
むことはできない。ああ、それでも、光に触
れることがで ....
新しい病院へ向かう車の後部座席で寝転がっ
て、窓の向こうを見ていた。お泊りはもうい
やなんだけど、もう、指を銜えるほどちっち
ゃい子供でもない。やがてドアが開き、傘を
さしながら「ゴメン」と言 ....
ひとつ物音が消えてなくなれば、かき消され
ていた音が聞こえてきます。テレビを消して
みましょうか。ちょうど今頃は庭先から、み
なさんがよく知ってるものや、そうではない
虫の音も聞こえてきます。 ....
  


返還された軍用施設跡を覗きに
まだ子供だった僕らはフェンスを越えた

建物はまだ残されていて
バーらしき場所には
ボトルが転がっていた

中途半端に積まれたパレットに腰掛 ....
 

いちちゃが
いちまでぃうんな
あんしぇーまたやーさい

(なぁ、けえてぃくんな)

——
何時来ゃが
何時迄居んな
あんしぇーまたやーさい

(なぁ、帰てぃ来んな)
 ....
息を吐くように嘘をつき
息を吐くように詩を語り
息を吐くように哲学とか

そばで僕は
息を吐くように見過ごす

息を吸うように語る人に
息を吸うように耳傾ける
   


土の中の箱の中に
しまい込められた
あの頃の未来の絵は
もうとっくに
古くさい世界で
  
そう
あなたはとっくに
幸せになってるはずだ

 

風の知らせで ....
  
ちいきをまもる
ぐりりとぐらら
りんせんたいせい
すいかのもよう

ちゅうかんかんりの
ぐりりとぐらら
りそうのゆめは
すぐそこなのに

ゆめのような
うつつのような
 ....
 

ここほれ!
と背中がつたえてくる

今のお前の生き方
じじばばに見せてやると




    個体発生は系統発生をたどって
    夕陽があらぬところに射し込むと
  ....
  


下りに乗ってしまえば
あの日の二人が見える
ような気がする




    君が
    嘘はつかない
    という嘘をつくように

    僕は
    ....
君達はすべてのものに、ほんとの社会の窓を
開け放つために生きている。それを抑えつけ
る、真実のない化け物たちに立ち向かい。




ふたつの気持ちが重なって消えてしまうこと
はよくある ....
始まりの終わりと
終わりの始まりの
僕は始まりを待てない
君は終わりを待てない

ささくれの
あとさきの
僕は始まりを待てない
君は終わりを待てない

言葉は完全なものではなく ....
我が家では

いただきますの後
ニャー と号く

あの日から
そうしてる



魚屋さんには夕陽がさす。それは、雨が降っ
ていても、モールの中でもかまわずに。その
匂いの中に ....
気がついてみると、あの頃にようには心や脳
が動かなくなったのか、とかなんとか。そん
なことはないはずで、身体と心のあちこちが
ゆるんで、ちょっとやそっとしたことなんか
で胸が高鳴り、涙を流して ....
わすれもの
わすれたままに
しておく呪文

ときどき きれて
おもいだす




エアコンの効き過ぎたホールの
化粧の芳香と二の腕にむせながら
逃れた駐車場の隅に


 ....
祈るべきことが多すぎて
だから一日が終わるのだろう



そろそろお釈迦様が袖を振る頃だ。と言われ
てもう、八百と二十余年。それから、最期の
お裁きがあると言われてもう、千と十 ....
    


剣とペンも使いようで

あんまりにも
早く咲くものだから
いくつも忘れ物をしたようで
ふりかえり
ふりかえり 
   している

手を引かれている子が
みん ....
  

僕が森に行くのは
そこに隠れている夕焼けを
あの日の夕焼けを見たいからで
森に行けないときは
こうして目を閉じている
できれば
君の息が聞こえるくらい静かな場所で
静かな気持 ....
行きそびれた 五時
帰りそびれた 五時



もうそんなに刺激が欲しい年頃でもない、
とつぶやいたあなたが、カットハウスへ
消えてゆく。それでも、歌はどうですか?
それを詩に込 ....
東京SK駅から北東約十分
明日にかかるプールバーで
転がる玉を見ている
すべての始まりはそこで
やがて
花火の夜に散るように
マイクロバスから
あせた国際色が帰る宿
すべての始まりはそ ....
AB(なかほど)(622)
タイトル カテゴリ Point 日付
今日の夢も不味い自由詩12*23/10/6 16:53
さんらー は (散文詩 10)自由詩323/10/1 15:51
ハーブ園 (散文詩 9)自由詩4*23/9/26 9:18
月の村 (散文詩 8)自由詩6*23/9/22 19:47
飼い主のない猫 (散文詩 7)自由詩5*23/9/15 18:35
J-Western in KQ自由詩6*23/9/13 20:30
齧りかけの林檎 (散文詩にしてみました 6)自由詩523/9/12 9:32
夕焼けが足りない 1 (散文詩にしてみました 5)自由詩6*23/9/4 20:49
帰る (散文詩にしてみました 4)自由詩7*23/9/1 22:03
&自由詩323/8/30 18:53
チンダルのはしご (散文詩にしてみました 3)自由詩523/8/29 9:38
車窓に雨 (散文詩にしてみました 2)自由詩723/8/25 22:48
夜半消えゆく音に (散文詩にしてみました 1)自由詩5*23/8/23 20:10
ヘーグのフェンス 青空自由詩5*23/8/21 19:32
いちちゃが自由詩223/8/16 22:00
ろんざない自由詩3*23/8/10 20:13
入道雲自由詩723/8/5 17:28
虫送り(チグリス チグリス ユーフラテス)自由詩1023/7/29 18:23
墓地のポチ自由詩423/7/23 16:52
待ち癖自由詩623/7/14 9:34
社会の窓を自由詩523/7/4 11:22
僕らの独り言はソネットにならない自由詩3*23/6/30 19:26
お魚くわえない猫自由詩12*23/6/28 21:06
いつか あえかなきみ自由詩8*23/6/19 19:10
C賞授与式と呪文自由詩4*23/6/16 20:04
一夜と一万年の夜自由詩223/6/10 0:24
似顔絵と安全ピンと自由詩223/6/4 12:46
夜に噛むために自由詩723/5/28 18:53
五時のニュースです自由詩3*23/5/23 8:49
ビー玉沿線自由詩9*23/5/21 16:51

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