男は枯れない
枯れてたまるか
父親は豪語していた
親戚が集まる宴会で
「俺は七十になる今も現役だ」
俺は母親をそっと盗み見た
顔が紅潮している
幾ら酒が回っているからって
人前で、 ....
道端に彼岸花が咲いている
家の近くの細い道に
道端に曼珠沙華が花を咲かせている
家の近くの畑と畑に挟まれながら通り抜けてく農道に
車一台やっと通れる道に
工場の屋根の煙突が
白い煙 ....
カネを払えば女は抱ける
カネがなければ
女を抱けない
そんな男はごまんといるよ
これを書いたら
「女を何だと思ってるの」
って
世間の女の人に嫌われるだろう
だけど
女の ....
晴天の空色が蒼く見えるのは
それなり理由があるんだろう
夕焼けが血の色に見えるみたいに
空気が無色透明でいてくれたから
自然界の全ての色を
この眼は識別できる
でも
そこから ....
俺の家から歩ける範囲には
コンビニ スーパーマーケット
俺の家から歩ける範囲には
学校 郵便局
等がある
なのにどうして
俺の家から歩ける範囲に
天国と地獄がないんだよ
何を寝 ....
一戸建てを買ったのは結婚して五年ぐらい経ってからだった。
独身のままで一生終わったらアパート暮らしで生涯を閉じたに違いなかった。
住宅購入を決断して取り合えず実家の父親に電話で報告したら、いき ....
哀しいかな
俺は爽やかイケメンじゃない
哀しいかな
俺は正義に味方しない
哀しいかな
俺はボランティアに気持ちが向かない
哀しいかな
俺は自分の都合しだいで
コロコロ変 ....
子供の頃から 前編と後編に分けられたテレビジョンドラマを見るのは嫌だった
中編なんてあったら許せない気持ちになった
人生を前半と後半に区切るという難問には 対決する必要なんでない
夜
....
どぶ川に浮かんで漂う人間のクズ
何処かで殺害されてから深夜に運ばれて川に投げ込まれた
と推察された
男には相応しい死に様だった 誰からも同情されないだろう
寧ろ犯人は称賛されるに違いなかった
....
心が汚れるって?
どんな風に
心が洗われるって?
どうやって
なんて愚かな質問
に
答えは存在しない
と
思うわけ
まだ夜が明けきらない朝
街はまだ目を覚ましていな ....
何が欲しいの
何を求めているの
それより
何が要らなくなったの
何を棄てたいの
自分が見えないの
それとも
自分から
眼を反らしたいの
それは
現実から眼をそむけたいから
....
およそ人は
算数に支配されて
生きている
らしい
私に
数学は役に立たない
ワルい人
ワルくなってしまった人
ワルくなる可能性を秘めた人
そしてワルくなれない
善良な市 ....
見えないもの
と
聞こえないもの
触れないもの
存在しない筈のないものが
眼を閉じると
姿をあらわしてくる
荒れ野は果てしなく
正体不明の光の輪が
暗闇の樹木の周囲を飛び ....
適度なストレス
と
過度なストレス
どっちにしても
ストレスは捌け口を探している
病気の原因の六割は
ストレス
ストレスは捌け口を探している
ストレス
と
セッ ....
お互いが同じ快楽共有す
凸と凹男と女の関係は
失敗を何度か重ね性交し
テクはないただがむしゃらにいたすだけ
営みがいとなまれる夜雨も降り
人だって発情期には会うたびに
....
キラキラキラキラと輝く水平線は遥か彼方
あの辺りの海底に
父は沈む
母も沈む
ふたりの姉も沈んでいる
そんな筈はないけれど
遠く海を眺めていたら
そんな幻想に襲われた
....
この国の季節は四つ
春夏秋冬
なんで春が一番なんだ
一月の時点で冬なんだから
冬春夏秋でいいんじゃないの
冬春夏秋
読みづらいな
話は飛ぶけど
地球に巨大な隕石近づいて ....
眼鏡してメガネを探す秋の老い
年金が支給されたら風俗に
お父さんいい年をしてもうやめて
欲望がめらめらめらで何恥じる
俺元気元気なんだと老妻に
死んだって灰にはならぬ天狗 ....
産まれてから死ぬまでの
間をいっしょうと言うらしい
死んでからふたたび産まれるまでの間を
何と呼べばいいだろう
棺のなかで花に埋もれながら
蓋に釘を打たれた日
そこから始まる舟の旅 ....
洗っても落ちない汚れありまして消すにけせないワルな汚れさ
生まれつき「死」の刻印が押されてる逃げ場ないんだ命の世界
雨降って地が固まるは嘘だろう弛んだ地盤に潰れた家屋
増税に酒と煙草 ....
小学校の担任は若い女先生だった
その日先生は家庭訪問をして回った
田舎の学校なので、田んぼと畑の間の道を自転車で回った
一日では終わらないので何日かに分けて回った
その日先生は家庭訪問の途 ....
深海の船の残骸無の世界
根無し草旅に明け暮れ野垂れ死に
閉経しそれでも夜は女です
月一で赤い夕日が昇ります
いきなりの激しい降りに肌着透け
欠片さえ愛はなくても「ラブホテ ....
太陽に焼かれた眼を
月明かりで癒す
繰り返し繰り返される
無味と乾燥の日々に色彩はなく
好きな人はいた
嫌いな人もいた
だが
多数を占めるのは
どっちにも分けられない人たち ....
コンビニのレジで
その人は買い物の会計をしてもらいながら
周囲にわからないようにして
店員の女のこに
小さく折り畳んだ紙を渡した
という
女のこは一瞬困惑した表情をしたけれど
直ぐに ....
女は男より先に起きて
朝食の支度して
出来たらまだ寝ている男のところにいって
耳元で甘く囁く「時間よ。あなた起きて朝ごはん食べて」
言いながら男の口に接吻した
そしてためらいながら「昨夜は良 ....
古くからの言い伝えでは
お金があれば
沢山持っていれば
人はしあわせになれるって
それは
確かに当たってるし
外れてもいる
例えば
お金が払えなければ
入院した病院だって ....
ほんとにうまいものを食べたかったら
普段は不味いもの食べてなさい
一人の女を愛し続けていたいなら
モテない男になりなさい
多数の女に好かれたら
一人じゃ満足しなくなるからさ
心 ....
詩を書くなんて
無駄なエネルギーの放出
誰かの書いてくれたモノ
読ませて頂いてたら
いいんじゃないの
それじゃあ駄目なんか
それじゃあ満足しないんか
なんやねん
阿呆かいな ....
それは異常気象の極み
前兆は何もなく
学者も気象予報士も誰も予想出来なかった
それは異常気象の極みだった
そうとしか説明がつかない
それまで蒼くすみきっていた
九月の空から
....
ぜったい有るって信じてた
子供と大人の境界線
現実は
体がかってに大人になって
心はそれを必死に追いかけた
オールナイトの映画館は
成人映画ばかりを上映してた
体がかってに大 ....
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