のがれられない かなしみ と
おいてきぼりにされた 寂寥 と

わたしの手のひらに あるものは
ただ ただ ひとつの むなしさだ

わたしは おまえを 握り締め
遠い街へと ゆきまし ....
ひとりきりの 秋の 夜更けに
天井の蛍光灯も テレビも 消して
ろうそくを ひとつ
灯してみましょう
淡い おれんじ色の炎が
闇を ゆらして
ゆったりと おどけはじめる

開け放し ....
今日も 辛い 一日だった

へとへとになりながらも
私は 今日も 生きながらえた

深夜 重い革靴を ひきずりながら
アスファルトの道を ひとり 歩いて帰る

空に 満月が かがや ....
夜明け前
鶏の鳴く声で目を覚ましたのは
もう遠い昔のことのようだ

今では
ゴミ場を漁る カラスの声で
目が覚める

僕がまだ寝床のなかで
うつらうつらしている時が
カラスの食 ....
飲んだくれたって いいでしょ?
だって 人間に 生まれてきたんだもの
たまには 飲んだくれたって いいですよね
虫なんかに生まれたなら
夜中じゅう ただ鳴いていなきゃなりません
それか勤 ....
太陽は自分を燃やして
すべてのものに 光りを注ぎます
それは宇宙のシステムで
人間の言葉では
これを『愛』とよびます

宇宙の生き物のひとつである
わたし達にも
そのシステムは ....
虫の鳴く夜は ベランダの
ガラス窓 半分ほども 開けまして
虫の声なぞ 聴きましょう

虫の鳴く夜は ワインなど
ちびり ちびりと 飲(や)りまして
虫の唄なぞ 聴きましょう

そ ....
天空から降り注ぐ粒子のあられ
α<アルファ>
β<ベーター>
γ<ガンマー>
三重奏の掠れた旋律は
我が肉体を透過したのち
真空の箱に充ちることはない

ブラインドされた虚ろな ....
  Ⅰ<夏も終わりの>

夏も終わりの
夕ぐれの海辺にいって
大きな貝殻を 見つけましたか
まるでひとつの 終止符のように
眠っている 白い巻貝
貝の耳に あなたのここ ....
時は過ぎて

ゆくでしょう

人のこころは変わって

しまうでしょう

それは仕方が

ないでしょう

あらがおうとしても

運命(さだめ)には逆らえず

それは仕 ....
おんなたちは 4つの虚偽をつくるのが 得意だ。

ひとつは、顔。
毎朝、 鏡の前で 自分の顔を無くしてしまう。

ひとつは、胸。
鋼入りのブラジャー、あるいはパットやらで、
時には、 ....
風は、いつも 不意に 訪れる

閉め忘れた 窓の スキマから

予感さえ なく

クリーム色の 壁の 棲み家に

押し込められた 日常

拘縮した生と 隣合わせの死の

 ....
いとも たやすく 風が 吹き

いとも たやすく 生きて きた

そこはかとなき しずけさに

緩やかに 風が きて

鉄塔の電線が 暗闇に 唸る

ながれゆく 雲の 切れ ....
昨日、犬を 殺してきましたと
あなたは言った。

あまりにかわいそうなので
殺しましたと。

母以外の他人には けして 懐かない
犬でした。

夏には きゅうりを丸齧りしてい ....
酸素吸入器に 繋がれて
あなたは、
二週間 生きました。

酸素吸入器に 動かされて
胸いっぱいの 息をして
かつて こんなにも 深く長く
呼吸したことはなかったと
思われるほ ....
当然、げどくそぶがやってくる。

私は すっかり
げどくそぶに 取り囲まれる。

そんな げどくそぶから逃れようと
そっと 立ち去ろうとするが
げどくそぶに 気づかれて
げどくそぶ ....
水族館の水槽のうえには空がない。

魚たちは 時折
水面に顔を出して 見上げてみるが
コンクリートの暗い天井が見えるだけだ。

ここは魚たちが生まれた海ではない。

水族館生まれの ....
人は なぜか 
ふと
思いつくことがある

仕事の帰り道 疲れた躰を 運びながら
ふと
夕暮れの空を 見上げて

金曜日の夜 スナックで ふざけながら
酔いつぶれた その 陽気な ....
たとえ 
輪廻転生があっても
わたしは もう たくさん 
だから
もう これでいいと 神様に 申し上げます
たしかに この世界は
美しい でしょう
でも
それ以上に 醜いものが
 ....
6月、7月は雨降りばかりで
こころまで カビが 生えてしまえそうだから
せめて 陽気に 笑ってしまおう

たまには ワインなんかも いいんじゃないか
こころが酔えば たやすく 陽気に な ....
つぎはぎだらけの毎日の そんな単調な繰り返しに
あなたは 耐えてゆけますか?

ざらざらとした風が 喉にからみつき
そんな空気を 吸っては 咳き込んで
あなたは それでも生きてゆけますか ....
海へ 出よう
山にいくために シュラフを詰めた
ザックを 捨てて
擦り切れた 重いキャラバンシューズを
脱ぎ捨てて
海へ 出よう

空への幻想は 捨てて
海の波のうねりの
な ....
そよ風 さがしに行こう
やさしい風の吹く街
何処かに きっと あるだろう

住み慣れた街だけど
この次 この街に立ち寄るときは
ぼくは ひとりの 旅人だろう

この街に生まれ  ....
みどり色の風に 恋をして
いつまでも どこまでも
歩いていけそうな 気がしていた

かなしみの色は 空のいろ
はるか遠くに 流れゆく雲は
やがて 消えてしまうでしょう

あてものな ....
こころに色があるならば
わたしが失くしたこころは 金の色

みずうみの底ふかく
沈んだ金の色の こころを
探しだしてください

いえいえ それは メッキの剥げた はがね色
わたしの ....
うすみず色のかなしみを
あなたは あなたの絵の具で塗り変えようと
悩んでる
何色差したら
ピンク色になるのかと

うすみず色のかなしみに
すこし赤を 添えてみる
それは くすんだむ ....
夕暮れ空に
吹く風は
悲しみの匂いがします

夕暮れ空に
吹く風が
洗いたての あなたの髪を 散らします

(匂い立つ 悲しみのかほり・・・)

夕暮れ空に
行く雲は
悲し ....
生まれて24度目の クリスマス・イブの日に
ぼくは初めてプレゼントをねだった
それが何か きみは知っていますか?

「里子さんを ぼくにください」

この言葉を言うために
ぼくが 一 ....
夜の 闇の 暗さの なかに
哀しみの 仮面は 閉じこめて
こころの 底の 片隅に
しゃがみ込んでいる
希望を 取りだそう

そして 今、
新しい朝への
出発の 準備を しょう

 ....
誰にだって
大切にしておきたいってもの
ひとつぐらいは あるさ
人から見れば とるに足らないと
言われてしまいそうだけど
そんなものを 抱え込んで
生きていこうと 思う

誰にだっ ....
南無一(67)
タイトル カテゴリ Point 日付
秋色夜曲五 <夜に咲く 曼珠沙華(ヒガンバナ)>自由詩115/9/19 20:49
秋色夜曲四 <追憶は けして消えない>自由詩215/9/11 23:23
秋色夜曲三 <私は 今日も 生きながらえた>自由詩015/9/6 20:20
カラスの声で目覚める朝は自由詩115/9/6 20:16
秋色夜曲二 <虫の鳴く夜に>自由詩215/8/30 21:00
宇宙的システム自由詩315/8/27 23:08
秋色夜曲一 <虫の鳴く夜は>自由詩515/8/26 21:02
粒子(たまし)は天空を飛翔する自由詩115/8/25 19:39
夏も終わりの・夜の海自由詩215/8/24 21:46
時は過ぎて ゆくでしょう自由詩215/8/22 21:35
4つの虚偽自由詩015/8/17 22:06
風は、いつも 不意に自由詩115/8/10 22:19
BLUE・MOON自由詩015/8/6 22:14
母の願い自由詩415/8/6 22:13
腐った息自由詩215/8/6 22:11
げどくそぶ自由詩115/8/2 22:41
不機嫌な魚たち自由詩215/8/2 22:39
ふと自由詩115/8/2 22:37
輪廻転生自由詩015/7/3 20:55
雨の季節が、過ぎれば自由詩115/7/1 19:11
世界は すべて 美しい自由詩115/7/1 19:03
海へ自由詩015/6/28 21:35
そよ風さがしに自由詩015/6/28 21:18
みどり色の風に 恋をして自由詩215/6/21 21:49
こころに色があるならば自由詩315/6/19 23:06
うすみず色のかなしみは自由詩415/6/19 23:05
愛歌Ⅵ <悲しみが深いほど 美しい>自由詩215/6/15 22:24
愛歌Ⅴ <24度目のクリスマス> 自由詩015/6/15 22:22
愛歌Ⅳ <今、新しい朝に>自由詩115/6/14 22:07
愛歌Ⅲ <幸福という土地まで>自由詩115/6/14 22:04

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