げどくそぶ
南無一


当然、げどくそぶがやってくる。

私は すっかり
げどくそぶに 取り囲まれる。

そんな げどくそぶから逃れようと
そっと 立ち去ろうとするが
げどくそぶに 気づかれて
げどくそぶは 後からあとからついてくる。

私は 走り出して 逃げる。

げどくそぶも 走って追いかけてくる。

すぐに追いつかれ
私は げどくそぶ だらけになる。

いつも そうだった。

なんとなく気分よくしていると
いつのまのか
知らずに
何処からともなく
げどくそぶが やって来て
げどくそぶは 私を 占領してしまうのだ。

すると 私の眼は げどくそぶになり
見るものすべてが げどくそぶに見えてしまう。

そして 私の耳は げどくそぶになり
人の話している言葉が 全く理解できなくなる。

そんな時は 抵抗するのを諦めて
私は 静かに眼をつぶり 耳をふさぐ。

げどくそぶが
私から いなくなるのを
ただひたすら 待つしかない。



自由詩 げどくそぶ Copyright 南無一 2015-08-02 22:41:09
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