紙の鏡が風のなかにあり
風ばかり映して黙っている
光の重さに
歪みまたたく ....
片羽の鳥が燃えながら
旧い炎をついばんでいる
公園であり庭であり墓である ....
世界の始まりは夜の闇
夜の黒は
星と月によって和らいだ黒
それが下にいくにつれて濃い黒 ....
薄暗い姉達の部屋で、僕はズボンとパンツを脱がされ、ただぼんやりと立っていた。
「いーい、健太はお ....
夜のとばりが下りるころ
聞こえてくるのは夜風が唄う子守唄
流れる雲に見え隠れする月が
やさしく ....
わたしの総てを
受け容れるだなんて
わたしにも出来ないことだわ
だから、
わたしの総 ....
フローリングに寝てるはずなのに
沈む感覚ありません?
砂浜にきちんと立っているはずな ....
私達デブが数十年に渡って
蓄えて来て
これから先も
蓄え続けるだろう
この脂肪が
将来きっ ....
庭の片隅で子供がじゃんけん
勝った手で円を描く
ここはぼくの陣地
庭の柿の木に
猫が ....
うその家は
嘘でできている
三叉路が三つもある
うその家
みんなはそこで
笑っても ....
俺たちが未来に帰るというなら、
いつかそこで、一緒に作ろう。
白ワインとかいうのを傾けながら、
....
辿り着いた 秋の日
南天が 笑って いました
お前の出番は もう少し 先でしょう? と
笑 ....
小さな町が海に飲まれた日
とても嬉しかったわ
だって数年前 あの町の若者たちは
女を車に閉じ ....
今この目で見える世界それは所詮は眼球の中の世界しかしこの世は広いだろう途方もなく出口も無く端も終わり ....
空き地にはヒメジョオンの花盛りラブアンドピースアンド猫
ヒメジョオンってその名のとお ....
〈私と社会〉
社会は初め私をくるむ甘い衣のようだった。
私が一人で歩きだすと、
社会は今度は数 ....
何を待つ眠れぬ夏の夜の部屋エアコン喘ぎスマホは光る
いつでも今を精一杯
いつも元気いっぱい
バイタリティに溢れ
色んなところに顔出して
目立って ....
透明な大気に満たされていた
谷あいの小さな あの村に
あたしの夏は いつも帰っていった
斜 ....
親馬と仔馬おんなじ空の下
母馬の位置を気にする仔馬かな
仰向けに寝転ぶ馬の子の蹄
おいなりさんに焼き土下座して7月7日曇り
純情おいなりさん、夏を指している羅針盤
バベルバベル高く高くおいなりさん積みあげている
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