久しぶりの実家へ歩く道の途中で
幼い頃からあったガソリンスタンドが
跡形も無い、さら地になっ ....
夜道にぽつり
焼鳥屋の赤提灯が、揺れて
暗がりの地面に映る
丸い灯りの場も、揺れて
....
食堂で上司と鍋を食べる
一つのテーブルに向かい合って
売場の食材を鍋に入れて
直箸でそれ ....
地下鉄の通路を歩いていると
もしかしてこのまま出なくていいかなとか
考えそうになってあわててしま ....
落語を聞きに行くのが、
今は、楽しくてしょうがない、そうゆう時期なのだろう。
初心者だから、 ....
鮮やかな色を
失った僕に残ったのは
大きな影だった
伸びる影は尻尾みたいに
僕につい ....
『おや 気がつかれましたか。』
「はぁ。」
『まだ眠っててもかまいませんよ。』
....
雨が降る
シトシトと降る
心の涙が
シトシトと降る
人に愛され
人に嫌われ
生きてゆ ....
ただ 紺 としか言いようのない色の
ベニヤのようなうすっぺらい壁面の上に
サビだらけのトタン ....
君が猫舌だというので
ぼくは世界を冷ます旅に出た
温泉街で死神と呼ばれて
火事場ではジーザ ....
力不足は
だれの目からも明らかで
愛してるなんて
言えやしない
たとえどんなに想っても
....
酩酊する鳥、踊り狂う爪、剥がした謝罪と月明かりの弓、オレンジ色のケースとそこに収まるグラス、腕ま ....
うちには菜箸が何膳かある。菜箸のことも、一膳、二膳、と数えるのがただしいのだろうか。うちにある菜 ....
ホッテントット族が眠たくなって
だらんと垂れているところを
ピグミー族が短い脚を伸ばして
....
昔の帯地や
古着などを見る
大和の帯には
夢が宿る
芸者や上?や素 ....
スプーンのお腹は 唇の熱を一瞬奪う。
離して写れば 魚眼レンズなお米顔
花柄の柄を掴んで 口に入 ....
歓声が僕を呼び
観客が僕を呼ぶ
一時のショータイム
ライトが僕を飾り
イメージが僕を飾る ....
君から爽やかな風が吹いてきた
5月の午前のことだった
悪い噂は私の勘違い
君の夢が叶ってうれし ....
台風がいった空は
洗濯したての青空が
それだけで
私は幸福なのに
昨日の夜は
生き物の ....
君が自殺しても
誰も、悲しまない
皆、告別式に来てくれるかもしれないが
皆の頭は明日の事で一杯 ....
布団を重ねる順番で
保温力がちがいます。
もしくは同じであっても
皮膚に触れる布団の面において ....
しくみをつくり
しくみにいきる
乱調もまた
しくみとしてあり
解体したしくみを
....
ああ
舐めることは
そんなに嫌じゃない
ただ足を開かせて
股の間に
顔を埋めるだけ
ああ ....
何処の世界へ行きたいですか?
花がたくさん咲いてる世界ですか?
笑みが溢れる世界ですか?
愛さ ....
遙か遠い昔から
聞こえてくる音色がある
*
四十五億年を眺める
不 ....
しごとを
せいかつを
ゆうじょうを
れんあいを
しゅみを
いのちを
....
首すじをなぞる舌から抜け出してぬるい空気に隠れたいのに
浮き上がる骨を暗闇越しにみて誘い出 ....
{引用=
鴉の眼に宿る一閃の煌きが人々にとっては畏怖でしかなくとも
夕暮れに戻った巣の中では献身 ....
昼下がり、一人の子供が道端で待っている。
何を、というのではない。ただ当てもなく待っているのだ ....
派手なお囃子
とうに過ぎ
祭り終わった水面に
ホテイアオイは行進を続ける
ホテイアオイの行進 ....
あなたの狂気に触れた時わたしは海の底へしずんでしまいたかった
あ、共鳴してる。
(そんな気が ....
人間はきっと誰もが不安だ
生きる理由を無くしたとき
一体どこへ向かって歩けばいい
私にも ....
中途半端に生きてきた
水泳だって
吹奏楽部だって
勉強だって
仕事だってなんだって
こ ....
僕の
指で
嘔吐する
君の
口内から吐き出される
言葉、言葉、言葉は
キラキラと
美し ....
しらないまちを
あるいた
しらないというだけで
まちはふるくなり
あたらしく ....
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